【お便り返し】タワマンの良さって何?教えてほしい

こちら、私宛の質問ではなかったのですが、タワマンを中心に見学してきたのらえもんにとっても気になる質問だったので私からもお答えさせていただきます。

差出人: タワレコの良さ教えて

メッセージ本文:

30代後半で妻(育休中)と子供2人の4人暮らしです。
3年前に都内70平米後半築10年程度のマンションを中古購入しました!
購入前にネットやスムログメンバー様のブログ等見て勉強し、初めての購入ですが家族が満足できるマンションを手に入れました。

当時重視した点は、①立地と駅近、②間取り(子供2人の予定でしたので、将来子供用個室+夫婦1部屋に耐えられるよう縦長リビング)、③出来る限り永住したいが、売る時に困らない物件(大規模・ブランド) です。

住み替え予定はありませんが、今も物件チェックとブログは読み続けてます。
そこで当時からずっと疑問なんですが、子育て世代にタワマンが人気な理由が分かりません。中古検討時も、タワマンだと将来の管理費修繕費等で永住が難しいのではと板状で考えていました。
私は都内在住世帯年収1200万程ですか、都内でしたら良くあるパターンかと思います。
子育て世代でタワマンが選ばれてる方はどの様な理由で選ばれてるのでしょうか?
住み替え前提で子供が小さい内に便利な共用施設を使いたいのでしょうか?


永住前提の子育て世代にとって、タワマンは最適解ではないのではないか?ということですね、よくわかります。これは考え方の違いもあるかなと思います。タワマンを選ぶ人はどんなメリットを感じて選ぶのでしょうか。

タワマンはシンボリック性がある住まいである

人生においてマンションを購入することは何度あるでしょうか?

マンションマニアさんのように2桁以上という人は、奇行種(笑)であり、大抵の人は1回もしくは2回となります。なお私は”大抵の人”以上には経験があります。

人生で何度もない買い物なのであれば、どうせ買うのなら特別なものを…と考える方にはタワマンが向いています。大きくて目立つ、吹き抜けのある大きなエントランス、棟内にコンビニやスーパーなどがあり利便性も良い。そうした住まいというのは、タワマンなのです。

この考えは今のところ、新築でも中古でも一緒です。

空高く住戸を縦に積むのは効率が求められる土地だからである

日本は地震国である以上、縦に長いタワマンは、大規模板状マンションよりも経済的に不利な形状をしています。

なぜ駅前にタワマンが多いかといえば、建物形状による経済的な不利益よりも、立つ土地が価値が高く、空間効率を高くするほうが経済的に有利だからです。一般的に首都圏の郊外徒歩10分エリアにタワマンが立つことはありません。

形状的に非経済であることは否めない


タワマンを選ぶのではなく、住みたい街・エリアで一番便利な場所を選ぶとタワマンが選択肢になってしまうのです。

夫婦共働きの子育て世代にとって何より貴重なのは時間である

都心部の高額なタワマンになると世界がまた違いますが、坪300〜400ゾーンのタワーマンションの住民の多くは、夫婦共働きのファミリー世帯です。

彼らは相対的に時間貧乏であります。一番貴重なリソースは時間であり、駅からの徒歩分数や保育園の預け先、勤務先までの距離などを優先します。先程述べたように、時間効率を求めると駅前のタワマンに住むのが最適解の一つです。

価値が保たれるマンションを選びたいというニーズが高い

本屋を見ると「失敗しない〇〇の選び方」など、とにかく失敗しないことを優先したタイトルを数多く見ませんか?平成から縮み思考が顕著になった日本人が好むテーマです。私に寄せられる悩みの多くも、住宅購入で成功したい、のではなくて、絶対に間違ったものを選択したくない(≒失敗したくない)というのが根底にあります。

