第353回 「目を曇らせるリノベーション中古」

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Contents ●物件案内時の注意点(買い手に好印象を与えるコツ
  • 不動産売買は営業マンの営業力やヤル気次第
  • 高く売るコツは? ●実は何より大事なのは売主の印象
  • 物件案内時の注意点(買い手に好印象を与えるコツ)
  • 本当に専任媒介がいいの?   その他

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リノベーション中古という名の商品の魔法にかかった人は、いったいどれだけあったでしょうか? 今日は、リノベーション中古の商品価値についてお話します。

 

リノベーションとは

リノベーション(Renovation)とは、修理[復元];改装;革新[刷新]復といった意味ですが、住宅リフォームの世界ではリフォームの最上級というか、室内の設備・内装をすべて取り払って新たにつくりかえた新築のようにしたものを指します。

 

たとえば、間仕切りを広くする、キッチンをより現代的で機能性の高いものに変更する、といった事案です。

 

特定の住戸の室内だけを改装したものなので、共用部分に触ることはなく、どうしても中古マンションという事実はごまかしきれないのです。 それでも、室内の美しさに感動し、購買意欲は一気に盛り上がる人も少なくないようです。

 

魅力的なリノベーションという商品、どんな経緯で生まれたのでしょうか?以下で、事業者にとっての魅力を説明しましょう。

 

儲かるリノベ事業

ご承知のように、中古マンションの仲介手数料は最大で6%と定められています。買い手と売り手の間に2社が入る形になれば、3%ずつ分け合うことになります。

 

業者から見て可能な限り1社だけで6%を取りたいはずです。しかし、売り手から売却の依頼が直接来ることは多くないのです。 売り手は、たくさんある仲介業者の中から依頼先を主体的に選ぶことができるからで、大手仲介業者といえども独占的に受注できるわけではありません。

 

中小業者となれば、待っているだけで売却の依頼が来ることはなく、受注活動を様々に展開しても依頼件数が期待するほど伸びることはないのです。 中小業者は、買い手を探し、その希望に沿って他社の売り情報を紹介するという営業が主体になっています。

 

仲介物件は、業者間で共有し、売主から依頼を受けた業者でなくても買い手があれば紹介して仲介手数料を得ることができるルールになっています。

 

しかしながら、売主からの手数料は収受できませんから、常に3%が限界なのです。売りを依頼された業者も、買い手を探し当てることができなかったときは、「片方のみの手手数料3%でやむなし」です。

 

「今日にも売買が成立するから・・・」などと言って他社の売却を差し止めすることは禁じられているので、中小業者は他社扱いの物件を紹介することで、目の前の顧客との売買を成立させ、3%だけの手数料を収受しようとします。

 

このように、中小業者は買い手を探しあてたとしても、仲介手数料は3%しか取れないので、もっと儲けられる方法はないかと考え、「リノベーション事業」に手を出しているのです。

 

リノベーション事業は、個人の売り希望者から買い取ったのち、室内を刷新してバリューアップした商品として売り出すものであり、自社商品扱いになります。 したがって、仲介事業の6%または3%の制限は受けません。

 

つまり、10%でも15%でも利益を狙っていいのです。 それで売れるなら悪くないビジネスだと参入する事業者が増えて来たのです。

 

リノベーション物件に供される中古物件とは

とはいえ、リノベーションされない一般中古の売り出し物件もあるので、それとの比較で「高過ぎる」印象を与えるわけには行きません。このため、仕入れ物件の選別は難しいようです。

 

そこで、古すぎるために売れずに困っている築年数20年以上の物件を仕入れのターゲットにします。 安値で仕入れることができれば、リノベーション工事後の価格を低くできたうえに、大きな利益を目論むことができるからです。

 

リノベーション物件は、築後20年、30年の「売れない中古」が狙われます。 さらに補足すると、立地条件も「良いとは言い難い物件」が狙われます。

 

マンションの価値は、「1に立地、2に立地・・・」とされます。 古くても立地条件が抜群の物件は買い手が付きやすく、従って、リノベーション事業者の買い取り提案には応じるとしても、すぐに現金が欲しいといった事情にあるオーナーだけなのです。

 

手を出してしまいがちなリノベ物件

リノベーション物件は、大きな利益がオンされているものです。 それでも、手間なしで入居がすぐにでもできるというのは買い手にとって面倒がなく魅力があると言えます。

 

何より、見学時の「きれいな内装・新品の設備」に感動した買い手の購買意欲は高く、夫婦で盛り上がってしまいがちです。 見学に至る手前で別の中古を何件か見て来た人は、それらとの対比効果で特に目が曇ってしまったり、肝心の部分を見過ごしていたりするのです。

 

よくよく見て行くと、設備の足りない部分も多く、最近の新築では定番の「複層ガラス」でないものも多いのです。 バルコニーに面するリビングルームの窓サッシも、最近のマンションの2200mm以上に比べると、見劣りする1800mm以下だったりします。

 

そうとは知らなかったなどと後悔しないためには、新築マンションの見学をするなどして最新マンションのスペック・グレードの基礎知識を持つことが必須です。

 

結論:買いたくないリノベーション物件

高すぎるリノベーション物件は避けたいものです。理由は、ここまでの解説でお分かりいただけるはずです。

 

リノベーション物件には、古すぎるものが多いのです。古くても、近隣の新築マンション並みに高値の一般中古はわずかながら存在しますが、リノベーション物件として市場に出ているものには、そこまで価値ある事例は見たことがないと言って過言ではありません。

 

マンション購入の基本は、「立地条件が優先」します。 立地条件の良い物件を選びましょう。 建物は、大型で存在感あるものを選びましょう。

 

この条件で探したら、中古マンションの室内を見学して落胆することも多いかもしれません。 リフォームして住むとして、その費用が分からないという場合もあるでしょう。 しかし、その部分を克服しなければ、価値ある中古には辿り着くことはないのです。

 

筆者が提供する各種資料の中から「リフォーム費用の目安」などを入手するなどして(無料)、概算の費用を把握しておくとよいでしょう。

 

「リフォーム費用の目安」資料は、こちらからお申込みください。NO.47とご指定ください。


 

・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました・・・・・次は5日後の予定です。

 

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