第247回「新築だけ待っても買えないマンション」

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このブログは10日おき(5、15、25)の更新です。

このブログでは、居住性や好みの問題、個人的な事情を度外視し、原則として資産性の観点から自論・「マンションの資産価値論を展開しております。

数年前から筆者は「中古の時代がやって来る」と言い続けて来ました。改めて、そのわけとマンション選びの要点をまとめてみました。

 

はじめに「新築マンション激減の実態」

 

たびたび書いて来たことですが、新築マンションの発売戸数が大幅に減っています。首都圏全体で見たとき、ピークの90,000戸台から2019年は31,238戸とほぼ3分の1まで減ってしまったのです。

(グラフ参照)

 


3万戸は推定される首都圏の新築需要4万5千戸の3分の2に過ぎません。

 

理由や背景はともあれ、新築マンションの品数が少ないために買いたくても買えない状態がかれこれ10年も続いています。

 

高い家賃の首都圏のこと、長く賃貸マンションで我慢できない人も多いので、新築を諦めて中古に切り替える人が増えていると考えられます。このため、新築でなく中古も当たり前のように選択の対象に浮上するようになっています。

 

新築マンションが減ってしまった理由・事情はどんなところにあるのでしょうか?簡単に整理しておきましょう。

 

①適地がない。あっても郊外ばかり

②需要は郊外が激減。都心・準都心へ偏在するようになった

③都心・準都心は用地費の高騰で分譲価格が高騰。購入可能層が限定されてしまった・・・の3点です。

 

ここで特筆しなければならないのは、②の需要は郊外が激減。都心・準都心へ偏在するようになった、言い換えると需要構造が大きく変わってしまったことです。どのように変わったのでしょうか?

 

「都心に買えないなら郊外でも仕方ない」の階層がなくなったのです。1990年前後、バブル期の不動産・マンション価格高騰時、庶民はトコロテン式に郊外へ押し出されました。

 

東京都心に勤務する階層が新幹線通勤も辞さず、「三島」や「高崎」、「小山」などでマンションを買った人すらありました。一方、新幹線通勤が許されない企業に勤務する人たちは在来線の遠距離通勤を強いられたのです。

 

数字は割愛しますが、2012年頃から価格高騰が続く昨今、郊外へ向かう「需要移動現象」が再来しないのはなぜでしょうか? 都心のマンションに手が届く階層が増えたことが最大の要因のようです。

 

高くても都心マンションが買えるのはどうしたわけでしょうか。賃金が上昇したからです。世帯所得として見ると、大幅に上昇したのです。正規社員のカップルが増えたためです。

 

2馬力で稼ぐ若い一次取得者家庭が増えて、郊外へ出なくても買えてしまうということであり、同時に郊外では仕事が続けられないカップルが増えたからです。

その昔、男は仕事、女は子育てといった役割分担があったものですが、最近は人手不足もあって女性が退職しづらいのかもしれません。企業も人材を足止めするための施策を設けており、働き続けることができるようになったのが大きな要因と考えられています。

 

マンション価格が高騰して来た最近10年ですが、その前半2015年までは販売も好調でした。その背景には2馬力の若い世帯の増加があったためと言えるのです。ところが、2016年初頭から新築マンションの売れ行きに急ブレーキがかかりました。

 

今も低迷から脱却できずにいます。住宅ローン金利の低下で購買力が押し上げられたものの、価格高騰のスピードが速く、焼け石に水の状態になってしまったようです。

 

直近のコロナ騒ぎで、新築マンションは一段と売れ行きが悪化しているようです。しかし、売れ行きが悪くても、価格は一向に下がりません。着工してしまった新築マンションは値下げすることが難しいからです。土地代も建築費も確定しているので、原価・経費で抑制できるのは、販売費くらいです。最後は利益を圧縮するほかありません。

 

企業存続のために仕方なく値引き策を断行する売主企業も出て来るかもしれませんが、実はあまり期待はできません。

 

手が届く新築マンションが出てくるのを期待しつつ待っている人もあると聞きますが、安値のマンションが出て来るまでには長い時間を要するものです。しかも、下がっても5%程度に留まるでしょう。

 

売主・デベロッパーは、売れ行きが悪ければ経営危機という問題を抱えることになりそうなものですが、昔と違って大手デベロッパー主体の供給サイドには経営の多角化を進めて来たことから、外部の者が心配する(期待する)価格低下はないのかもしれません。

 

建てても売れないと見れば、着工を止めるでしょう。土地だけで置いておく分には大きな損失を被らずにすむので、工事が進んでいるマンションの販売促進だけに注力して行くことでしょう。

 

中古市場も雲行きが怪しくなりつつある

買うなら新築という声の多かったマンション需要に変化が訪れ始めたのは、市場の停滞と無関係ではありません。実は、直近数年のことですが、中古マンション市場が少しずつ拡大してきたからです。

 

しかし、その動きに伴って中古マンションも価格が高騰しました。地域によっては、新築と大差ない中古マンションも少なくないのです。

 

そもそも「新築がないなら中古もやむなし」という発想から出発しているので、新築の供給が落ち込んだ昨今、中古の人気物件には買い手は殺到して価格がつり上がってしまったのです。人気物件以外にも、じわりと影響を及ぼし、中古マンションの価格も新築の価格上昇に連動するかのような軌跡を示しています。

 

そうなると、中古も新築同様、売れ行きの悪化を招くのは必然です。そこに突然襲って来たコロナ禍、直近の3か月ほどを眺めていると、中古マンション市場は売主も買主も模様眺めのような状態に陥ったようにも感じます。

 

新築住宅はもう要らない?