タワマンは比較的新しい居住形態で、黎明期を除きフロントランナーたちはまだ築20年程度と若いのですが、ほぼ一貫して値上がり基調にありました。その値上がり幅は、板状マンションよりも良い、という結果が出ています。維持費の差額分よりも値上がり幅の方が大きかったのです。

過去のデータを参考にするのであれば、将来売るかどうかは別問題として、価値が高く保たれるものを持ちたいという根源的なニーズがありますから、タワマンを選ぶのは一定の合理性があります。

そして、維持費の高さで中古検討者から明確に避けられて価格が下がったままのタワマンは、まだ実例がほとんどなく(湾岸で言えば一時期のスカイライトタワーくらいでしょうか?管理費が高く安値放置の時期がたしかにありましたがいまは、値段が高騰しています)、またどこも築20年程度なので築30〜40年くらいで必ず来る修繕費の高騰をまだかぶっていないため、みなさんが見えていないということもあります。

大規模板状の名作は駅前・駅徒歩数分といったところよりもちょっと離れた場所のほうが多いですね。


ということで、「子育て世代だから」といってタワマンを選択肢から外す人はそれなりにいらっしゃいますが、ニーズがある人も多い商品だと思っています。もちろん、自分が住まいに求めていること分析し、あえてタワマンではなく大規模板状のほうがよいと考える方も多くいらっしゃいますし、入居後見学に行くと、名作だなぁと思う板状マンションはいっぱい見てきました。

あくまでも選択肢のひとつ、くらいに思っていただければ良いのかと。

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マンションアナリスト、ブロガー、インフルエンサー。マンション購入ということに真正面から真剣に考えたブログを足掛け10年も運営しました。忙しくなりすぎて更新が滞りがちですが、スムログも引き続きがんばります、よろしくお願いします!
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6 件のコメント

  • より:

    タワマンの良さ、の一つは「眺望」でしょう。
    私は、お酒を片手に窓から素晴らしい景色を眺めていると幸せを感じます。
    「景色なんか3日で飽きる」なんて言う営業さんもいたりしますが、
    それは絵画で例えれば、飽きるような駄作の景色だからでしょう。
    名画のような素晴らしい景色なら、長く観ていても飽きません。

  • あんらっきー より:

    とても参考になる記事ありがとうございます!
    もしよろしければ
    >築30〜40年くらいで必ず来る修繕費の高騰をまだかぶっていないため、みなさんが見えていないということもあります。
    について教えてほしいです。

    こちら、2005年前後に供給されたタワマンがその築年数になった何が見えてくるのでしょうか??

    2005年~2010年前後なら低金利時代、かつ大企業サラリーマンなどが背伸びせずに買える時代で、2030年~2040年だと実需で新築~長期居住されている方だと(70歳までとしても)リタイヤする年代です。
    その頃の実需層だと今みたく「重たい維持費が払えない人はお呼びでないよ」でもない方も多く、維持費に耐えられない方も出てくるのかなと。

    そこまでいけばさすがに金融緩和も今ほどではないと思いますが、金利も上がり、築30年、40年となる維持費が高いタワマンの評価はどう予想されるでしょうか?
    もっと言えば築50年だとどうなるでしょうか?
    今で言うヴィンテージマンションになり得るでしょうか。

    ※某評論家氏だと「廃墟タワーの量産」と言われるかもですが
    ※資産価値というより市場での立ち位置的なことをお聞きできれば

    • マンションマニアの端くれ より:

      築30年〜40年の修善にハードルがあるのは、タワマンに限らず板マンや戸建てでも同じかと思います。結局、タワマンは高層の分費用は嵩みますが、同様に高層な分より多くの住戸で費用を分散負担しますので。
      つまりその頃の資産性を重要視するのなら、何マンであるかより立地を重要視するべきではないでしょうか。立地が良いマンションは古くても需要があります。需要があれば空室も少なく一人あたりの費用負担も抑えられます。

  • 中華ライダーキンペー より:

