第54回 モデルルーム見学者は眼鏡の奥から見られている

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このブログは、マンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介しようというものです・・・原則として毎月5と10の日に投稿しています

 

 

何百組も、物件によっては何千組もの見学者がマンションのモデルルームにやって来るが、見学者もいろいろ。売り手側から見ると、こんな感想です。そして、営業マンたちは、見学者をタイプ別に分類して対応を変えているのです。

 

今日は、真剣にマンション購入を検討している読者諸氏が、売り手からどう見られているかについて新築マンションに限定して紹介します。合わせて、どのような姿勢で彼らと向き合うべきかを考えてみようと思います。

 

●買い手を「顧客分類」する日常

購入を検討しようとやって来た人、冷やかしの人、既に他社マンションを契約済みだが、後から発売されたマンションが気になって見に来た人、同業者の敵状視察など、モデルルームの見学者は様々ですが、圧倒的に多いのが「購入検討者」です。

 

購入検討者も様々です。予算に合う人合わない人、急いでいる人、そうでもない人、初めて購入する人、買い替えの人など。売り手は、このような買い手の状況と「本気度」の視点で分類します。

 

子連れのママ友達が複数で来て、「わ~凄い。広~い。素敵ね~」などと連発して感激の様子。このタイプの見学者は、本気度ゼロとみなされます。

 

家族全員でやって来て、ドアの開け閉めをしたり浴槽に体を沈めてみたりするほか、天井の高さや部屋の広さを質問する。あらさがしをする目つきで、ときどき鋭い意見を口走ることも。このタイプは、購入の予定はあるが、まだ先のことで、本気度は50%と見なされるようです。

 

両親も交えた3世代で来場。家具配置やコンセントの位置を気にする。このタイプは本気度100%と見なされます。

 

表情を変えず、静かに見学したあと、客の方から間取りと階を選び、価格を聞き、そして資金計画の相談を依頼して来た。このタイプも、本気の高い有望客と見なすようです。

 

男性一人で来て、専門的な質問をする人は業界人の偵察と間違われるかもしれません。当然、ぞんざいな扱いになることを覚悟した方がよさそうです。

 

プロの販売員は、乗って来たクルマのグレードや服装などからも顧客になる人かならない人かを瞬時に判断することがあるのです。記入を求められる「来場者アンケート」の年収や現住所、現居形態、勤務先などの情報から本気度を探り当てることもあるとも聞きます。

 

冷やかしか、冷やかしでないとしても顧客にはなりそうもないと分かると、不愉快を感じさせない程度にさらりと受け流す。真剣な検討客に対しては、応対に熱を入れるといったふうに、プロの営業マンは相手によって態度を変えます。

 

熱を入れると言っても、優秀な営業マンに強引さはなく、むしろ聞き上手です。控えめに、客との距離を保ち、何か聞きたいというときはさっと対応するのです。

 

あなたがモデルルームに行ったとき、真剣であれ半分は興味本位であれ、プロの販売員たちにはお見通しと考えた方がいいかもしれません。だから、変に自分を飾ったり偽ったりする必要はありません。正直に見学の動機や検討意思等を伝えた方が、担当者から必要な情報や知識を引き出せるのです。

 

他の物件も検討しているなら、そのことも伝えた方が良い場合が多いです。

 

「あちらの物件について、あなたはどう思いますか?」と聞いてみるのも悪くないのです。

 

良い担当者なら、公平な判断意見を言ってくれます。どちらにも長所、短所があることを具体的に教えてくれたら、検討者としては対比ができて分かりやすいことになるし、勉強にもなるので、歓迎できる担当者ということになるでしょう。

 

そして、「勿論、私はここの担当ですから、ここをお買いいただけたら嬉しいですけど」と言ってほほ笑むような担当者は信頼できるはずです。

 

●見込み度が低いと分かると態度が変わる営業マンも

冷やかしか、冷やかしでないとしても顧客にはなりそうもないと分かると、不愉快を感じさせない程度に対応するのがプロの販売員ですが、中には無礼千万な営業マンも少なくないようです。

 

他社物件の欠点を指摘し、おとしめるような発言を連発したり、「他社のことは分かりません」と言ったりするようでは、その担当者は願い下げです。

 

しかし、営業マンは客が選べないのです。たまたま順番で当たった担当者が無礼であったときは、替えてもらうことはできますが、明白な理由がないと頼みにくいものです。

 

 

●営業マンが嫌う客のタイプ

営業マンを上手に利用し、有利な情報、または条件を引き出すという観点から考えてみると、嫌われない客であることも大事なのかもしれません。

 

その意味から、営業マンが嫌がる顧客タイプがどのようなものかを知っておいて損はないでしょう。

 

以下の「営業マンが嫌う顧客タイプ」を参考にされるといいですね。

 

×物件をたくさん見過ぎていて、目移りしがちな客

×金融機関、建築関係者などのセミプロ。正しい知識を持っていればいいが、生半可な知識をひけらかすのは最悪の客

×不動産会社やモデルルームを回って知識を詰め込んで来た「粗探し屋」

×買いたがるが意思決定できない客

×本当のことを話してくれない、ごまかす、はっきりしない客

 

 

●担当の「物件に合わない客は客でない」と思う傾向がある

中古マンションの営業マンは、条件が合わなければ合う物件を、数多くの流通物件の中から探して「これなんかどうでしょう」と勧めて来ますが、新築の場合は担当物件がひとつしかありません。

 

このため、担当物件に合わないなら客にならない「ダメ客」とみなす、見込み度分類のランクが3つあるなら、最低ランクとして扱い、以後よほどのこと(大幅な値引きサービスなど)新情報がない限り連絡を取ることすらしません。

 

稀に、自社の他物件の方が良さそうと思いつく場合があります。そんなときは、「当社の〇〇物件が良さそうです。まだ売り出し前ですが、よろしければ担当者から資料を送るように手配しましょうか」などと対応しますが、同時に、自分の見込み客リストからは欄外としてしまうのです。

 

多くの営業マンは、ぞんざいな扱いはしませんが、客にならない、客になるかもしれない、客になりそうだ、有望な客だなどと線引きしています。

 

見学者は、興味を持った物件のモデルルームに行ったのなら、条件からは遠く離れていないはずです。何かが見学に行こうという気にさせたはずです。場所か、間取りか、そのきっかけが何であるにせよ、せっかく足を向けた物件なのですから、研究材料にしない手はありません。

 

見込みなしと思われようが、質問をしまくって、マンション選びの糧にしましょう。例えばこうです。

 

「このマンションの売りは何ですか?」

「このマンションの天井高は髙いほうですか」

「キッチンのカウンタートップですが、天然の御影石と人工大理石、本当はどちらがいいのですか?」

「5畳の洋室は、とても狭い感じがするのですが、錯覚でしょうか?柱のせいですか?」

「室内のグレードとしてはAクラス、Bクラスと、何段階かあると思うのですが、このマンションはどのくらいなのでしょう?」

「管理人さんは、何時から何時までいるのですか?」

「たくさんの共用施設がありますが、私はどれも使わない気がするのですが、他の方たちも使わなくなって無用の長物になったりしないのですか?」

 

このような「質問メモ」を予め用意して見学に行かれるのがお勧めです。何を質問していいか分からない人は、こちらを活用なさって下さい。

 

「モデルルームでの質問リスト」

 

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・・・・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。

 

 

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