【お便り返し_7】エリアが異なる2つのマンションで悩んだ時の判断材料

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(この記事は、約6,000文字、5分~10分程度で読めます)

すまいよみです。

今年は梅雨の曇り空が長く続いていますね。大好きなマンションの写真を撮りに行けない日々が続き、自宅でポテチばかり食べていたので、2キロほど太りました。

さて、このたび、お便りをいただいております。

差出人:イースト東京好き

スムログメンバーのみなさま、こんにちは。

マンション購入を考えているのですが、イースト東京好きということで、すまいよみさんか、普段からブログを拝見させて頂いているマンションマニアさんにご教示いただけますと幸いです。

物件探しの条件として、水害リスクが低い、駅近(7分程度以内)勤務地に出やすい、残債割れしなさそう、といった条件でそれ以外はあまりこだわりなく探しています。

夫婦の属性は30台前半、子無し(将来的には考えています)、二人共それなりに堅めの業種の勤め人で、世間一般的には悪い属性ではないと思っています。

現在の候補はイースト東京の沿線が異なる以下の2物件で悩んでいます。

・新築   勤務地から25分ほどの駅 徒歩1分再開発案件のタワーマンション

・築浅中古 勤務地から10分ほどの駅 徒歩5分、その近辺駅ではNo.1と思われるマンション

価格自体は築浅のマンションのほうがやや高いのですが、タワーマンションのほうが管理費や修繕積立金が高く、諸費用、住宅ローン減税等も考えると20年目くらいまでの間では支払額は大きな差が出なさそう、それ以降はタワーマンションのほうがやや支払額が多くなりそうです。

いずれも間取り、設備仕様や共用施設も私達夫婦にとっては十分であり、あとはリセールが強そうかと、どちらのエリアがよいかで物件を選びたいと思っています。

こういったエリアがやや異なる物件を比較してどちらにするか決めるとき、主に以下のような要素が挙げられると思いますが、見落としている観点や特に重視すべきポイントはどこかなど、ご教示いただけないでしょうか。

・エリアの今後の展望(人口推移、再開発の有無、新路線の開通等)

・エリア内で需要がある層に受ける専有面積、間取り、周辺施設(スーパーや教育、育児関連の施設)があるか

・エリアのNo.1物件や希少性が維持できるか(別の新築マンションにより希少価値やNo.1の座を奪われないか)

実家が近い、新築マンションを買ったことがないため一度は買ってみたい、などの理由もあり、今のところは新築を選ぶ気持ちが強いのですが、何分住宅購入は初めてで、見落としがないか、ご教示いただきたいものです。

ここからは具体的な物件名等を記載します。

勤務地は大手町で、新築は金町駅のプラウドタワー金町、中古は住吉駅のジオ深川住吉(すぐに売れてしまいそうですが)です。

金町は再開発による今後の街の発展に期待が持てそう、住吉は勤務地への距離と以前住んでいて気に入っていたこともあり悩んでいます。

仮にお二人でしたらどちらにされるか、もお伺いしてみたいです。

よろしくお願いいたします。

(一部省略)


 

ありがとうございました。

リセール、立地、間取り、価格等々、後悔しないマンション選びをしてきたのに、最後の最後で、2つのマンション(部屋)で迷ってしまうことはありがちです。しかも、エリアが異なる選択を迫られてしまうこと。私にも同じ経験があります。

 

そこで、以下を問題提起としました。

『エリアが異なる2つのマンションで悩んだ時の判断材料』

 

エリアが異なる2つのマンションで悩んだ時の判断材料

私の経験上、反省点を踏まえ、以下の6つの視点をお伝え致します。

・リセールばかりに気を取られない
・価格、ランニングコストありきで選ばない
・実際に住んでみたら?をリアルに比べる
・「後悔しづらい」方を選ぶ
・そもそもの住まいの目的・直感に立ち返る
・リスクを取って将来性のある方を選ぶ

