高級マンションは「建物」だけで差がつかない時代に入りました。
建材の品質や設備のスペックは、上を見ればキリがない。
逆に言えば、どこも一定水準のハードウェア性能を持っており、立地や面積だけで資産価値を測るのは難しくなってきたということです。
そんな中で注目したいのが、「ソフトウェア的な付加価値」を備えたマンションです。
今回は、港区三田に誕生した「三田ガーデンヒルズ」の事例を通じて、今後のマンション選びにおける新たな視点を探っていきます。
「瞬」の鰻がテイクアウトできる贅沢
三田ガーデンヒルズは、三井不動産レジデンシャルと三菱地所レジデンスによる約40年ぶりの『ガーデンヒルズ』シリーズです。
広尾ガーデンヒルズは新築より約40年経って坪単価は3倍になっている、キングオブヴィンテージマンションです。
三田ガーデンヒルズもそのポテンシャルを存分に持った物件と言えます。
立地は港区三田一丁目、旧逓信省簡易保険局庁舎を一部保存して作られており、デザインはホシノアーキテクツが担当しております。
また、実は注目されている点が、「ソフトウェア的な仕掛け」の妙でした。
その代名詞が有期でシェフが入れ替わるキュレーションレストラン。
三田ガーデンヒルズでしか頂けない料理や、予約困難(不可)店を楽しめるというのは富裕層にとっては凄まじい付加価値と言えます。
最近では静岡の超予約困難店、瞬のうなぎをテイクアウトできるというのも話題となりました。
建物=ハード、ライフスタイル=ソフト
ここで一度、「ハードウェア」と「ソフトウェア」の定義を整理しておきましょう。
・ハードウェア的価値:立地、構造、建材、面積、天井高、共用設備など
・ソフトウェア的価値:日々の体験、サービス、住民コミュニティ、文化、運営品質など
かつてはハードが圧倒的に重要でした。
駅近・高層・南向き・大手分譲会社という条件が揃えば、まず価格は安定する。
ところが、現在の都心部では、“お金を出せば”こうした条件を満たす物件が「多数」存在しており、コモディティ化しているのが現状です。
そこで脚光を浴びているのが、ハードの上に重ねる“暮らしのソフトウェア”です。
建築家やデザインの力も「ソフトウェア」
もう一つ見逃せないのが、建物自体の「個性」です。
たとえば、近年人気の建築家ユニット「ホシノアーキテクツ」が手がけるマンションは、その意匠性の高さだけでなく、周囲との調和やストーリー性あるデザインによって、唯一無二の存在感を放ちます。ここにも“ソフトウェア的価値”が宿っています。
先ほど紹介した三田ガーデンヒルズを筆頭に、ミッドタワーグランド、パークコート神宮北参道タワー、豊海タワーマリン&スカイなどを手掛けております。
隈研吾氏のデザインも定評があります。
新築のザパークハウス武蔵小杉タワーズに注目が集まっているのは、『価格』もしかりですが、高いデザイン性もあります。
無機質な白いタイルと均質なバルコニーが並ぶ“量産型マンション”とは異なり、デザインに意味と物語が込められているマンションは、住む人の誇りとなり、結果的に将来の資産価値にも寄与するのです。
なぜ今「ソフトウェア的付加価値」が重要なのか
その背景には、マンション市場を取り巻く大きな変化があります。
・新築供給戸数の減少(用地不足・建築費高騰)
・高価格帯マンションの増加
・ハードウェア的要素の均質化
そんな中で選ばれるマンションとは、「このマンションにしかない価値」を持つ物件です。
また、中古流通時の競争力という点でも、「ソフト面」の充実はますます重要になります。
今後のマンション選びのヒント
これからのマンション選びでは、次のような視点を持つことが大切になります。
・ 立地:街の個性、文化的背景、日常の風景
・建物 :デザイン性、設計思想、建築家の意図
・共用施設 :地域連携サービス、食、学び、交流の場
・資産性 :体験価値・文化価値を含めて評価
三田ガーデンヒルズのように、“暮らしを構成する一つひとつの要素”にこだわったマンションは、今後ますます評価されるでしょう。
新都市生活研究所という会社があります。
マンションの管理組合と連携し、住民向けイベントをサポートする会社となります。
遊休共用部を活用したり、イベントによりコミュニティを育んだりしております。
新都市生活研究所の様な会社がバックアップしている管理組合かどうかが、マンションのソフトウェアの魅力を左右し、資産価値につながる時代は近いと思います。
まとめ
かつて「住む場所」だったマンションは、今や「住まう体験の場」へと進化しています。
そしてその中核をなすのが、「ソフトウェア的付加価値」です。
建物は経年劣化しますが、文化や体験は磨き続けることができる。
これは、個人の住宅選びにとっても、デベロッパーや仲介会社の事業戦略にとっても、きわめて重要な視点だと私は考えます。
これからも、皆様の役に立つ情報を発信し続けていきたいと思います。

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