ちょっと得するマンション選び(第20回)価格は足し算引き算ではない

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「モモレジのちょっと得するマンション選び」第20回です。

今回は前回ご説明した点を踏まえて「マンション価格は足し算引き算ではない」という点についてちょっくら語っていきたいと思います。

ちょっと得するマンション選び(第19回)周辺供給事例による歪み②

前回述べた、

「「大きな長所」と「それに比べると小さい短所」が入り混じることでよりお宝物件(ミスプライス・歪み)に出会いやすくなる」

という点ですが、実はこれは「マンション価格は足し算引き算ではない」というのとほぼ同意義なんですね。

要するに、近隣のごくごく一般的な物件と比較して「約10%価格高となるのが相応な長所」と「約5%価格安となるのが相応な短所」を有した物件の価格が足し算引き算した結果の約105%となることは少ない、というのが今回の主眼となります。

※あくまで新築分譲時の価格設定においての話です。
新築と中古の価格設定でズレが生じる理由はこちらをご覧いただくと分かりやすいです。
ちょっと得するマンション選び(第1回)新築と中古で発生する価格形成の歪みを利用する

むろんこういったケースにおいて定量的、かつ、明確な判断材料がないからこそこういったことが起こりやすいわけで、デベ側が長所を上手にクローズアップすることで105%超の価格となっていることもあるのですが、あくまで私の経験から言わせていただくと、長所と短所が入り混じるケースにおいては、冷静にそして可能な限り客観的に分析すると、長所が短所ほど価格に反映されていないと思えることが少なくありません。

そして、そのような価格設定になってしまう最大の理由は前回述べたような「デベロッパーのリスクヘッジ」及び「風評被害が容易に起こりうる情報化社会の発達」なのではないかと思っています。

別の表現をすると「短所の方がクローズアップされやすく、そうなることをデベロッパーは恐れている」ということになるでしょうか。

そもそも世の中にはいいとこばかりの物件なんぞほとんどありませんし、数少ないいいとこばかりの恵まれた物件の価格は分譲時からとってもいいお値段となりますので、相場自体が非常に安い時期に売り出されないことにはキャピタルゲインは望みづらいのですが、長所と短所が入り混じるような物件は足し算引き算で想定した物件価格よりも目に優しいものとなることも少なくなく、資産価値を維持しやすいケースも少なくありません。
前述のように価格が上振れしてしまっているケースも無きにしも非ずなので、ある程度の相場感や経験が必須になるとは思いますが、なんでも買えちゃうお金に糸目をつけない方でない限りはそういった点を考慮して物件を見ることをオススメしたいですね。

念のため言っておくと、これは何かを妥協しなければならないということではなく、その物件のウィークポイントがご自身にとって優先すべき事項でなかった場合にはご自身にとって完璧に近い物件を、ウィークポイントが強く反映された価格水準で買えるということにもなりますので、資産価値に特に拘りのない方にとってもオススメしたい考え方となります。
自身の望むマンションを安く買えるに越したことはないですから・・・。

なお、この「マンション価格は足し算引き算ではない」という点について、もう少し述べたいことがあるのですが、少々夏バテ気味なので次回に持ち越しとさせていただき、恒例のオマケ写真を・・・。


先月上大崎に足を運んだ時の写真です。
それまで気づいていなかったのですが、いつのまにかシティハウス白金長者丸ザ・レジデンスって販売中止になっていたのね・・・。


現在の建築主は関西圏で住友さんと縁のあるツーワンになっており、当初の住友さんの計画とは異なるもの(属性は「共同住宅」でなく「長屋」)となるようです。

そもそもこの地で「シティハウス」となっている時点で多少の違和感がありましたが、採算が合わなかったってことかねぇ・・・。
ツーワンに売却して利益が出るぐらいなら(ツーワン側が事業として成り立つぐらいなら)、そのまま住友さんがマンション建てて売っても十分に事業として成立したと思うんですけどもね・・・。

中小⇒大手でなく、大手⇒中小、というかなり珍しいケースではないでしょうか。
このようになった経緯を知っている方がいらっしゃいましたらぜひお教えいただけたら嬉しいです。
どんな物件になるのか興味深いなぁ・・・。


近隣の出来てまもないザ・パークハウス白金長者丸のエントランスはなかなか良く出来ていました。
傾斜地であることを上手に活かしたランドプランやねぇ~。

こちらもどーぞ。

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「マンションの間取りや価格を言いたい放題!」管理人。利害関係のない第三者的な視点を徹底し、間取りや価格等について毎日記事を更新。これまでに扱った部屋数は6,300室を超える。 不動産業界の人間ではないものの、自己居住用及び投資用としてのマンション購入件数は10室を超えるプチ投資家という顔を持ち、猫とマンションをこよなく愛する。

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