リセールばかりに気を取られない

「イースト東京好き」さんも触れていましたが、マンションを選ぶ際は、最低限、将来的な不動産価格を維持でき、不測の事態の折、売却しやすい物件であることを押えておくべきだと思います。リセールについて、ここでは詳しく触れませんが、最低限とは「乗降客数が多い駅で徒歩10分以内の立地」などです。

 

一方で、実需で検討して残った2つの物件について、リセールを細かく計算して選ぶことは、あまり意味が無いのではないかとも思っています。確かに、2012年以降マンション価格の高騰を受けてリセール概念が持てはやされてきました。私も日頃、エリアのマンション動向を探っていますが、投資家でもなければ、金融や不動産のプロでもありませんので、精緻には分析できません。

 

マンション価格が高騰しきった今、将来的なリセールは不明確な部分が多いのも確かですから、迷った2つの物件のリセールを独自で算定して、片方を選ぶ早合点はしたくないと思っています。リセールや資産性にこだわりすぎることは、「豊かな暮らし」を考える上で本末転倒になりかねないからです。

 

しかしながら、冒頭に申し上げたとおり、庶民が高額の住宅ローンを組んでマンションを購入する傍ら、現在のコロナショックのように、不測の事態がおこらないとも限りませんから、最低限売りやすい、リセールを維持できそうな物件を選んでおくことはマストになります。

 

合わせて、「自然豊かな土地に住む」「4LDKにゆったり住む」目的を持っている人もいるでしょうから、リセール以前に、将来の「ある時点」で、購入した部屋の相場、査定額がローンの残債をしっかり上回るよう、無理をしない住宅ローンを組む視点も必要です。

 

以上を押えた上で、2つの物件、例えば「始発駅徒歩5分の大手新築マンション」と「支線駅徒歩14分の中古小規模マンション」で、本当に決めあぐねているなら、それは、明らかに前者を選ぶべきでしょう。

最低限のリセールを押えた上で、2つの物件に顕著な差がなければ、リセールありきで判断せず、「住まいとしてどちらを選ぶべきか」を改めて考えてみましょう。

 

価格、ランニングコストありきで選ばない

リセール同様、物件価格や月々の管理費など、金銭コスト面に焦点を当てすぎないようにしたいです。高い買い物だけに、誰しもが安い方に気を取られがちですが、お金の大小に関係なく、『本当に欲しい部屋はどちらなのか』正直になることが大切。正直な気持ちよりも、価格面の優位性が先行してしまうと、購入して住み始めた後で後悔することになります。『300万円安い方なら』と思った時は、価格抜きであれば、どちらの物件に気持ちが傾くか、再度自問してみてください。数百万円の差を35年ローンにした時に、月々の負担額が数千円か1万円そこらの負担増に目がくらんで、一生の買い物を見誤ってほしくありません。物件価格や、月々の管理費など目先のことで目を曇らせないでほしいと思います。

もちろん、購入予算を事前に明確にしておく事が最重要事項であることは言うまでもありませんし、2つの物件どちらも良い!となった時は、コスト面で勝る方の選択肢を取ることは十分にありえます(参考記事)マンションを検討する前の最重要課題:購入予算を決めておく事。


 

実際に住んでみたら?をリアルに比べる

2つの(エリアの)物件、どちらに住んで見た方が家族の生活にしっくりくるか、朝、夜、平日休日、何度でも時間を惜しまず、現地や周辺の生活利便施設に通い、交通手段なども試しながら、突き詰めて考えてみましょう。

 

例えば、2つの物件を比較した時、以下のような視点。

・両親との近居は?
・子供の通学環境は?
・夫婦の通勤の利便性は?
・休日、楽しめる環境は?
・生活利便施設への動線は?
・周辺の喧噪は?

などなど。

『実際に生活してみたら』をリアルに思い描いてみることが大切だと思っています。

 

目の前がバス通りの環境で、雨の日出かけることもままならない休日、窓を開けて、室内で暮らすことをどう感じますか?それとも、雨の日でもガンガン外出するアクティブ派なので、全く問題ないでしょうか?

