第297回 「中古マンション、築浅の希望者が多いけれど」

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このブログは10日おき(5、15、25)の更新です。

このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論を展開しております。

新築マンションに期待する物件がないとき、「中古でもいいか、でもできたら新築に近いもの」、つまり「築浅物件を探そう」としてしまう人が多いという実感があります。

 

筆者は、その方針に真っ向から異を唱えます。その理由を説明しましょう。

 

買いたい人は10年未満を望んでいるが・・・

築浅物件、すなわち築5年程度、多少古くても10年未満を望むという人が多いようです。新築マンションが良いのだが、見つからない。しからば中古を、という理由で、このような方針を立てるのでしょう。

 

古いものより、新しい方が良いに決まっている。そう思いたくなりますが、実は中古の方が良い物件があるという現実を知れば考えを改めるでしょう。

 

新築マンションを買っても、年々古くなるのは自明の理です。「新しくて気持ちがいい」のは、最初の内だけです。それでも新築が良いという購入者心理を理解できないわけではありません。

 

しかしながら、中古マンションの利点や魅力を知れば、きっと方針転換をしたくなることでしょう。新築が全てダメということではありませんが、筆者は知るほどに「中古推進派」になってしまいました。

 

それも築5年~10年ではなく、10年~20年の中古が良いと主張しています。理由を説明しましょう。

 

築浅中古は相場を超える高値物件が多い

筆者が築浅の中古を推さないのは、価格が高過ぎるからです。築浅の中古はそれだけ、新築に次いで人気があるのは確かですが、その価格が価値に見合っているかというと、そうでもないのです。

 

中古マンションの価格は、市場での人気投票で決まるようなもので、新築とさほど変わらない美しさを保っているだけに築浅の中古が人気を集めるのは理解できますが、問題は「高過ぎるかもしれない」ことにあります。

 

人気の高い築浅マンションも、次の売却時には築古マンションになってしまい、人気は陰るのです。人気がなくなれば、価格も強気に設定してみたところで、買い手は付かず、結果的に安値に誘導されてしまいます。

 

大事なことは、高値を長く維持できる物件かどうかにあります。マンションは、古くなればなるほど安値になります。買い手が付かないからです。

 

古くなればなるほど安くなってしまうのは、日本人の性向によります。つまり、「新築志向」なのです。

 

中古でも高値をキープしている物件は僅かに存在する

しかしながら、例外的に中古で新築並みの高値が付く例があります。具体の物件名は差し控えますが、東京都区内にいくつか存在します。築20年、30年を越えて近隣の新築と大差ない高値で取引が成立しているのです。

 

高値が付く中古物件は、都心・準都心にあって、立地が良いのは当然なのですが、そればかりではありません。

 

立地条件の中の「最寄り駅からの距離」は、必ずしも近いわけではありませんが、環境が抜群なのです。具体的に言えば、マンションの敷地が森林のようになっているとか、ビル・マンションに挟まれた印象は全くなく、開放的で借景が美しいといった点が共通しています。

 

補足すると、高台にあって遠くまで見渡せるとか、河川や海岸に面しているため遮る建物がないといった別格の立地条件を持っているのです。

 

新築や築浅中古には問題物件が多い

築10年以下の物件には隠れた問題があることを知らない人は多くないようです。問題といっても、粗悪品とか欠陥マンションということではありません。

 

あくまで10年越えの中古マンションとの比較で残念な建物が多いということを指摘したいのです。残念な点とは、次のような点です。

 

①直貼り構造の建物が多い

マンション建設で昔から問題になって来たのは上階・左右の隣接住戸からの生活音です。苦情に悩まされて来たデベロッパーは、施工業者の協力を得ながら遮音性の高いマンション建設に努めて来ました。その歴史は、既に40年になります。

 

その過程で生み出されたのが二重床・二重天井でした。しかし、これを実現させるには、それなりのコストを要します。それでも、長年に渡り二重天井・二重床を定着させてきたのです。いまでも、二重天井・二重床はマンション設計のスタンダードです。

 

ところが、10年前ほど前から直床(じかゆか)構造と呼ばれる二重でない形のマンションが目立って来ました。理由は、コストカットのためです。階下への音防止策を講じたうえで直床構造にしているのは言うまでもないのですが・・・

 

②集会室すらない

集会室を1住戸として売れば、売り上げが増えます。言い換えると、平均価格を安くできるのです。キッズルームやエントランスホールなどの共用部分の面積を切り詰めて分譲面積を増やすことによっても、分譲単価を下げることができます。

 

