おはようございます、やまちゃんです。先日実施いたしましたマンションコミュニティ20周年記念キャンペーンで、当選者の発表をしております。ありがたいことに380件ものご応募と、たくさんの嬉しいコメントもいただきました(→ PCの方はこちら/スマホの方はこちら)。今後もお役に立てるサイト運営を目指して参ります。
あと今月も個別物件の問い合わせ数を発表しますと(1位)晴海フラッグがダントツ、(2位)パークハウス御苑内藤町がその半分、(3位グループ)ブリリアタワー浜離宮、幕張ベイパーク ミッドスクエアタワー、パークコート神宮北参道ザ・タワー、パークハウス三田ガーデンが晴海フラッグの1/3くらいで続く展開です。2位以下の混戦を毎日楽しみに眺めております。
さて、今回のご相談に参ります。
差出人:与信活用
お世話になっております。
スムログなどのブログを見続ける上で、自身の余っている与信を最大限に活用すべく、不動産投資を検討し始めました。
お手数ですが、どのように進めるのが良いのかアドバイスを頂戴したく、ご検討のほど、お願いいたします。
自身の状況
・30代中盤
・夫婦+子供1人(もう一人欲しい)
・世帯年収1600-1700万(将来的には2000万で頭打ちくらいまでの出世しか望んでいない)
・正社員共働き、年収はやや妻が多め、在宅勤務多め
・東京と神奈川が勤務地
・神奈川の自己所有タワーマンション居住。残債5000万ほど
・現居は2LDKのため、どこかで一度3LDKへの買い替えは必要
・総資産は3000万円ほど(奨学金全額繰り上げ返済済みのため少なめです、、、)
不動産投資について
・5000万のローンは全て私名義です
・妻は全ての与信を残しており、年収上、妻の方が与信は大きいはず
・さまざまなマンションがあり、もっともっと欲しい!と思うようになりましたが、子どものことを考えて、頻繁な引越しをしないで済む投資としての購入を検討しています
・投資用ローンは住宅ローン以上に引けるという話もあるようですが、うちの場合はどの程度引けると思われるでしょうか
・投資用ローンは現在ならココ、というようなオススメはあるのでしょうか
・投資用に購入する物件は基本的にはリセールの安心な大規模を想定していますが、居住していないオーナーは共用部を活用できるのでしょうか?使えるなら、横浜駅直結鶴屋地区再開発はロビーラウンジで一息できるだけでも、投資以外の旨味が出てとてもいいなーと思ってます。
・中古だとローンが降りにくいということのようですが、利率も変わってくるのでしょうか?新築、築浅がよいでしょうか?
・ボロ戸建て投資は全く検討していません。あまり手のかからない投資にしたいと思っているためです。それでもやはり手はかかるものでしょうか?
・会社にバレない形で節税につなぐことは可能でしょうか?
・ネットに出てくる情報は明らかに私側をカモろうとする情報にしか見えず、信頼度の高い情報源不足に困っております、、、。
ご相談ありがとうございます!回答させていただきます。
それにしてもすごい世帯年収ですね!奨学金返済を考えても金融資産3000万もお持ちでいらっしゃることはご立派だと思います。
横浜駅直結鶴屋地区再開発は、楽しみですね。先日スムラボでクリスティーヌ先生が記事をアップされています。ご興味ありましたら併せてご覧ください。
横浜駅直結タワーマンション|鶴屋町が変える横浜の未来!映像付き【クリスティーヌ】
さて、これから書くことについて先にお断りしますと、私は不動産投資(自分が大家)の実務経験に乏しく、本件回答するにあたり身近な実務者数名にヒアリングしましたが、いささか知識不足はあると思います。
ここに書くことはファイナンシャルアドバイスではなく正確性も保証しませんのでご承知おきください。(サイト運営上、できるだけ多くのご質問に回答したいため非力で恐縮ですが取り上げさせて頂きました。)