 

共働きで、両親の助けを必要とすれば「近居」を視野に入れたいですが、電車で30分と45分の2つのエリア、沿線が異なるだけで、「週に1度くらい行き来できそう」でしょうか?それとも「足が遠のきそう」でしょうか?自分が子育てをしている間の両親の年齢はどれくらいでしょうか。両親はいつまで車を運転できそうでしょうか?

 

子供が通学校に通っている様子、どう思い浮かびますか?朝、安心して送りだせそうですか?

 

以上は例えばですが。

 

実際に住んでみないとわからないことも多いのですが、様々な生活場面でリアルに想像してみる必要があります。

 

家族によって様々な価値観があると思いますので、できるだけ生活をする上で重要視するポイントを洗い出し、マンションを取り囲んだ環境の中で、共用施設なども含め、どのような生活ができるのか、よくシュミレーションをしてみましょう。実際にマンション周辺を何度も歩いてみると、自分の肌に合っている街の雰囲気を感じ取ることができ、リアルに住みやすそう、自分の生活スタイルに合っていそうなマンションはどちらか、朧気ながら浮かび上がってくるかもしれません。

 

「後悔しづらい」方を選ぶ

「後悔しづらい方を選ぶ」とは、他人からの評価が高かったり、メディアなどに露出が多かったり、一般的に良いとされている方を選ぶことです。要は、第3者からの人気に選択を委ねてしまうやりかた。自分が選んだマンションへの前向きな評価を目の当たりにする度びに、「やっぱりこちらで良かった」と自分自身への納得感を高めやすいからです。

 

例えば

中古より新築
板状よりタワー
駅近より駅前再開発
小規模より大規模
中小より大手ブランド
ピークの街より再開発を控える街
知られていない街より湾岸エリア
各駅停車駅より始発駅
低層階より高層階
西向きより南向き

などです。

 

どうしても2つの物件で迷ったら、「大手ブランド、タワー、駅前再開発、大規模」など、そんなミーハーな視点から、世間や他者からの評価が高い方を選んでおけば、のちのち後悔は少なくなるのではないでしょうか。

 

そもそもの住まいの目的・直感に立ち返る

家を購入する目的と直感。最後はここに帰結するものだと思っています。

 

マンションを購入する大目的はなんでしょうか?

なぜ最初にマンションを欲しいと思ったのでしょうか?

 

広い家に住みたい、憧れのエリアに住みたい、楽に通勤したい、自然豊かな環境に住みたい、明るい家に住みたい、眺望が良い高層階に住みたい、子育て環境が良い街に住みたい、両親と一緒に住みたい、会社の近くに住みたい

 

何が家族にとって1番大切なのでしょうか。

 

最後まで2つの物件で迷ったら、マンションを購入する目的、自分の好み、最初に、ふとマンションが欲しくなったきっかけを、何度も何度も思い起こしてみてください。

 

私も、申し込まなければいけない日、寸前の朝まで2つの物件で悩んだ経験があります。最後は、マンションを買い替える目的を思い返したときに、答えが出たような気がしました。

 

リスクを取って将来性!

最後にもう1つ、何度も失敗した経験者からエリアを選ぶ際に伝えておきたいこと。

 

それはエリアの将来性です。

 

私たち一般庶民は、現在、人気が出きってないモノに、なかなか目が行き届きません。将来に投資をする姿勢、資本を持ち合わせていないからです。

 

以前、勝どきちゃんのツイートにハッとさせられました。


「有明」の例に限ったことではなく、エリアを値踏みする一般的な考え方として。

 

私も過去、4回の購入経験の内、2回ほど、「これからのエリア」を選択したことがあります(たまたまも含まれますが)。2件とも売却する際、分譲時以上で売却でき正しい選択だったと思いました。一方、リスクを取らなかった選択も1度。買い逃した物件は、すでに相場として1,000万円くらい上がっています・・・。今になって悔やんでいますが、あの時はリスクが大きすぎると感じ選べませんでした。

 

