こんばんは、やまちゃんです。
リモートワーク推奨でZoomやSlackが伸びているようですが、地味にSkypeもいいですよ。タダで使えて標準的な機能は備わってますし、グループ通話も時間無制限でできます。昔のチャットが消えるようなこともないです。
さて、今回のご相談です。
差出人:ロペス
近々、新築マンションの内覧会を控えており、ホームインスペクターに依頼をするかどうかで悩んでおります。
最近マンションを購入した周りの人に聞いてみても「頼めば安心感はあるけど、なくてもいいんじゃない?」のような回答が多く、実際どの程度効用があるのか計りかねております。
お金もかかる時期のため大した価値がないということであれば見送ろうかと思うのですがいかがでしょうか。
どうもありがとうございます。回答させていただきますね。
まずは、新築マンションのご購入おめでとうございます^^
いよいよ内覧会となりますと、新生活の現実味が出てきて、楽しみですね。一方で、ホームインスペクター(住宅診断士)への依頼を検討されているということで、ご不安もあるのでしょうね。
それで、私の意見を先にお伝えしますと、売主を信頼されているなら依頼しなくても良いと思いますよ。
普通に内覧会に臨んで、ふふーんと、いろいろと見て気になったことを指摘されて下さい。
同行は5~7万円程度でしょうか?
なんか、代わりに良い家具でも買って下さい。
内覧会同行の利用について
まず、依頼はするに越したことはありません。これは間違いないです。もしインスペクションサービスがコストゼロならどなたでも受けるでしょう。でも実際にはそれなりにかかるわけで、悩みどころですね。内覧会は各所チェックして書類にサインしたら、「現状有姿で譲り受けます」「後から文句は言いません」という意味になります。そのためキズや汚れや凹みの類はきちんと見てほしいですが、設備や建具など主に機能面は、2年間のアフターサービスを無償で受けられます。
大手デベ、中堅デベなら無条件で信用していいかなと個人的には思います。品質管理なりトラブルがあった時の対応が最低限担保されていることでしょう。
実際に住んでみておかしい所がある、気になる箇所がある、特にないけどやっぱりどうしても気になるなら、入居後にホームインスペクションを受けて下さい。(ただし前述の通りアフターサービスを受けられる範囲内に限られます)
一方、あまり名前も聞かないような小規模デベで、信用面で不安があるようだったら、最初からホームインスペクターに内覧会に同行してもらった方が良いと思います。
中にはどうしても細かいことが気になる方もおられることでしょう。床の傾きとか枠の歪みとかパッと見で分からない、とにかく完璧に調査してお墨付きをもらえないと気がすまないという方も、依頼された方が良いでしょう。
過去のホームインスペクター依頼経験について
参考になるか分かりませんが、私、新築の内覧会でホームインスペクションを利用したことがあります。マンションではなくて、建売住宅を購入した時ですが。依頼した理由は、信用の問題です。地域密着の小規模な建売業者で、とりあえず名前は全く知らない。色々調べましたが、信用に足るか分からない。
それで、営業担当と工務店とのやり取りで、契約の前後で「ちょっとマズいな」という出来事が何度かあり、ホームインスペクションを利用しました。打ち合わせの過程で、(売主ではなく工務店担当に対して)もし物件に瑕疵でもあれば揉める相手だと判断したためです。
戸建ての調査には、屋根裏や床下の調査、レポート作成など全部オプションを付けて15万円くらいしました。工務店は「内覧会で診断業者を連れて来る人は初めて」と驚いてましたが、私は診断を受けるのが初めてなことに驚きました。(地方都市の物件だったので、一般的じゃないのかも)
指摘された内容は、以下の通りです。
- 屋根裏の部材(当て木)が不足しており耐火性能を発揮できない可能性がある
- 外部金物の凹み
- 外部シーリング隙間
- 外壁サイディング欠け
- 戸当たり指摘(要ドアストッパー)
- タイル目地に隙間あり
また指摘はしてくれますが、売主との交渉はこちらがしなければいけませんし、揉めた時も面倒を見てくれる訳ではありません。
もし指摘内容に技術的なことが含まれていて、補修されたか判断できず心配な場合は、補修後の写真を売主に用意してもらって下さい。
ホームインスペクターの方に再度お願いするとまたお金がかかりますが、写真を送ってメール相談であれば(たぶん)対応してくれるはずです。
私のケースだと、上記1点目で、屋根裏から見て、間仕切り壁上部に必要な当て木うんぬんの話が判断できなかったので、補修後写真を用意してもらいインスペクターさんにメールで再チェックしてもらいました。
指摘事項はレポートを売主に伝えてすべて対応してもらえました。結果、問題ない形で引き渡しを受けました。全体的な施工も、とても良かったです。
