【お便り返し】大学病院ができると資産価値が上がる?

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こんにちは!
ふじふじ太です!

お便り返しです。
お便りは以下の通りです。




差出人: 翔ばない埼玉

はじめまして。去年浦和美園で中古マンションを購入しました。

内覧時に「将来順天堂大学病院ができるから、資産価値も上がると思います」と不動産会社に言われたのですが、一般論として、近くに大規模病院が建つと資産価値は上がるのでしょうか?

病院が近いメリットとしては、いざというときの安心感(コロナ禍の今では搬送拒否とかありそうで、やや下がってる気もしますが…)があると思います。

逆にデメリットとして、救急車の音に悩まされる可能性があるかなと思っています。

 

永住するつもりで今の住居を買いましたが、将来何があるか分かりませんので、資産性(少なくともローン残債を下回らなければOK)も気にしています。今更ですが…。

 

皆さんのご意見をいただければ幸いです。




 

浦和美園で中古マンションをご購入されたとのこと、おめでとうございます!

非常に興味深いご質問でしたので、DJあかい先生に続き、私も回答させて頂きます。

DJあかい先生の回答はこちら↓↓
お便り返し-48 近隣に大病院ができると資産価値は上がる?【DJあかい】

 

結論から言うと、「大学病院ができるから近隣の資産価値が上がる」という因果関係は、今のところ立証が難しそうです。

 

何が悩ましいかというと、総合病院や診療所ではなく、「大学病院」というところが悩ましいです。

 

大学病院は高度な専門医療を受けられますが、紹介状の有無や金額の問題もありなかなか普段使いしにくいというか、基本的にはまず診療所に行くことの方が一般的かと思いますので、日々の生活における大学病院のニーズというのはそこまで高くないのではないかと思われます。

 

私がよく担当している豊洲エリアにも昭和大学病院という大学病院があり、いざという時に高度専門医療を受けられるという点では非常に安心感があるもの、今まで私が購入相談を受けたお客様で、「昭和大学病院が近くにあるから豊洲エリアで物件探しています!」という方はほとんどおりませんでした。

 

当然ないよりはあった方が良いとは思いますし、高度医療を必要とされる方々にとっては大変心強い施設で、街の魅力を高めるひとつの要因になると思うものの、現場での経験上、それが近隣エリアの物件価格を押し上げるほどのインセンティブが働くかと言われるとそこまでではないのかなという印象です。

 

 

高度医療を必要とされていない方にとっては、DJあかい先生も指摘していた通り、救急車の騒音や車両通行が増えることを懸念される方がいることも事実です。

 

また、ご参考までに「家の近くにあってよかったランキング2016【子どもと暮らす世帯編】」という記事を発見いたしましたので共有いたします。

 

浦和美園はファミリーが多く住まわれている街だと思いますので、共感する部分は多いかと思います。

 

 



引用元:【SUUMO】家の近くにあってよかったランキング2016【子どもと暮らす世帯編】

 

 

2016年時点ですが「内科、小児科等の医療施設」は投票率26.1%となっており、高いと言って良いのか低いと言って良いのか何とも言えない順位となっておりますが、おそらくこのランキングの医療施設は、大学病院のような高度医療を取り扱う病院ではなく、普段使いができる診療所・総合病院のことを指していると思われます。

 

※医療施設の9割は診療所と言われております。
外部リング:厚生労働省 令和元(2019)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況

 

 

ちなみに大型の総合病院であれば、地域活性化と紐づいている先行事例がすでに複数件ありました。

地域との共存、地域づくりへの貢献という形で開発段階から計画的に取り組むことで、地域活性化に繋がっているという街づくりにおける成功例はあるのですが、大学病院で同じロジックが成り立つかと言われると非常に際どいところです。

あいにく適切な先行事例を見つけられませんでした。



ただ、順天堂大学病院が地域とどう共存をしていくのか、今発表されている情報だけでは具体的には詳しく読み取れませんでしたが、今後地域住民にとって直接的なメリットのある取り組みがなされる可能性もあるかもしれません。



翔ばない埼玉さんもせっかく物件を購入されたのですから、しかも永住予定ということですし、資産性のことは一旦忘れて「専門医療が受けられる病院が近くにできて、もしもの時も安心だ!」くらいの前向きな気持ちで生活をされるとよろしいかと思います!


マンションライフを最大限楽しまれて下さい!


※できる限りネットですが調査はしたものの、私も大学病院についてあまり詳しくなく、大学病院が地域とどう結びつきがあるものなのか、また大学病院ができることによる経済波及効果がどれ程のものなのか見誤っている可能性がありますので、どなたか詳しい方おりましたら是非ご意見・ご感想もお待ちしております!



本日は以上となります。
ご講読頂き有難う御座いました!

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ABOUTこの記事をかいた人

不動産コンサルティングマスター。2022年MBA取得。現場で仲介営業を10年経験済。取引件数500件以上。賃貸・売買どちらにも精通。多数メディア出演経歴あり(NHKクローズアップ現代・ABEMA TV・香港TV等)。不透明な不動産取引業界を透明化させ、失敗のない購入・売却のサポートをすることが使命!マンション購入は怖くないと発信していきたい!皆さんのマンションライフを応援しています!YouTubeもやっておりますので是非ご覧下さい!