東京イーストエリアで言えば、

 

押上。

2012年スカイツリー開業当時、今思えば、びっくりするくらいのマンション相場でしたが、その後、浅草、押上、曳舟と観光客の増加と共に、マンション高騰の煽り以上に、住宅地としての相場を大きく上げました(関連記事)コロナショック前、東京イーストエリアのマンション相場。

有明。

2019年、有明ガーデンの詳細が発表されると、そこから新築の「プレミスト有明ガーデンズ」は半年間で一気に200戸ほどを売り切り完売。「シティタワーズ東京ベイ」も価格を引き上げました。人気が一気に集まった裏付けです。

 

今後はどうでしょうか。

 

例えばイーストエリアで、今はさほどイメージが沸かない、一般的に人気が高くない街でも、大きな再開発が控えて将来性がある街は、江戸川区の小岩、葛飾区の金町あたり。


もちろん、押上、有明のように、今のマンション相場を引き上げるまで人気が出るか、わかりません。リスクはあります。それでも、もし2つのエリアで悩んで、片方のエリアが将来性を含んでいたら、経験上リスクを取ってみる事をオススメします。

 


 

イースト東京好きさんへの回答

新築の「プラウドタワー金町」と中古の「ジオ深川住吉」

 

どちらかを選ぶかですが、単純に個人の好みで申し上げます。奇遇にも、私もこのエリア、マンション、両方とも大好きなだけに、この返答をするにあたり、かなり迷いましたが、答えを出しました。

 

リセール(%)は、どっちもどっち(金町が上かな)

ランニングコストは大きくジオに軍配が上がりますが、それで決めたくない

金町のエリア、周辺の公園、自然環境が好き

新築タワーに住みたい!

金町の将来性に掛けたい!

駅前の「プラウド」ブランドを買っておけば後悔しなさそう

 

等の理由により、私なら「プラウドタワー金町」を選びます。

 

金町は、27年竣工予定で新築タワマンの後発もありますが、現時点で選ぶとしたら、「プラウド」を選びたいですね。

 

誤解の無いように、「どちらが良いか悪いか」ではなく、「どちらが自分の好みや目的に合っているか」で選びました。

 

参考までに、東京イーストエリアで「リセールが高そうで、選んでも後悔しなそう」だと思っている、新築分譲中のマンションは以下です(2020年7月22日現在)。

プラウドタワー金町 シティテラス金町 ブランズタワー豊洲 シティタワーズ東京ベイ サンウッド錦糸町フラッツ
 

最後に

以上になります。最後に2つの物件で決めかねていると、特に中古物件は、すぐに申し込みが入ってしまうかもしれないリスクを多分に含んでいますので判断を早めたいです。新築であれば、最低でも次の週末土曜日のマンションギャラリーが開く時間までに、以上のことをよくよく考え抜き、1択に絞りたいですね。

まあ、最後にこれを言っては元も子もないのですが(笑)、どちらを選んでも、多かれ少なかれ、隣の芝生は青く見え、逃がした魚は大きく、それでも、選んだ方は住めば都ですから!

すまいよみ
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ABOUTこの記事をかいた人

ファミリーで永住できる居住性を第一に、資産としての側面も合わせて見るのが、すまいよみマンション選びのモットー。ただしマンション選びに失敗しても深刻になる必要はありません。今や住まいは一生物の買い物ではなく、僕も4度のマンション購入を経て満足の境地に達しました。
東京東5区(墨田、江東、足立、葛飾、江戸川)のマンションを日々探訪しています。
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2 件のコメント

  • 東京イースト好き より:

    すまいよみさん、お便り返し、ありがとうございました。
    特にリセールにこだわりすぎない、住まいを買う目的に立ち返るという点、大変参考になりました。
    最後は夫婦で話しあって決めたいと思います。

    • すまいよみ より:

      東京イースト好き様
      お世話になっております!
      こちらこそ、少しでも参考にしていただけたなら幸いです。
      素敵なマンションが見つかることを祈念しております!

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