マンションで調査する必要性について
冒頭で書いたように、そもそも分譲マンションの場合、よほどでない限り売主は信用できる(と思います)。入居後のトラブルやアフターサービスもある程度は期待できます。またホームインスペクターに調査を依頼したところで、専有部分(住戸内)しか見てもらえません。もし住戸内に不具合があったところで、住めば分かりますし、多くは補修・回復が可能です。
住んだ後に大きな問題になるのは、躯体そのものの大きな瑕疵だったり雨水侵入を妨げる部分つまり10年の瑕疵担保責任が付いている部分ですが、マンションでは共有部分にあたり個人でどうにも出来ません。
となると、基本的に専有部分については、何かあれば後付けで調査でも構わないと思うんですね。
万一、内覧会で明らかにヤバくて、現状有姿で引き渡しを受けるべきでないと思ったら、再内覧でホームインスペクターに同行してもらい、後日、再々内覧をしてもらうという方法もあります。
本来、再内覧会は、内覧会の指摘事項を確認する場なのでホームインスペクターを入れたら白い目で見られると思いますが(笑)、明らかにヤバいなら仕方ないです。
余談ですが戸建ての場合は、大手でない限りはホームインスペクターへの依頼をお勧めしたいです。建売業者(やリフォーム業者)で小規模・無名な企業となると、問題発生時に「客とゴネる」ことに金銭的なインセンティブが発生するケースが多いためです。
言い方は悪いですが、無視できるなら無視して、無駄なコストをかけないという業者がいる。小規模なだけに余計な経費が企業経営に直結し、いざとなると客と争いがち、逃げがち。残念ながら、そういう業者もいます。
この話を拡大解釈しますと、マンションであっても売主を信頼できないなら、最初の内覧会で同行してもらうのが良いということになります。
ホームインペクターの役割について
さて、勘の良い方は気づかれているかも知れませんが、内覧時に来てもらうのと、入居後に来てもらうのは、ホームインスペクターの役割が少し変わってきます。住宅診断を依頼する目的を、「不具合や瑕疵がなく、住みよい住居に仕上げてもらう」とします。
すると、
- 売主に信用がある → 入居後に不具合発見(場合によっては調査を入れる) → アフターサービスで補修
- 売主に信用がない → 揉めたら困る → はじめから不具合や瑕疵をつぶす → 内覧時に評価 → 引き渡し前に確実に補修 → 入居
後者の選択肢を採る場合は、事前告知をするのが良いでしょう。内装工事のダメ直しに反映されるかは分かりませんが、ちゃんと施工してくれることを期待します。
告知は、もしマンションでお願いするなら内覧会が近づいた頃にちらっと担当者に伝えて下さい。
戸建てなら、施工が始まる前に通知します。基礎・躯体の施工が大事だからです。私のケースでは「ホームインスペクターに調査を依頼するので、設計図書のコピーを下さい」と売主に伝えました。
悲しい話ではありますが、信用がない業者に対しては、もし質の低い施工しようもんなら面倒なことになるよ!?という姿勢を示してあげることが大切だと思います。
事前告知の場合、ホームインスペクターには調査の対価としてお金を支払うのですが、その役割は、施工業者を律することだと考えます。できるだけ、はじめからダメを作らせない。
防犯カメラと一緒です。映像を残す機能に対価を支払いますが、本質としては、防犯カメラ設置を告知することで、犯罪が起こらなくすることに意味がありますよね。
私が営業やってた頃は、やたら細かいお客さんや面倒そうなお客さんの部屋番号を、建築部を通してゼネコンと共有してました。各社、営業現場でどうしているか知りませんが、言うのはタダですから一応伝えておくと良いと思います。
繰り返しますが、マンションデベなら品質管理なりトラブルがあった時の対応は担保されていると思ってます。なのでまぁ、ロペスさまと同じ立場だったらよほどネガティブなことがない限り、小規模デベで信用できないとならない限りは、依頼しないと思います。
以上、ここに書いたことは一個人の意見で、正解でもなんでもありません。ご了承下さい。
少しでも参考にして頂けましたら幸いです^^
注釈:
当方からのご回答は、過去にスムログに頂いた古めの質問をピックアップさせて頂いております。特定のケースについてご質問の際、その内容を一般化して多くの方に関係する内容とさせていただく場合があります。また本記事は、当方の個人的な見解・意見であり、その内容に関していかなる責を負うものではありませんので予めご了承下さい。
当方からのご回答は、過去にスムログに頂いた古めの質問をピックアップさせて頂いております。特定のケースについてご質問の際、その内容を一般化して多くの方に関係する内容とさせていただく場合があります。また本記事は、当方の個人的な見解・意見であり、その内容に関していかなる責を負うものではありませんので予めご了承下さい。