早く買った方が良いとか、不動産会社のポジショントークでしょ?

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こんにちは!
ふじふじ太です!

最近は特に不動産市況に対する世間の関心が高まってきたことをヒシヒシと感じます。
私も各種メディアからの取材依頼も増えてきました。

ログインできれば見逃し配信は以下よりご覧頂けるようです!(配信は2月23日迄)

NHK:首都圏ネットワーク(東京・神奈川・千葉・埼玉)
「不動産のリアル」

 

さて本題ですが、不動産会社に相談に行かれた際、「早めに買った方が良いですよ」と言われたご経験はございませんか?

営業ポジショントークかと思ったら「なぜですか?」と質問してみましょう。
その返答に対して納得感があればよし、なければ無視しましょう。

 

そういう私もヒアリング後、「早めに買った方いいですよ」とお伝えする場合があります。

普段私のSNS、ブログ等の発信をみて下さっている方は良いのですが、そうでない方からは疑いの眼差しを感じることも多々あります。

 

そこで、早く購入した方が良いと思う代表的な理由をひとつご紹介いたします。

それは「早く買った方が確実に残債を減らせるという点で、将来の値下がりを期待して待つより合理的」という理由です。

 

これはよく言われることですが、いまいちピンとこない方も多いのではないでしょうか。

何言っているのかよくわからんと。

 

ということで、本ブログでは「早く買った方が確実に残債を減らせるという点で、将来の値下がりを期待して待つより合理的」という点を、実際に具体例を挙げてシミュレーションをしながらご説明していきます。

 

では以下ケースを一緒に考えていきましょう。

※少々計算が小難しい部分もあると思いますが、このお話しを理解できるかどうかは非常に重要ですので、じっくり自分事と思いながら読んでみてください。

 

 

 

ケーススタディ

 

■購入検討者F君

2023年2月某日。
現在、賃料25万円の60㎡/2LDKの有明エリアの分譲マンションに住んでいる30代ご夫婦・子供は将来欲しいと思っている。
個人契約の賃貸で、このまま賃料を支払い続けるのは勿体ないと思いつつも、今の住まいには十分満足している。
今後生活レベルを落とす気はない。

そろそろ家を買おうかと思うものの今は物件価格が高いと聞くし、今後価格が下がるのが不安で購入を躊躇っている。

同じ月額25万円を支払うなら、購入予算は8,000万円くらいになる。
有明エリアで予算8,000万円なら、今よりも広い75㎡のお部屋も買えそうだ!

ローンも通っているけど、どうしても今後の値下がりが怖くて購入に踏み切れない。

さて購入検討者F君は、以下2つの選択肢があります。

 

<選択肢①>
思い切って2023年2月に8,000万円のマンションを購入する


<選択肢②>

一旦同じ賃貸に住み続け、2026年2月に7,350万円で同じマンションを購入する

 

2023年2月に購入したマンションは3年間で約8%の猛烈な値下がりをすることが確定しています。

金額にすると650万円の値下がりとなり、かなり大きな金額です。
3年間待つ甲斐もあるというものです。

※実際3年後の価格がわかるなんてことはありませんが、あくまで仮定のケースとしてご認識ください。

 

さて、このケースで皆様はどちらを選びますか?

 

 

 

 

 

そりゃ当然650万円も安く買えるケース②に決まっているだろ!と考える方も多いのではないでしょうか。

選択肢①は値下がりしているから650万円分損をしているのではないかと。
そもそも値下がりすることがわかってて買いたくないですよね。

 

 

 

結論ですがどちらが金銭的に損しているかという判断基準では、どちらを選んでもほぼ同じです。

※引っかけ問題のようですみません。

 

え!
①の方が損している訳ではないの?

 

詳しく比較をしていきます。

 

 

<選択肢①>
2023年2月に8,000万円のマンションを購入した場合のコスト

■購入時初期費用:560万円【物件価格の7%想定】
■月額費用(住宅ローン【変動金利0.475%】・管理費・修繕積立金込):25万円
※固定資産税は住宅ローン減税と相殺として、計算対象外

よって、2026年1月時点迄にかかった住宅費は以下の通りです。
560万円【初期費用】+900万円【36ヵ月分の住宅費】=1,460万円

注目すべきは残債です。
2026年2月時点の残債は7,347万円です。

 

まとめると、選択肢①の2026年2月時点は以下の状態です。
・3年間の住宅費合計:1,460万円
・負債:7,347万円
・物件時価:7,350万円

 

 

 

続けて選択肢②を見てみます。

 

<選択肢②>
一旦賃貸に住み続け、2026年2月に7,350万円で同じマンションを購入する

■月額費用(賃料):25万円
■賃貸借更新料:25万円(2年に1度)
■購入時初期費用:510万円【物件価格の7%想定】

よって、2026年1月時点迄にかかった住宅費は以下の通りです。

900万円【36ヵ月分の賃料】+25万円【更新料】+510万円【初期費用】=1,435万円

そして、2026年2月時点の負債は7,350万円です。

まとめると、選択肢②の2026年2月時点は以下の状態です。
・3年間の住宅費合計:1,435万円
・負債:7,350万円
・物件時価:7,350万円

 

