第248回 「マンションの間取り考」

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このブログは10日おき(5、15、25)の更新です。

このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論を展開しております。

今日は、マンションの間取りについて日頃感じていることを、思いつくままに述べてみようと思います。

 

●リビングイン洗面所の是非

「リビングインの洗面所」のマンションに住んでいます。我が家にとってはとても良いです。 子供が小さいので、冬場は特に暖かいままお風呂から出られるし、キッチンと洗面所が、行き来しやすく家事には便利です!」

 

「間取りを変更する必要ないと思っています。うちの爺さんは高血圧なので風呂に一番気を使います。リビングインだと温かいまま風呂にアクセスできますからむしろ高齢者向けです。子どもから爺さんまでOKな間取りだと思います」

 

こんなお便りをいただいたことがありました。昔からマンションの間取りを考案するのは大好きでしたが、洗面所・脱衣室には一家言を持っています。

ともあれ、今でも洗面所の出入りはリビングインでない(廊下から)がいいと思っています。

 

マンションには基本的に隙間風が入らないし、リビングルームと廊下を仕切るドアを閉めていても廊下の温度が極端に低いことはないのです。ならば、出入りはリビングからでなくてもいいのでは?筆者はそう思います。

 

女の子が年頃になったら、親の前でも半分裸の姿を見せたくないはずだ。とするなら、湯上り姿を見られてしまう「リビングイン」の浴室はいかがなものか。筆者はそう思います。

 

●狭いバルコニー・広いバルコニー

バルコニーの面積を増やすと、その分の建築費が増えて分譲価格も上がるのだから、必要最小限にすべきだと教わったことがあります。

 

しかし、広いバルコニーは買い手から見て憧れであったりもします。広いと掃除が大変という意見もあります。観葉植物を置いたりするからでしょうか?

 

洗濯物を干すスペースとして、エアコンの室外機置場として、はたまや子どもが小さい内は遊び場として活用の幅は広いのです。

 

洗濯物は浴室乾燥機を使えばいいと割り切る人、太陽にあてたいと外干しにこだわる人など、志向は様々です。

 

そんなところから、マンションの物干しに関する考えもデベロッパーによって微妙に違ってくるのかもしれません。

 

買い手の立場で考えてみると、「大は小を兼ねる」と言えるのです。狭過ぎるバルコニーを見て感動する買い手はいないはずです。独身の買い手でも、季節の良いとき、たまの休みにはベランダでブランチでも、風に当たりながら読書でも、などと洒落たい人はあるはずです。

 

マンション購入時は考えも及ばないという人が多いのですが、将来これを売るとき、次の買い手はどう思うのだろうか、この狭いバルコニーを見て買う気をなくすことはないか、などと思いを馳せてみたいですね。

 

●玄関側の主寝室を考える

一度も玄関脇に夫婦の寝室があるマンションに住むことなく来てしまった筆者は幸運だったのかもしれません。なぜなら、マンションの間取りの大半は玄関わきに寝室が設けられ、かつ共用の開放廊下にダイレクトに面しているものが多いからです。

 

子供部屋ならいざ知らず、夫婦の寝室が外廊下に面しているのはいかがなものでしょうか?

 

筆者は、マンション設計にも関わったデベロッパー時代、主寝室の位置にはひどくこだわったものでした。共用廊下の通行人に声が聞こえないようにするためとはいえ「まるで牢屋のような格子や柵など、とんでもない」と考えました。

 

最近のマンションは、外から見えない工夫をしてはいるものの、音漏れを防ぐには窓をしっかり閉めておくしかないのです。それが気になる人も少なくないことを知っている設計士さんなのでしょうか、廊下から何10㎝か距離を取って(後退させて)主寝室を設定しているケースも偶に見ることができます。

 

「そんな所まで気にしたらマンションは買えないよ」という声も聞きますが、マンション購入とは一般家庭の人生の一大イベントなのです。どんな部分にもこだわって満足度を高めて欲しいものです。

 

●広い部屋は買えない・・・東京の宿命なのだ

筆者にご相談くださる方の過半は、いわゆる一次取得者ですが、その大半が共働きのカップルです。

 

