第268回 「マンションの変わらぬ価値と変わる価値」

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このブログは10日おき(5、15、25)の更新です。

このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論を展開しております。

駅から徒歩1分という物件と駅から同10分というマンション。

500戸の大型タワーマンションと50戸の中小型マンション。

南向き住戸と北向き・住戸。

100㎡住戸と50㎡住戸。

 

これら差異は、資産価値にどのような影響を与えるものでしょうか?

 

変わるのは築年数

筆者の仕事は、マンションの資産価値を判定し、将来の価格を予測することが主です。長年の研究に基づく理論に基づき、市場データを分析しながら具体の物件の価値判断、将来展望についてレポートしています。

 

この仕事を通じて、たびたび驚かされるのは、「マンションは固有の条件で大きな差異ができてしまうものである」という現実です。

 

そんな中で、顕著なのは築年数です。どんなに良いマンションでも、築年数が経過すれば目に見えて市場価格は低下してしまいます。

 

後述しますが、「古い割に高値のマンション」もあって、一定の率で年数とともに価値が下がって行くという単純なものではないものの、価格を左右する大きな要素であるのは確かです。

どんなマンションも年数経過で市場評価(=買い手の価値判定)は低下して行くのです。

 

大きく左右するのは立地条件

マンションの価値を最も大きく左右するのは立地条件です。分かりやすく言えば、郊外より都心や駅前の方が高いのですが、同じ駅圏にあっても、駅から5分と10分では差がありますし、5分同士でも環境の差で差ができてしまうのです。

 

どなたも、そんなことは知っていると言うでしょうが、正しく認識している人は多くありません。少なくとも、数値で差異を示すことはできないはずです。

 

立地条件の差を数字で表すことができるのは、最寄り駅から何分かかるか、都心から何キロの街かなど「絶対的価値」です。それ以外の立地評価は、数字で評点をつけることは困難です。

 

同じ駅が最寄りでも、北口と南口とでは価値が全く異なることもあります。賑わいの差、商業施設の集積度の差、街並み・雰囲気の差、高台・平地の差など、少し挙げるだけでも「抽象的」な視点ばかりです。

 

それだけに、立地の良し悪しを判定するのは簡単ではありません。

 

変わらない要素を多数持っているマンションは値下がりしにくい

マンションの価値を左右する項目は多数ありますが、その中で重要項目のひとつは「築年数」です。

マンションの歴史が短いこともあるのですが、日本家屋は長年「木造」だったこととも関係あるようです。本人は「新しいもの」を好む傾向が強く、古いというだけで忌避する傾向が見られます。

 

築30年を超えて新築と変わらない高値で売買されている物件もありますが、これは例外中の例外と言えるものです。多くのマンションは古いほど買い手が付かず、価格は下方修正されて行くものです。

 

それでも、築年数の割には高値が付く価値あるマンションも少なからず存在します。それらの共通点は、立地条件が格別であること、建物と敷地内の樹木等(ランドスケープ=景観)が特徴的で優れていることです。そのような物件は、高く評価されます。つまり、高値で売れるのです。

 

三井不動産が採用した、経年劣化でなく「経年優化」の言葉そのままに、古くなって価値が上がるマンションも僅かに存在します。

 

古くなってしまう建物の運命、その一方で、古くなって(年数の経過で)味が出る敷地内植栽等のランドスケープこそがマンションの価値を維持する要(かなめ)と言えるのです。

 

駅から遠いマンションの将来は激安になるかも

反対に、古くなるにつれて激安となってしまったマンションも広い首都圏には無数に存在します。安値のマンションの共通点を整理しておくことにしましょう。

 

1)都心から遠い

2)駅から平坦でない道路を歩く

4)各駅停車の駅が最寄りである

5)人気度が低い沿線である

5)駅の周囲に商店等が少ない

6)その他

マンションの価値を左右するのは、建物要素も無論あるのですが、何と言っても立地条件の比重が大きいのです。マンションの価値は、1に立地、2に立地、3・4がなくて5に立地と語った人がいました。

 

筆者も、マンションの資産価値を測る仕事を通じて同意見に賛同します。建物がどれほど立派でも、立地条件で劣るマンションの将来価値は期待が持てないものです。

 

駅から遠いと近いは、数値で計ることができるので分かりやすいものです。資産価値が低いか遠いかの分岐点は徒歩5分です。できるだけ5分以内の場所に建つ物件を選びたいものです。言うまでもなく、都心に近い駅が望ましいのです。

 

マンションを買うときは将来の売却を念頭に置きたいもです。長く住むつもりでも、いつか手放すときが来るものです。手放すとき、タダ同然の売り値ではなく、高く売りたいとするなら、物件の選定には慎重に当たりたいものです。

 

そのためには、できるだけ良い立地の物件を選ぶことが重要です。勤務先の関係で東京都心から離れた地域を候補にするほかない人は、できるだけ地域一番の場所を選ぶようにすることが大事です

 

人口減少とマンション価格の将来

ご存知のように、日本は人口減少時代を迎えています。足元では、都心・準都心から遠いエリアでマイホームを求める人がジワリと増えていると聞きますが、その波は大きなものではありません。

 

郊外に行けば行くほどマンション市場は小さいのです。都心・準都心は心配が少ないとはいえ、マクロに見れば人口は減少時代に入ったのです。人口が減れば、住宅需要も減ります。需要が減れば、当然に価格も下がるのです。

 

マンションの将来価値は地域格差を伴いながら、値下がり時代が来ると見なければなりません。その意味で、立地選定、物件選定に当たっては「より慎重」にならなければなりません。

 

筆者の述べることは、将来を見据えてのことです。購入する現在はよくても、10年先、20年先の人口動態を予想して物件を選定することが大事であると言いたいのです。

 

ブランド価値はどうでしょうか?

最後に補足しておきますが、マンションの価値を左右する要素として「ブランド価値」も軽視できません。

 

購入者の立場で、マンションの価値を測るとき、もしくは品質への信頼度を測るとき、作り手(デベロッパー)は何処かを気にしていることに度々気づかされます。実際は、大手も中小も品質に関しては大差ないのですが、それを見分ける目を持たない買い手は、安心の拠り所としてブランドを気にします。

 

新築マンションを選ぶときも、中古を選ぶときも同様です。安全な建物かどうかの判断材料として、売主のブランド力を気にするのです。

 

それだけではありません。ブランドマンションに住んでいることを密かな誇りにしたいからでもあるのです。奥ゆかしい日本人の性向と言うべきでしょうか?人から聞かれたとき、有名なマンション、有名なデベロッパーの手になるマンションの名を語るときの誇らしさは「さもありなん」と筆者は思います。

 

共同事業(売主が複数)の関係で独自のマンション名とすることはありますが、そんなときは「大手ゼネコンの施工」であったりすれば、有利だと語った人がありました。

 

安いとは言えない大きな買い物をする人は、「ご自宅は何というマンションですか?」と聞かれたとき、誇らしく答えたいようです。筆者も、無名のマンションも大手のマンションも買いましたが、大手のマンションを都心で買ったとき、ちょっと胸を張りたい気分になったことを思い出します。

 

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。次は10日後の予定です。

 

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