<<比較図>>
選択肢① 選択肢②
3年間の出費額(住宅費) 1,460万円 1,435万円
2026年2月時点の負債額 7,347万円 7,350万円
2026年2月時点の物件時価 7,350万円 7,350万円
 

 

上記の通り、物件価格が下がった分初期費用が安くなるという点で選択肢②の方がトータルの出費額は少々安くなっているものの、比較するとほとんど変わらない水準であるということがおわかり頂けますでしょうか。

 

確かに650万円値下がりましたが、それと同じくらい残債も減っております。
これは空前の低金利だからこそです。

 

その結果、購入後3年間で約8%の急激な価格下落があったとしても、結局賃貸で借りて待っているのと同じであるということです。
賃料は捨てている金額ですが、住宅ローンは負債の減額に繋がっているのです。

 

ということは、よほど現賃料が安い場合は別ですが、2〜3%少々値下がりをしたとしても多くの場合は早めに購入をした方が得になります。
直近15年は値下がりどころか、値上がりしている訳ですからとんでもないことです。

 

であれば、訪れるかもわからない大暴落を待つよりも、早めに買って広い部屋に住み替えて確実に負債を減らしながらQOL上げた方が良いんじゃない?となる訳です。

 

これが、「早く買った方が確実に残債を減らせるという点で、将来の値下がりを期待して待つより合理的」という理由です。

 

値下がりの不安ばかり気にし過ぎて、現状いかに損しているかに気が付いていないパターンは非常に多いです。

個人契約で賃料を支払い続けることに対して全く疑問を抱いていない方が、物件価格が下がることにだけはやけに敏感になるというのは、頭隠して尻隠さずという感じです。
※社宅・法人契約等で個人負担が少なく賃貸にお住まいになられている方は、そのメリットを活かす道もあるでしょう。

ちなみに新築を検討する際も、今契約しても引渡し時期が数年先となる場合は、上記と同じことが言えますのでご注意下さい。

 

残債以上に値下がりすると思うのであれば、賃貸で問題ないと思います。

決して賃貸がだめということではなく、賃貸の良いところは賃料が重い分、余計なリスクがなく身軽に引っ越せるという点です。
賃貸を選ぶということは、お金を多く払って安心と機動力を買っているというイメージです。

持ち家と賃貸のメリットデメリットをしっかり把握して、ご自身の価値観に合った方を選択して頂ければと思います。

 

 

 

 

 

上記、いかがでしたでしょうか。
非現実的な部分もありますが、わかりやすいように都合よくケースを考えてみました。

 

今後物件を買うにあたっては多くのリスクが付き纏うことは否定しませんが、買わないで待つリスクもあるということを考えながら、以下の留意点に注意をしてご判断されるとよろしいかと思います。

 

 

①金利上昇リスクをどう考えるか
上記ケースでは金利上昇は組み込んでおりません。
これから金利が上がれば残債の減りのスピードも変わってきます。
→最安金利でシミュレーションするのではなく、念のため1%程度のやや高めの金利でシミュレーションをすると安心感があります。

 

②無理のない月額返済計画か
→ご希望借入金額に対して金利1%で計算をした時でも無理のない月額収支になっているか。
※現在何らかの理由で安く賃貸できている場合(法人社宅等)は、そのメリットを放棄する価値があるかも要検討。

 

③今後の不動産価格
金利1%として残債の減り以上に物件価格が下がる可能性がどのくらいあるのか。
→物件にもよりますが、資産性の高い物件を選べば残債割れを回避できる可能性は極めて高いです。

 

④現状の賃貸の経費と、購入後の経費でどのくらいの差があるかを把握しておく
現状把握という意味合いで、その差があまりないのであれば焦る必要はありません。

経費の考え方は以下ブログをご参考にしてみて下さい。
住宅ローンは貯金になる!住みながら投資とは?

→詳しくは個別相談もお待ちしております。

 

こちらのブログが、読者の皆様にとってひとつでも新しい気づきになれば幸いです。

 

本日は以上となります!
ご講読頂き有難う御座いました!

 



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ABOUTこの記事をかいた人

不動産コンサルティングマスター。2022年MBA取得。現場で仲介営業を10年経験済。取引件数500件以上。賃貸・売買どちらにも精通。多数メディア出演経歴あり(NHKクローズアップ現代・ABEMA TV・香港TV等)。不透明な不動産取引業界を透明化させ、失敗のない購入・売却のサポートをすることが使命!マンション購入は怖くないと発信していきたい!皆さんのマンションライフを応援しています!YouTubeもやっておりますので是非ご覧下さい!

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