<マンコミュ総研まとめ その1>「宅配収納サービスでこんな預かりメニューあったらいいな」

2021年5月、理想の住まいについて語り合う「マンションコミュニティ総合研究所」(以下「マンコミュ総研」)を立ち上げました。所長「のらえもん」を含む9名の研究員と、ユーザーのみなさんが語り合うコミュニティ型参加サイトです。

そのマンコミュ総研で7月、「宅配収納サービスでこんな預かりメニューあったらいいな」というお題で多くの皆さんからアイデアを募集しました。宅配収納サービスとは、普段は使わない荷物をダンボールに詰めて自宅から倉庫に送り、使いたいときに自宅に戻せるサービス。収納スペースの確保に悩む都市部のマンション住民を中心に利用が広がっています。

「ディノスクローゼットサービス」との共同企画で、依頼内容は「マンションにお住まいの皆さんが使いたいと思うような、メニューを一緒に開発してもらえませんか?」というものでした。

宅配収納サービスに期待することや、収納の悩みについて多くの声が寄せられましたが、今回は投稿された内容を以下の4つの視点でまとめてみました。

・段ボールに収まらない大型商品を保管したい
・コレクター商品の保管から販売までを実現したい
・預けた商品を利用者間でシェアしたい
・預けたものをデータ化していつでも見れるようにしたい

ここから見えてきたのは単なる「整理」という欲求に加えて、プラスアルファの要素を加える視点でした。

それでは、4つのポイントを順に見ていきましょう。

段ボールに収まらない大型商品を保管したい

首都圏のマンション坪単価は近年上昇を続けており、2020年は1平米あたりの価格が92.5万円(不動産経済研究所が「首都圏マンション市場動向―2020年まとめー」より)。つまり、大型のアイテムを収納するスペースにも膨大なコストが掛かっていることになります。

そのため段ボールに収まらない大型アイテムの収納は多くの人にとって悩みの種。せっかくの居住スペースをどう有効活用するかは大きな課題です。

まず収納に困るアイテムとしてベビー・子供用品が挙げられます。

子供が生まれて感じたこととして、スペースをとるものが本当に多い!
ベビーベッド/ベビーチェア/ベビーカーetc.

—中央区上落合さん

子供のものって大きいサイズ多いですよね。特に赤ちゃんはベビーバス、チャイルドシート、自転車とものが多い(大半が祖父母購入のもの)ですし。

—コン吉さん

使用する期間が限られているにも関わらず、収納場所を占拠するアイテムの代表格。次の子供が生まれたら使うかもしれないと思うとなかなか捨てられないという方も多いのではないでしょうか。レンタルをする選択肢もありますが、両親や義両親から孫のために購入してくれると言われたら断ることができないもどかしさがあります。

また、車を保有する人の中にはスタッドレスタイヤの保管に悩む声も投稿されました。広い一戸建てであればガレージに保管できますが、マンション住まいでは高いコストを払って専用の保管サービスを利用するという方も多いようです。これについては、宅配収納サービスに、タイヤサイズの段ボールor強化箱のオプションあると良いのではという提案もありました。

ベビー用品やスタッドレスタイヤは、利用期間が限定されるにも関わらず収納に多くのスペースが取られるという共通点があります。いかに保管コストを下げられるかが生活の質を上げる上でポイントになってきそうです。

さて、大型アイテムの収納については、新サービスのアイデアも投稿されました。

1つ目が季節のイベントアイテムをそのまま持っていって保管してくれるサービス。
クリスマスツリー、ひなかざり、七夕飾りなどは収納スペースを占拠するだけでなく、出した後の片付けが面倒という投稿に共感が寄せられました。

希望は、クリスマスツリーの飾りそのまま、大きな箱に入れて持っていってもらって、保管してもらいたい!
ばらす作業が面倒なのでやってもらいたいです。同じオーナメント同士でジップロックに入れて、電池外してがほんと大変。

—KIKO3さん

確かにイベントで盛り上がった後の片付けを考えるとテンションが下がります。飾り付けを手伝ってくれた子どもたちも、片付けには興味を示さず。。。

こうしたアイテムは家庭によってサイズが異なり、運用のハードルは高そうですが、収納だけでなく片付けの面倒から解放されたいというニーズが多いと感じました。

2つ目のアイデアはキャンプ用品などの大型アイテムの清掃保管&直送サービス

キャンプ道具とか汚れた状態でお送りしたらディノスさんで清掃した上で保管してもらえると嬉しいかもです!子どものおもちゃとかだと消毒して保管とか。

—2LDKさん

キャンプ道具、預かってほしい!そして泊まる先に直接送ってほしい!

—KIKO3さん

キャンプの楽しい時間の後にやってくる片付け。疲れた体に鞭打って、テントをたたむ作業はかなりの重労働。雨が降っていようものなら、もう泣きたくなります。

清掃保管をしてくれて、さらに宿泊場所からの配送ができれば、手ぶらキャンプも実現しそう。レンタルでも良いのでは?と思われるかもしれませんが、いつものテントなら組み立ても迅速にできるメリットがあります。キャンプ計画も事前にシミュレーションできるので、準備もしやすくなります。

キャンプ用品以外にも、スノーボード用のアイテムも現地⇄倉庫で直送できれば便利かもという声もありました。ゴルフ用品に関しては同様のサービスがあるようですが、レジャー用品全般でニーズがありそうです。