乾いた雑巾を絞るような究極な価格抑制策のひとつと言えるかもしれませんが、計算してみると馬鹿にならないのです。

 

③シンプル過ぎる退屈な外観

デコボコさせた外観、変形デザインの外観、これらをシンプルにし、住戸の形もシンプルに設計すれば、表面積が減るため、コストカットの策として幅広く採用されています。

 

シンプルデザインと聞くと、悪い印象はありませんが、偏平で退屈なのです。新築の販売時は、実物を見ないで購入するので、描画(パース)に騙されます。

 

極端な言い方をお許しいただくとして、「シンプルな外観は自己主張に乏しいマンション」と言わざるを得ません。それを知らずに「退屈な外観のマンション」を買ってしまうことになるのです。

 

築10~20年を推す理由:その1「過度な競争がない」

冒頭で述べたように、日本人のDNAか、新築志向が根強く残っています。「新築がないなら仕方ないが、できるだけ新しい中古、まあ築5年か古くても10年まで」などと考える人が多いため、10年を越える物件ほど人気薄になって行きます。

 

言い換えると、競争率が低いのは中古マンション、しかも10年を越える物件には買い手が殺到することはなく、その分、検討時間を比較的長く取れますし、価格も安いうえ、購入に当たっては値引き交渉もしやすくなるのです。

 

築10~20年を推す理由:その2は「建物価値が高い」

築10年以上の物件、言い換えると2010~2020年に新築されたマンションは比較的、優良な建物が多いという実態があります。今ほどコストカットを徹底していなかった物件が多いためです。

 

2010年代後半、価格が上昇して売れ行きが悪くなると、困り果てたデベロッパーは、乾いた雑巾をしばるがごとくコストカットに注力することになりました。その結果、2020年以降に販売された新築マンションには残念な建物が多いのです。

 

そこまでやるの? 筆者が感じた印象です。しかしながら、事業者は買い手に粗悪品だとか、安売り商品と思わせるようなことだけは避けなければならないと考え、コストカット策は限定的ではあったものの、既述のような問題な建物が多数作られて来ました。

 

古いマンション買って大丈夫なの?

新しいマンション志向の強い日本人。その意識の傍らに「古いマンションは大丈夫なのか」という懸念を持つ人が多いように感じます。

 

マンションの寿命が長いことは、買い手のどなたも知っています。それでも、品質に対する不安が拭えないこと、何より何年先かに売却するとき一段と古くなってしまうマンションの売り値が心配という声も少なくないのです。

 

新しいマンションだって品質不安がゼロではないはずですが、「新しいものは安心・安全」という購入者心理が定着しているのです。

 

ところが、新築マンションの中には、設計ミスや施工上の手違いによって工事のやり直しを強いられてしまった事例もあり、「新築神話」はときどき崩れています。しかも、その設計や工事ミスは何年か後に露呈し、改良工事が行われたり、中には建て替えに至ったりした例も少ないながらあるのです。

 

問題が露呈するのは、概ね10年以内で、手直し工事、もしくは建て替え工事も10年以内に行われます。小さな不具合や経年劣化については、10年後も生じますが、それは大きな問題にはなりません。言い換えると10年超のマンションは大きな問題はないと思っても大丈夫なのです。

 

売却のことも考えて買おう

新築であろうと中古であろうと、10年か15年先に売却するとしたら、そのとき、どのくらいで売れるのだろうかーーそれを心配する声は少なくありませんが、購入時は高揚感が高いせいか、心配しつつも2割も3割も値下がりするなどとは思っていない人が多いようです。

 

ところが、実際はどうかと言えば、物件個々の市場価値によって差異は大きく、とりわけ高値と知らずに買ってしまうと、10年・15年後の売却価格の期待値は大きく外れ、落胆を味わうことになりかねないのです。

 

マンションを買うのは、投資目的ではないものの、周囲から「買ったマンションが何割も値上がりした。嬉しい」と聞くと、自分も儲かるマンションを買いたいと期待したくなるものです。

 

筆者の提供する「将来価格の予測サービス」のご利用が多いのも、どのくらい儲かるのかを皮算用したいというニーズが増えている証左なのでしょう。

 

今日も、そのご依頼をお受けして何件かのレポートをお届けしましたが、ほれぼれするような立派なマンションでも、売り値が高過ぎるために予想売却価格が思いのほか低く、依頼者を失望させている事例も少なくないのです。

 

新築にせよ中古にせよ、購入価格が適正かどうかを冷静に判断し、一定の覚悟を持って購入するという態度が重要です。

 

・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました・・・・・次は10日後の予定です。

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