また参考までに、私自身は、賃貸用で区分マンション2戸、民泊用で戸建て住宅1戸を所有している程度の弱小大家です。過去、加えて賃貸用の区分マンション1戸・民泊用の一戸建てを1戸所有していましたが売却しました。
今の市況を鑑みて賃借人が出れば売っており、今年中にもう1戸、区分マンションを売却予定です。現在は自宅の住宅ローン以外に、不動産系・Web系の個人事業でローンを3本、計4本のローンを引いている、というステータスです。
目次
箇条書きのご質問への回答
最初に、いただいたご質問について、回答できるものをいくつか。・投資用ローンは住宅ローン以上に引けるという話もあるようですが、うちの場合はどの程度引けると思われるでしょうか
・投資用ローンは現在ならココ、というようなオススメはあるのでしょうか
投資目的ですと、自己居住用の提携ローンのように流れ作業で当て込むものではなく、本人属性、事業計画、実績、対象物件の担保価値などで借入条件が全然違うため、ぱっとオススメみたいなことは言いにくいと思います。(投資用の新築マンションなら金利条件よい提携ローンあるでしょうが、物件価格そのものが高いことを疑ってしまいますので検証必要)
知人にヒアリングした借入条件(実際に実行された条件)は、金融機関や対象物件によって本当にバラバラですが以下の通りでした。
- 日本政策金融公庫 1.2~2.3%、10~20年
- 地銀、信金 0.8~3.2%、20~35年
- ノンバンク 2.9~3.4%、25~35年
最初から低い金利で借りられるわけではなく、最初は個人信用しかありませんから、小さく借りて実績を作って良い条件を引き出す、追加の借入を増やしていくことになるそうです。
日本政策金融公庫は借りやすく、私も公庫から借りてます。ただし返済期間が短く最長でも20年で、月の返済額が高くなりやすくキャッシュフローが出にくいです。多少金利が高くとも地銀や信金で30~35年で借りる方が有利なケースが多いように思います。
なお区分マンションは、一棟ものに比べて積算評価が不利で、物件数を増やすほど別途で頭金を積まないと融資が受けられなくなるとのこと、10~20%の自己資金は必要だと聞いております。
・投資用に購入する物件は基本的にはリセールの安心な大規模を想定していますが、居住していないオーナーは共用部を活用できるのでしょうか?使えるなら、横浜駅直結鶴屋地区再開発はロビーラウンジで一息できるだけでも、投資以外の旨味が出てとてもいいなーと思ってます。
非居住のオーナーが共用施設を利用できるかについては、マンマニ師匠が過去にエントリーを上げておられますのでご確認ください。(こちらの記事の2つ目の質問、「オーナー権利」についてです)
私はこの辺疎いので分かりません。
・ボロ戸建て投資は全く検討していません。あまり手のかからない投資にしたいと思っているためです。それでもやはり手はかかるものでしょうか?
新築マンションに賃借人を付けて運用するのは、一番楽だと思います。手間は大したことないんじゃないでしょうか。
個人的には、ボロい中古物件を割安で買って自分好みにリフォームするのも実務経験になりますしお勧めしたいところですが、これを楽しいと感じられるかどうかが肝心で、やっぱ面倒は面倒ですね。
・会社にバレない形で節税につなぐことは可能でしょうか?
会社バレしないようにするには、確定申告の際に住民税を特別徴収でなく普通徴収での納付にしますが、申告の際に税務署職員にお聞きください。
なお、そもそも会社に不動産収入がバレたところで問題ないケースもありますよ。例えば不動産を親から相続して、その収入がバレてクビになったらおかしな話です。(やぶ蛇になるのが怖くて聞きにくいかも知れませんが)
本件投資の実行について
ここからが回答の本題となります。- 環境優位にない投資をわざわざすべきか
- 将来の3LDKへの住み替えに困らないか
- 奥様が望んでいるか
(1)環境優位にない投資をわざわざすべきか
まず、自己居住しない住宅購入は、投資環境が悪くなります。- ローン金利が上がる(おおよそ2%程度?)