    都心のタワマンは魅力的です。駅近等好立地な場所は徒歩圏内で全て完結する。
    電車活用でタクシーの使い方も山手線1駅分。車は必要なく趣味で持つ
    ドライな人間関係。都会の良いところを満喫出来る事です。
    都会育ちの人は田舎住みの事情を詳しくはわかってなく、説明します。

    田園風景等景色がいい、空気綺麗はあるけど、基本は何もないの裏返し。
    不便で車ありきなのでガソリン、車検等の維持費がかかる。
    鉄道の廃線、タクシーは中心部まで距離があるから高い。地域バスも使いにくい。
    でも1番気をつけるところは人間関係。消防団加入、祭り参加、土日の休みは寄り合いで潰れる時期がある。不参加だと村八分。新参者、変わり者は受け入れないし、注目の対象で陰で噂される。田舎もん根性丸出しの住民。
    本家に嫁行けば直系の子供は大切に育てられ、田舎推しの洗脳、離婚したけりゃ子供は置いて嫁出て行け。年寄りの散歩は微笑ましいと思ってたけど間違いで覗きの要素があり、派手な洗濯物干すと寄り合いで噂される。野焼きで臭いし。
    都会の便利な場所は限られてるから建物は縦(上)に伸びる。
    田舎の土地は百姓の家等めちゃくちゃ広いけど(横に伸び放題)周りは田んぼしかない。コミュ力高く、体力に自信が有れば老後もなんとかやっていけるのかも。
    でも高齢ドライバーになるのは覚悟しなければいけない。田舎の人は優しいとか幻想で、僻地にいくほど濃い。

  • マンションマニアの端くれ より:

    私としては、これに加えて採光や眺望の良さも感じます。エリアによっては、タワマンと板マンではこれらの要素に圧倒的な差が生まれます。ちなみに世帯年収は3000万円程なので東京では選択肢はわずかに多い方だと思います。

    タワマンはシンボリックですので、住んでいない人からすると意識されることが多いのでしょう。その証拠に「なぜタワマンに住むのか」「タワマンに住んでいる人はー」という記事がネットには沢山ありますが、「板マンになぜ住むのか」といった記事は相対的に少なく感じます。

    しかし実情としては、多くのタワマン住人は色々な要素を加味したところ結果的にタワマンになったのであって、タワマンと板マンを区別してタワマンだけを検討したりと言うことは無かったりします。

    好みのエリアでタワマン並みに条件の良い板マンがあればそれでも別に良いのです。

  • 田舎のおっさん より:

    地方のタワマン暮らしのおっさんですが、のらえもん先生の回答は良い線を突いてるとお思います。

    自分も ①立地と駅近 ②間取り(明るい角部屋のリビング) ③出来る限り永住したいが、売る時に困らない物件 が希望でしたが、駅近のタワマンが一番希望にマッチしてました。
    近くの板マンより多少は高いのですが、①部屋からの眺望が良い、②自尊心をくすぐる^^; (あそこのタワマンなんだ、良いね~とか言って貰える) 、③免震構造で地震に対して安心感がある に対する付加価値料金かなと。
    管理費修繕費等は不安ですが、一応将来のアップ額も明示されてますので払える予定です。(もちろん変更のリスクはありますが)

    以前、はるぶー先生の記事で読んだ記憶(曖昧)があるのですが、外車に乗る余裕のある方に軽自動車の方が経済的だからと勧めないのと同じで、経済的に問題が無ければ少し付加価値料金を払ってタワマンという選択もありかなと思います。
    その方の価値観・好み・経済力 etcとの選択で私の場合はたまたまタワマンでしたが、板マンの方が良いという選択も当然あると思います。

    タワマンをディスると閲覧回数が増える(広告収入が増える)のか否定的な記事を多く見かけますし否定はしませんが、機械式駐車場やエレベーターの改修を抱える(一戸当りの費用負担の大きい)小規模マンションの方が怖い様に私は感じます。

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