主婦は大変です。子供を保育園に預けている幼児を迎えに行き、帰宅して食事を用意し、子供に食べさせ、その後も家事に。その最中に夫が帰宅し、食事の支度に追われます。

 

こんな若いご家庭の住まいを想像してみると、狭くても便利さ優先なのだなと気付きます。

 

都心・準都心のマンションは言うまでもなく高値です。共働きで高所得といえども限度はあるのです。80㎡以上の広いマンションを都心・準都心で買える夫婦は少ないのが実態です。

 

歴史を紐解けば、広いマンションに手が届いたときもありましたが、現時点では遠くへ行ってしまったようです。狭いマンションを買ってしまうと、転売するとき買い手が付かないと心配する向きもありますが、そんなことはないのです。

 

確かに広い家を希望する人は多いものですが、理想と現実とは違います。結局は、広さを妥協して立地を取るのが現実的な選択になるのです。

 

筆者はいつも主張します。「マンションは10年か長くても15年住めればいいと割り切りましょう」。その間に、貯蓄も所得もふえ、かつ、買ったマンションを売却すると思いがけず大きな資金が残ったりして、「より理想の」住まいに近づいていくものです。

 

●間取りからマンション選びをするなら中古を見よう

この1515年、コストコスト高を嫌ってシンプルな設計をする方向に動いて来たマンション業界。工夫のない間取り、快適な暮らしが送れるとは思えない間取りなど、残念な実態を見る一方、中古市場を見ていると、中々の良い間取りに遭遇します。

 

優先順位は「立地」のはずですが、どこで選ぶにしても良い間取りは古いものに多いと思って間違いありません。間取りにこだわるなら、中古に良い物が多いことを知っておきましょう。

 

●行灯部屋も使いよう

行灯部屋のある間取り。残念なものですが、家族構成によっては使い道があります。

 

行灯部屋はキッチンの脇にあるものです。かつ、扉は法規上、開き戸ではなく引き戸にしなければならないの、閉めれば真っ暗ですが、開ければ隣の部屋を経由して明かりが届きます。

 

ここをどう使うかは、悩みどころですが、すぐ横がキッチンなので、食堂として使うのが最良かもしれません。3LDKではなく、2寝室と食堂とリビングの「2DK+リビング」という使い方ですね。

 

尚、廊下側に行灯部屋は作らないものですが、隣接の建物の影響によって法的な採光基準を満たしていないため、やむをえず「サービスルーム」表示になっているものが少なくありません。こちらは、昼間から明かりが必須ということになり、好ましくありません。

 

●その寝室、Wベッドが置けますか?

ダブルベッドは、両脇に40㎝以上の空きが必要です。片側しか開いていないと壁側に寝る人はベッドの上を這うような動きになってしまうからです。主寝室を見るときは、ベッドをどう置くかを考えましょう。

 

両脇40センチのスペースが取れるかどうか、軽視できない点です。

 

ついでにもう一言。「間取り図に家具配置をしてみてから決断しましょう

 

●玄関ホールが狭いのは悲しい

他人のお宅を訪問して気付く感想は様々ですが、ある方はこんなことを仰いました。「玄関は家の顔でしょ。訪問者に自慢するわけではないけど、立派な顔の家かどうかは一番気にするところです」と。

 

同じような意味のことを何人かに聞きました。そう言えば、マンションではないが、知人の社長宅の玄関はホールに応接セットが置いてあった。別の社長宅は、応接セットはないが親しい友人以外は玄関ホールで対応するのだと説明を受けたこともありました。

 

狭いマンションでは望むべくもないことですが、玄関が狭いと中も推して知るべし、小さな家だと見くびられると考える人は少なくありません。毎月の負担が賃貸マンション並みであったとしても、安くない買い物をするのだし、何度もできることではないので後悔しない買い物をしたい。間違いない共通点のはずです。

 

誰もが少しでも高く評価される物を買いたいはずです。マンションの価値は立地条件その他で決まるものであって玄関で決まるわけではないものの、せっかく買ったマンションに誇りをもって暮らしたいという気持ちが、心のどこかにあるのなら、玄関のサイズにもこだわりたいものです。