- ローン期間が短くなることがある
- ローン控除が付かない
- ほか税制優遇が付かない(不動産取得税、固定資産税など)
自己居住は環境優位を作れます。金利を安く借りられて、35年の超長期で借りられて、ローン控除を使えて、各種税金も優遇されます。
それでは、「そうじゃない」投資目的について考えてみましょう。区分マンションを7000万で買ったとして、表面利回りで4.5%あるとします。
頭金10%、諸費用5%(= 1,050万円)の現金を支払ったとします。ローン6300万円、35年、元利均等、ローン控除は付かない、管理修繕費30万円/年とします。(簡単のため固定資産税は計算に入れません。また数字は丸めています。)
実質利回り = (年間家賃315万円 - 管理修繕費30万円)÷(売買代金総額7,350万円) = 3.8%/年
の物件ということになりますね。
試算A:投資目的
投資用ローンの借入金利を2.5%とすると、年間のローン支払額は270万円になります。- キャッシュフロー = (年間家賃315万円 - ローン支払額270万円 - 管理修繕費30万円)= 15万円/年
- 手出し(1,050万円)に対する利回り = 1.4%/年
減価償却なども入れて損益がマイナスということになりますと、本業のお給料と損益通算して税金が還付されます。恐らくご質問頂いた「節税」というのはこのことだと思いますが、キャッシュフローもマイナスというのは褒められたものではなく、物件を安く仕込みローンを安く長く借りて、キャッシュフローをプラスに見込むべきです。
なお不動産はイニシャルコストが多くかかり、購入年は赤字で還付額が多くなりがちです。本業の給与水準が高い(= 所得税率が高い)と、戻る金額も大きくなります。私の知り合いでも、それを狙って1-2年に1度の頻度で物件を仕込んでいた人がいます。(3年前のかぼちゃの馬車、レオパレス問題以降は、自己資金を求められて買えなくなったそうですが。)
試算B:投資目的
試算Aと同条件で借入金利のみ1.5%とすると、年間のローン支払い額は231万円になります。- キャッシュフロー = (年間家賃315万円 - ローン支払額231万円 - 管理修繕費30万円)= 54万円/年
- 手出し(1,050万円)に対する利回り = 5.1%/年
上の数字ですと、持ち出し現金に対して5.1%の利回りを「いいじゃん!」と思わないでください。まずローンのレバレッジがかかった数字です。
また、金利が上がったり、家賃が下がったり、空室になったり、管理修繕費が上がったり、ここでは固都税すら入れてませんし、はっきり言ってこの数字はブレブレです。
新築マンションの不動産投資専業の営業マンは、こういう数字のレトリックを使ってくることもあるかと思いますのでご注意ください。
ただ、投資可否を評価する際、単純な計算で持ち出しの現金を何年回収できるか分かりますので、これを頭の中でぱっと暗算する投資家は多いように思います。少なくとも私は必ず、手出しの現金が何年回収になるか考えます。
試算C:自己居住
ここで、擬似的に自己居住のキャッシュフローを考えてみましょう。自己居住なのにキャッシュフローを考えるのは意味不明ですが、大家「私」が、賃借人「私」に家を貸すと考えてください。(おかしいぜ!はご容赦ください、分かりやすさのためです)借入金利0.5%(年間ローン支払額196万円)、住宅ローン控除で年40万円戻るとします。自己居住だと固定資産税が減額されますがここでは簡単のため扱いません。
- キャッシュフロー =(年間家賃315万円 - ローン支払額196万円 + 住宅ローン控除40万円 - 管理修繕費30万円)= 129万円/年
- 手出し(1,050万円)に対する利回り = 12.2%/年
自己居住で得られる環境優位は、ご理解いただけましたでしょうか。
(2)将来の3LDKへの住み替えに困らないか
投資用にマンションを購入されたとして(奥様の与信で買ったとして)、次に3LDKを購入される際に、金融機関から借りられないリスクも考慮必要かと思います。銀行の貸し出し態度は変わります。もし買い替えの際に現居の「先売り」が必要になれば、住み替えのお金や手間だったり、新居に入居するまでの仮住まいの家賃だったり、急いで売らないといけませんので安売りに繋がったりします。要するに、融資に苦労すると不利です。
一昔前までは、個人でダブルローンを組むとなった時に、1本目は銀行ローンで借りて、2本目をフラット35で借りる(フラットは既存借入を見なかった)という方法が使えたと思いますが、今は穴が塞がれました。
