第1回マンションコミュニティ覆面座談会前編
2014年7月、東京都内で行われた特別企画「マンションコミュニティ覆面座談会」。
集まっていただいたのはネットで活躍中のマンションブロガーさん5名。たくさんのモデルルームを見学してきたからこそ言えるチェックポイントや2020東京オリンピックに向けて都内のマンションは今後どうなっていくのかなど。
2時間にわたって行われた座談会の前編を公開します。(2014/07収録)
目次
この座談会 に参加したメンバーは?
マンションアナリスト、ブロガー、インフルエンサー。マンション購入ということに真正面から真剣に考えたブログを足掛け10年も運営しました。忙しくなりすぎて更新が滞りがちですが、スムログも引き続きがんばります、よろしくお願いします!
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マンションブロガーのマンションマニアです!モデルルーム訪問件数は2000件超でマンション購入経験は11件になりました。エンドユーザー様に近い存在であることをモットーに皆様のお役に立つ記事を更新していきたいと思います!
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港区湾岸タワーマンションに在住の計算機技術者(でありたい)。 23区では同エリアしか居住経験がなく、いまも湾岸エリアで評判のMRは見に行っています。 自分の新築リノベーション経験を振り返りつつ、主に湾岸を中心に常に変化し続ける街の情報などを追うことで、次のリノベーションへのヒントを得ようという目論みです。
マンションのモデルルームがあるとたとえ外国でもふらふら入ってしまったり、管理組合の理事会には思わず立候補する人って多いですよね。多いはず!! それなのにあんまり管理組合の苦労とかのブログって見ないので立ち上げてみました。世の中に多い管理士系ブログとは一味違う、理事会側から見たマンションの運営を中心テーマに書いていこうと思ってます。
過去10年間で250以上のモデルルームを見学。特に都心部・大規模・タワーが好き。
宝くじが当たったらコレクションしたいと妄想しているマンションは、青山パークタワー、東京ツインパークス、品川Vタワー、赤坂タワーレジデンス、虎ノ門タワーズレジデンス、東京パークタワー、ワテラスタワーレジデンス、THE TOKYO TOWERS、Brilliaマーレ有明、三田綱町パークマンション、など。
座談会
モデルルーム見学の重要度
まず最初に伺いたいのですが、みなさんは新築のモデルルーム見学にはどのくらい行かれてますか?
最初に見に行ったのが2004年の物件だったんで、やはり10年かかってますね。
ここが凄いなっていうのを書く感じですか。
だって5000万、6000万円かけてそこを買った人にとってネガティブなことを直接突きつけるのは、心理的に厳しいですよね。
でも手放しで褒めるのかって言ったら絶対にそれもないんですよ。そこのバランス感覚は結構難しいです。
いまでも月に2件ちょっとは見てますね。ブログについては、これはもう趣味です。
2年位やってますけど、稼ごうとかそういうのじゃないです。
私は、のらえもんさんの後に始めた感じです。内容としては個別物件の話っていうより関東全体の市況が上がり気味だぞとか、そんな感じです。
モデルルーム見学は趣味として10年くらいやってますけど、そういえば今から10年前っていうのはめちゃくちゃ安かった時期ですね。
これは必ず値段上がるよねって思って、倍率別抽選に3回挑んだんですが、3回連続で敗れ去りました。その頃から市場を見てると、まずすごく上がって、そこからちょっとだけ落ちて、その後はあんまり落ちてないっていうここ10年間の動きが実感できますね。
あと、震災後にタワマンの震災対策が変わってきたりとか電気代が5%安くなる「一括受電」が多くなってきたなとかも実感してます。なんだかんだでいまでも年に10~20件くらいは見に行ってますね。ただブログには個別マンションのこととかはあまり書いていません。マンションの売り方についてとか、そんな内容が多いですね。
それでアクセスを稼いでどうこうとかはあまり考えていないです。
だいたいモデルルームに10人来て1件売れるっていうのが一般的なモデルルーム販売の姿なわけです。で、買わなかった人の内、半分くらいは値段が理由で買わないということになると思うんですが、この場合、「高い!」っていう書き込みが多くなるわけです。 なので、10人中8人くらいが「高い!」って書いていたら、実はその価格は適正だっていうことになるわけです。
逆に皆が安い!って書いているとしたら今度は超高倍率になって買えなくなっちゃいます。
あの品川の某マンションみたいに。私も実際に申し込んだけど200倍で外れました(笑)
実際に物件を見に行って、ここ微妙だなとか、良くないなとかってどんな部分で判断していますか?