コレクター商品の保管から販売までを実現したい

保管してもらったアイテムを会員の間で出品・販売をするアイデアにも多くのコメントが寄せられました。

本とかレコード(死語?)とか、レアなものを保管状態してもらい、しかもスマホ上で、コレクターみたいに見られるように管理できれば、毎日眺めているだけでも楽しそう。

—すまいよみ

友人でレア物スニーカーコレクターがいますが、いつも奥さんからまた買って!どこにしまうの!と怒られてしまうと言ってました。

—のらえもん

本、レコード、スニーカーなど、コレクションしているアイテムを保管して、クラウドサーバで「陳列」するサービスがあれば、家族からの非難も和らぎそう。さらに、保管しているアイテムを「公開」状態にすれば、SNSを通じて他のコレクターに自慢もできます。上手に撮影するのが苦手という人でも、プロの技術で撮影をしてもらえたら安心ですし、手間も省けます。

さらにファシリテーターを務めた所長「のらえもん」からは、アイテムをコレクター同士で購入・販売したいするのはどうかという提案もさせていただきました。

DCSさんに預けておいて、バーチャル陳列、いつでも取り出せるしメルカリやヤフオク、購入オファーなどで売るのも可能とする場があれば、絶対使うと思います。

—のらえもん

コレクターのパイは小さくても、レア物だと高額で取引される商品もあるので、ジャンルによっては市場規模は大きい。有名絵画のように一般人の手に届かないような高額なものではなく、個人コレクター同士でアイテムを流通しあえるプラットフォームというのがポイントです。
こうしたニーズは、宅配収納スペースの発展形としていつか実現する日が来るかもしれません。

預けた商品を利用者間でシェアしたい

成長に合わせてすぐにサイズアウトしてしまう子供用品については、シェアという概念を取り入れてみては?というアイデアも生まれました。

我が家はあと、子供服やサイズが決まっている子供用品ですね。
特にスキーなんですが、年に数回しかスキー学習もなく、この状況下で去年はスキー場も連れて行ってあげられませんでした。

—コン吉さん

この辺はどっちかといえば、シェアという感じかなと思いました!
月額会員制にしておいて、会員が子どもが大きくなっていらないと手放したおさがりが配達されてくるような。僕は課金しますね。

—のらえもん

年に数回使う程度のスポーツウェアだけでなく、フォーマルな場面で着れる子供服なども需要があるかもしれません。絶対に使わないと決まっている期間は「シェア可」にしておいて、もしシェアされたら利用料金が割引になるといった特典があればモチベーションが上がります。破損や汚れなど事故の際の補償も気になりますが、そのあたりの整備が進めば安心して預けられそうです。

段ボールにまとめて預けられるという手軽さが売りなので単品管理は難しく、スキー用品をまとめて段ボールに入れてそのまま貸し出すなどの工夫が必要かもしれません。

預けたものをデータ化していつでも見れるようにしたい

次も子供がいる皆さんからのアイデアです。子供が保育園・幼稚園や学校で作る作品を預かってもらい、データ化していつでも見られるようにするというもの。

「作品美術館」子どもが園や学校で作ってくる作品。すぐ捨てるのは名残惜しいものの、現在のマンション状況でずっと置いておくのも厳しい。DCSを使い箱に入れて送るだけで3Dスキャンしてバーチャル美術館に展示され、スマホからいつでも見られるようにする。

—タビー

気持ちや感情が入るものは廃棄の判断は合理的にはしづらいもの。場所が取られるのは分かっていても、子供の成長の記録とともにいつまでも大切にしておきたいというのが親心なのかもしれません。そういう思い出をきれいにデータ化して保存してくれるサービスがあればそれだけでも十分に価値がありそうです。廃棄を後もバーチャル美術館を利用し続けられるようにすれば継続利用する人は多いでしょう。

また、このアイデアに触発された形で、資格の証書や賞状も同様にデータ化して保管してほしいという声もありました。取得年月日や資格免状の番号など、突然必要になっても、いざというときに見つからない。自宅にあるのか、実家に置いてきてしまったのか?そんなときにクラウドサーバで検索できれば心配のタネがなくなります。

コレクター商品に関してもデータ化のアイデアが提示されていましたが、データ化作業を外注できるだけでも利用価値があると考える人も多いでしょう。

ちなみに、子供の中学受験を経験された方の中には、膨大なテキストを保管してほしいという声も挙がっていました。塾によってテキスト量に違いはあると思うので、このあたりは塾がオプションサービスとして提供してもよさそう。

「塾テキスト預かり」サビックスは超大量のテキストで有名ですが、捨てがたい少し前のテキストをガンガンボックスに入れて倉庫に送り、必要なところだけ著作権に配慮しつつスキャンしてリモートで見るか、どうしても必要なら現物を送り返すことで、お家スッキリママにっこり。

—タビー

余談ですが、塾テキストスキャンサービスのように、必要なときに確認できればいいというものは個人だけでなく法人ニーズもあるだろうと思いました。テレワークが進んでオフィススペースの縮小が進められている今、契約書のあの部分だけを確認したいといったときにスマホで検索できたら便利です。家庭でもちょっとした契約書類などは、外出しできると省スペースにつながるかもしれません。

さいごに

宅配収納サービスをアップデートするためのアイデアや、収納の悩みについて挙げられた声を4つの視点でまとめてみました。宅配収納サービスが提供する「整理」という概念に加えて、その他の要素をどう取り入れていくかが今後、各社の差別化につながってくるのかもしれません。

マンコミュ総研では、今後もみなさんの声を募集する企画を随時行っていきます。
今後も、皆さんの声を様々な企業の方々にお届けして、理想の暮らしや住まいを実現していけるように取り組んでいきます。マンコミュ総研では様々なトピックで皆さんの声を募集しています。マンコミュ総研のサイトでユーザー登録の上、投稿をお願いします。

出典元:「宅配収納サービスでこんな預かりメニューあったらいいな」

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