 

●リフォームは楽しい。自分でやってみよう

筆者は、若い時分から住まいへのこだわりが強い方でした。家族数が多かったため、自分の居場所が狭く、かつ単独の子供部屋などという立派なもののない家に住んでいたため、大人になったら子供の個室も重視したいと思ったものでした。

 

新築マンションを買ったときも、追加費用を払って改造したものでした。限られたスペースの中でどこかを広くすれば、別のどこかが狭くなってしまうのは宿命ですが、「まるでパズルを解くような楽しみ」でもありました。

 

今の住まいは一戸建てですが、マンションの平均的な広さと比べると贅沢なレベルです。そのプランを立てたときの筆者は、家人いわく「嬉々としていた」ようです。

 

最近、とある住まいの内装に縁がありましたが、その担当女史は才能ある人で、様々なアイディアを惜しげなく出して注文者を喜ばせていました。マンションは限られた空間だからこそ私たちの工夫が生きるのです。そう言いながら、嬉々として仕事に打ち込み、できあがった室内を拝見した時は「軽い感動を一日に何回も味わった」ものです。

 

その昔、「マンションの間取り・アイディア募集」という新築マンションのプレキャンペーンを挙行したとき、一般家庭の主婦層から多数の応募があったことを思い出します。家へのあこがれ、こだわりを強く抱く人が多いことを、そのキャンペーンで知った気がしましたが、マンションの購入時にも「こうしたい・こうありたい」というアイディアや憧れは強いはずです。

 

ところが、新築マンションでは間取りの変更やオプションには期限があって、殆ど何もできないことも多いのです。ならば、中古を買って思う存分にアイディアを盛り込んでみたいというニーズもあるのではないか。そんな気もしています。

 

マンションでできることは限られてしまうかもしれませんが、細かなことにこだわって工夫するのは楽しいものです。例えば、トイレの壁の一面だけを別の色に張り替えるとか、廊下の壁の下半分を板張りにするといったことです。

 

また、トイレにの壁を少し退させて広くし、第二の洗面所のようにしたら、客を呼ぶのも楽しい家になることでしょう。寝室に化粧台を置かないでいいのでトイレを広くしたために、部屋が狭くなるとは限らないものです。広いトイレは「ちょっとした自慢」になって悪くないものです。

 

●新築が好きな日本人。でも時代は中古の方向へ動いている

なぜか日本人は新築志向が強いと言われます。住宅売買の取引量では(8割もあるという)圧倒的に新築が多く、中古は少ないというデータもよく見ます。

 

しかし、その中古が近年は徐々に取引量を増やしています。筆者の印象では「新築マンションが大きく減ったから中古がじわりと増えているだけ」なのですが、「賃貸マンションの家賃を払うことと天秤にかけると買った方が得だ」という東京圏の住宅事情が関係しているのは事実です。

 

筆者はかつてデベロッパーに在籍し、マンションの開発・企画にも販売にも携わっていましたが、新築マンションの開発には様々な制約があって思うようには行かないことの方が多いことを知っています。

 

パズルを解くより難しいと思ったこともありました。しかし、モノ造りの楽しさも味わいました。その新築マンションのビジネスが今、危機に瀕しているようです。用地不足が最大の問題です。郊外は需要が激減し、都心・準都心での商品開発が求められていますが、肝心の土地がないのです、

 

ここでは理由や背景を述べませんが、供給戸数はひところより大幅に減ってしまいました。買手の立場では「買いたくても品がない」状態が何年も続いているのです。新築がなければ、買い替え希望者も増えません。

 

市場にあふれている中古の大半は売れないものばかりという印象です。しかし、一方では、中古でもいいから良いものがあればという声も多く聞くようになってきました。探しても新築がない。あっても予算が届かないものばかりという声もじわりと増えているのです。

 

筆者は「新築の時代は終わった」とさえ感じています。

 

 

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は三井健太のマンション相談室までお気軽にどうぞ。

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