で、実際に行ってみてやっぱり微妙だなとなります。
で、行ってみたけど土日なのにお客さんが少ないぞとか、400戸なのに商談スペースには自分しかいないぞみたいなことってはよくありますね。
それが彼らのビジネスモデルで、それはそれである意味ありだと思うんですよね。
ただマンション好きから見るとやっぱり画一的で、どこ行っても同じなのでモデルルーム行ってもあんまり面白くない、となってしまうかな。
マンションの仕様もデベ側がどれだけ仕様を作って上物にお金を出すかにかかってる。だからきちんとした仕様を作ってそれなりにお金を投入すれば、それはなんとかさんだっていいもの作るんですけどね。
あと、10年位見てると分かることなんですけど、値段そのものが上がっちゃったんで、仕様は随分落ちてきました。豊洲のフロントコートなんかは100平米で5000万円、キッチンはジーマテックだったんですよ。ところが最近の勝どきあたりのマンションとか内装の仕様はだいぶ落ちてきた印象を受けます。
マンションって7000万を超えると買える人がぐっと少なくなるんですよ。7000万円の壁って言うべきものが存在するんです。坪単価が上がっちゃてるのに販売金額は壁を超えたくないから仕様を落とすしか無いんですよね。石貼りが少ないとか、キッチンが安いとか。
あとエアコンも重視しています。キッチンはさっきのジーマテックとかすぐに出てくるんですけど、エアコンがどこそことかってわりと書かれてないんですよね。
エアコンって実は入居後のトラブルになりやすいんです。タワーだと配管上の都合で逆流しちゃったりとか。うちのマンションでも水が漏れてきたことが有りました。
天井高が下がってでも入れてるってことは天井に自信があって、奥いっぱいあるなってことを証明してる。で、見た目もすっきり。
やっぱりエアコンは中身が新しいって重要だと思うんです。天カセは見た目のメリットはでかいけど、それ以外のメリットはあまり無いと思います。中身が古いから電気代もかかるし。
普通のエアコンは秋葉原の安い店に行けば最新機種を買えるけど、天カセって基本的に業務用の世界だからそうは行かない。かっこよく暮らすかわりに何十万か高く出すしかない。
でも天カセだと見た目は格好良いですよね。
逆に天カセを入れないのであれば天井が20cm高くなるわけです。階高に余裕がある物件しかできません。晴海の三菱物件とかは天カセの部分だけ下がり天井にして折り上げ天井的な意匠を作ってたりもするんですけど、まあ物件に寄って様々ですね。
かわりに天井は完全フラットです。
部屋が広く見える狭く見える?
運営・修繕コストあれこれ
しかも一方のほうは塩水が走るので劣化が早いわけですよ。ていうことは下水管にも塩水が流れる。これも劣化が早い。
2000戸のマンションで2000万の赤字、1戸1万円の赤字を毎年出しながら運営している。ただし逆にね、プールがあるってのは1000戸以上のマンションであるって証でもあるんですよ。じゃあそのプールを潰して埋めた時に、なんか運動場みたいにした時に本当にそれは価値があるかと。やっぱり不動産て理屈だけじゃなくて非常にエモーショナルなものだと思うんですよね。
うちのマンションはこれがあって、なんかどっか他のマンションとは違うよねって要素として凄いプールつけたりとか、あるいはサウナがついてたりとかってあるんだけど、それをペイしないから捨てるというのは本質的には間違いだと思います。管理費も高いし、値段も最初にすごい高かったかもしれないけど、それがなかったら誰も買わないでしょっていうものを腐らせたらやっぱダメだと思うんです。プールは赤字です。必ず。だけど無くしちゃゃいけないっていうのが私の主張なんです。
入居当初は売主がお金を払って来てもらってる。でも5年たつと元が取れないということで、維持費が発生してきます、管理費負担で。子どもをもっていない家庭にとっては、なんでそのお金を払うのかわからない。これは先程はるぶーさんが仰ってたその不動産の価値的なことを考えないといけないんです。もともと保育施設が入ってるっていうのは、すごく魅力的なんです。そのマンションの子しか入れない保育施設だと特に。でもそれをお金を払って維持するかどうかっていうのは、単に財布だけの話じゃなくて、マンションの資産価値とかにも影響してくる。
とにかくマンションの人しか入れない専用保育施設っていうのは絶対あとで揉めます。