現在、与信活用さまはタワマン住まいとのことでご自宅の担保価値は増えているでしょうし、うまく金融機関とゴネゴネやってご本人の与信だけで買い替えられるのかも知れませんが、3LDKに広げることで当然グロスの価格も上がることですし、「都落ち」せずに同等エリアの不動産を探すなら、ある程度の余力(= 奥様分の与信枠)は残しておいた方が無難ではないかな、、と思います。
(3)奥様が望んでいるか
ここまで長々しく書いておきながら、これが一番のキーでして、この話は、奥様の与信を利用して投資されるという話だと解釈しています。そもそも、奥様はそれを望んでおられますでしょうか。
もしも与信活用さまが「ご自身の与信」を活用して投資するということなら、「あなたのお金だから好きにすれば?」で片付くこともあるでしょう。(家庭によってはそこで嫁ブロックもあるわけで)
一方、「奥様の与信」を活用となると「なんで私を巻き込むの?」とならないでしょうか。
女性はどうしても男性と比較して保守的になります。少なくとも、奥様のご意思に反する投資でしたら、お止めになった方が宜しいかと思います。(すでにご夫婦間で決着した話でしたらすみません、どうしても気になったもので。。)
まとめ
なんだか投資は止めとけと言ってるように見えるかも知れませんが、そうではなくて、奥様のご理解と、条件良い投資環境が得られるならありだと思います。もし投資目的で利回りを取れないとなりますと、その行動を正当化させるのは「今より更に市況が上げること」になってしまいます。ここは私は全く判断つきません。
いやまぁ、先行きの強気予想が多いことはよく存じ上げていますが、「上げ相場ありき」の不動産投資は、私だったらやんないです。逆行った時に抗えるだけの資金力の問題です。
不動産投資の実務者の方は、経験、資金力、選球眼、交渉力など卓越された方がたくさんいます。今のような市況下でも区分マンション投資でしっかり利益を残す猛者はたくさんいることでしょう。
その中で、我々一般人が優位性を取れるのは、結局のところ自己居住ステータスと運の良さ(人気の新築マンションなら抽選住戸に当たる、中古なら最初に見つける)くらいじゃないか、というのが私の意見です。
そして、与信活用さまにとってもう1つとても大事なこと、お子様をもう1人欲しいのですよね。
今の奥様のご年収を考えますと、将来会社を辞める選択肢は恐らくないのかなと推測しています。めでたくもう1人授かったとして、育児負担は2倍とは言わないまでもそれなりに上がることは間違いありませんし、子供同士で風邪を媒介しあって保育園で熱を出して緊急出動、みたいな不測の事態もどうしても増えてしまいます。
この先、お子様2人が大きくなる過程で3LDKが必要になって、そこで初めて奥様の与信を活用されるというのも、上で説明した「自己居住による環境優位」を作れて、購入時期の時間分散にも繋がりますので、悪くはない選択かと思います。
もちろん市況がもっと上がるかもしれませんが、環境優位でどれだけ吸収できるかご自身でシミュレーションしてみてください。
投資は個々人の責任で行うものですから、私のような外野がとやかく言うのもアレですが、ある程度は余裕を持っておくのも1つなのかなと思いました。
また与信活用さまの「あまり手のかからない投資にしたい」というのが多少引っかかっておりまして、面倒を回避したい投資家にいちばんぴったりなのが、「不動産投資用に開発された新築マンション」業者なんですよ。彼らに任せておけば、全部お膳立てしてくれて、買いますか?買いませんか?の2択で済みます。それが果たして、美味しい投資なのでしょうかという話です。
そしてここから、まとめのまとめ、というかオチとなりますが、ガチで区分マンション投資やってる方を探して頼ってください。
以前、私が不動産投資を勉強していた頃、ココナラでお金を払って、専業の投資家の方に話を聞きに行きました。いい話が聞けましたよ。
そういった方は相談で受け取る金銭なんて本業の収入と比べればゴミみたいなもので、どういうモチベーションで請けているか考慮が必要ですが、少なくとも新築マンション投資の営業マンにカモネギ状態で話を聞きに行くよりは、中立で実践的な情報を得られるかと思います。
以上、ご参考になっておりましたら幸いです。
こちらの回答は、過去にスムログに頂いた古めの質問をピックアップさせて頂いております。記事の内容は、当方の個人的な見解・意見であり、その内容に関していかなる責を負うものではありませんので予めご了承下さい。