4 件のコメント

  • すみすまい より:

    ふじふじ太さん、非常に興味深い記事拝見させていただきました!
    私は大学病院に詳しいもので少しコメントさせていただきます。

    記事を読んで、私としてもふじふじ太さんと同じ考えです。大学病院が出来たとしても不動産の資産価値が上がるかと言えば、ほぼ影響はないかと思います。
    大規模病院、大学病院が地域(特に不動産)にどのような影響を与えるかと言えば、医学部の存在が少し関係があるのではないでしょうか。浦和美園に開設される予定の順天堂大学医学部付属病院(名称:付属さいたま病院?)の開設者は順天堂大学です。少しわかりにくい説明になりますが、医学部と付属病院は切り離して考えていくと分かりやすいと思います。

    医学部がある大学は、特に私立は6年間で2000~3500万円の学費がかかるため名だたる資産家のご子息ご令嬢が入学する学部です。そのような学生は1学年110名×6学年=660名ほどが、医学部のある街周辺に在籍します。医学部と言えど1,2年生は一般学生と同じ座学中心ですが、学年が上がると病院実習や学習で非常にタイトな日常を過ごすことになるため、必然的に医学部所在地の街周辺に住むことになります。

    そう、影響があるとすれば医学部のある街の賃貸料金が高くなる傾向にあります。
    例を出すと、関東の私立医科大学がある地方が特に賃貸料金が高いはずです。聖マリアンナ医科大学の川崎市宮前区、埼玉医科大学病院がある埼玉県毛呂山町、国際医療福祉大学がある成田市公津の杜は周辺と比べても賃貸料金が“若干”高いと有名です。

    浦和美園に開設される順天堂大学付属病院は医学部の所在地ではありません。勤務する年収1000万円~2000万円の医師は常勤だとしても、周辺の不動産を購入するような定住型の働き方をしていません。医者は異動があります。大学病院に残りたくても残れない医局の人事権の中で働いています。つまり定住しない以上は分譲住宅より賃貸住宅の需要が高くなります。大学病院や総合病院は関東近郊で言えば、ある程度の地域の中に一定数存在し珍しい施設ではありません。大学病院があるだけで、賃貸料金が上がるかと言えばそうは思いません。しかし郊外や地方の医学部のある限定的な街であれば賃貸料金は必然的に上がることになります。医学部生が住む物件と、看護学部生が住む物件には大きな違いがあるのは、それは親の年収が圧倒的に違うからです。

    【下記住みたい街ランキングとは無関係の医学部所在地】
    順天堂大学医学部:文京区本郷
    日本医科大学:文京区千駄木
    東京医科大学医学部:新宿区
    東京女子医科大学医学部:新宿区
    慶應義塾大学医学部:新宿区信濃町
    埼玉医科大学医学部:埼玉県毛呂山町
    聖マリアンナ医科大学:川崎市宮前区
    昭和大学:品川区旗の台
    国際医療福祉大学:千葉県成田市
    杏林大学:三鷹市
    東海大学:伊勢原市
    独協医科大学:栃木県

    【最後に個人的な意見を】
    病院を考えて住まいことを決めることには大賛成です。マンション購入者の20代後半から40代にかけた実需層は、疾病とは無関係の人生を送っているので、大型商業施設の存在や利便性を考えて住宅購入の決断をするのは必然だと思います。ただし、大学病院や総合病院にかかる年代は50代以上が多いです。皆さんがいつまでも若く健康なままではないということです。今の時代がんは2人に1人がかかります。今は入院治療ではなく通院治療が主です。「今」を考えるか「将来」を考えるかは購入層によって違うと思いますが、近辺の病院の存在を考えておくことは大事だと思います。通院ほど大変なことはありません。家族のことを考えてマンションを購入するなら、医療機関の場所は押さえておく重要ポイントになります。周辺の飲食店に興味を示すのと同じくらいに考えてもよいポイントだと思います。
    病気になるのは「ある日突然」ですから。

    • ふじふじ太 より:

      すみすまい様

      詳細なコメントありがとうございます!!

      大変勉強になりました!!

      近隣の賃料の上昇に繋がる可能性はあるということですね。
      非常に納得感のあるご説明ありがとうございます。

  • すももももも より:

    すみすまいさんの意見に賛同します。

    若手医師で分院での勤務を指示され、数年で離れる事が確実な人達は地域の中では高級なマンションを賃貸したいと思う人は多いです。
    そういう意味で質問者様が購入されたマンションは病院が出来れば賃料が上がる可能性は高いかと思います。

    売買がご専門のふじふじ太さんの実感としての、昭和大学豊洲病院があるから買いたい、という人はほとんどいない、はそうだろうなと思います。
    賃貸が専門の方に聞いてみると、昭和大学豊洲病院で働くから豊洲のタワーマンションを借りたい、という人はそれなりにいるのでは?と推測しますが実際の所はどうなんでしょうね?

    • ふじふじ太 より:

      コメントありがとうございます!

      私も賃貸についても扱っておりますが、昭和大学豊洲病院で働くから豊洲に賃貸で住みたい(看護師寮を除く)という方はあまり多くはない印象です。
      売買に比べると多そうではありますが、なかなか裏付けがしにくいところです。。

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