欧米諸国の住宅取引は中古が大半で、新築中心の日本とは大きな隔たりがあるという話をお聞きになったことがあると思います。

 

中古取引が70~80%という欧米、新築取引が80%以上の日本(一戸建てを含む)という構図だそうで、よく住宅情報誌や新聞の特集記事などで取り上げられます。

 

ご承知のように、今は全国的に住宅が余っていて、空き家が大きな社会問題になろうとしています。

 

戦後復興の流れの過程で設けられた新築住宅の建設促進策は、質より量を追うものでした。その後、欧米からの「ウサギ小屋批判」を受けて質的向上を図って来ましたが、国策は相変わらずの新築住宅建設を促進するものでした。つまり、「質も量も」という政策が継続されて来たのです。

 

住宅建設促進税制という「住宅関連の税金を特別措置法によって軽減」、中でも「所得税の軽減(ローン控除)」は大きな後押しとなりました。

今は既にない「住宅金融公庫」の低利融資も長い間、住宅取得を応援する大きな武器であったのです。

 

しかし、近年は「数は十分にある」というだけでなく、質的な意味でも「欧米に負けないレベル(主に一戸建ての広さのこと)になった」と統計数字は語っています。

 

今後も住宅需要はなくなることはありませんが、その大半は転勤や就職・結婚等による人口移動によるものです。加えて老朽化による更新需要、地震対策による高強度住宅への転換需要などが中心です。

これらのニーズを満たすため、新築住宅は一定数の建設が続けられて行くことでしょう。

 

マンションの新たな需要

次に、マンションに限定して考えてみましょう。

 

人口・世帯数が増えなければ住宅需要の絶対数は増えません。かつて「核家族化」という言葉が誕生した時代、子供が独立するたびに新たな家が必要になったので、子供二人の標準家庭は子供が成人し結婚すると二つの家が必要と考えられました。

 

最近はどうでしょうか。子供の数が少ないので新たな家も1軒で足ります。また結婚年齢も遅くなったり、結婚しない人も増えたりで、親と同居を続ける独身者も増え、新たに家を求める数が減っているのです。

 

一方、新たな家に対する需要が増えたとき、賃貸住宅への需要も増えたわけですが、その過程で質的な向上も求められました。そのために賃料もウナギのぼりに高くなって行きました。最近はどうでしょうか?

 

需要が減ったのだから賃料も安くなって当然と思いきや、最近も東京圏に限れば安くなってはいません。外国人居住者が老朽化した賃貸住宅の需要を担う形も増え、比較的条件の良い賃貸マンションの賃料は高いまま安定しているようです。

 

それでも、戦後のひとときのような貸し手市場ではなく、借り手争奪戦の色彩が強くなったようです。いかに高く貸せるか、そのための個性的な賃貸住宅づくりも盛んです。

 

単身者は一旦、賃貸住宅に住んでも、やがて分譲マンションを購入するのが最近の風潮で、男女問わずにマンション購入へ動くので、賃貸住宅は需要が増えない傾向にあるからだという分析もあります。

 

単身者が分譲マンションを買うという現象は、分譲市場のボリューム拡大の要因となります。

 

シニア層にも同様の傾向が見られます。かつて憧れだった庭付き一戸建てを手に入れたシニア層は、子供の独立に伴って一戸建てを持て余す傾向が高まったことから、マンションへの住み替えに動いているためです。

 

夢の一戸建ても、残念ながらバスを利用しなければならないとか、家族に最寄り駅まで送迎してもらわなければならない、または都心から1時間以上も電車に揺られる郊外にある。それが一戸建て住宅の普通の姿でした。

しかし、夫婦二人で老後を楽しむには便利な立地のマンションが良いと、利便性の高いマンションに買い替えるという新たな需要も最近は目立って来ました。

 

東京圏に限定すると、全国的な傾向と逆の人口増が顕著です。地方からの人口流入が続き、人口減少という話はどこの国のことかと疑いたくなりそうな傾向にあるのです。

 

このように考えて来ると、東京圏のマンション需要は今後も根強く続いて行くようにも思います。

 

しかし、2050年までに東京の人口は現在の1300万人から1000万人に23%も減少するという推計を東京都がまとめて公表しています。首都圏全体でも大きな人口減に直面することになるのでしょうか。

 

詰まるところ、マンション需要もプラスよりマイナスが大きい時代が来るという見方が正しいのでしょう。

 

新築志向が強い日本人

需要が減れば、家余り現象が顕著になって来るはずです。既存住宅の改修だけでも十分に需要に応えられる理屈も成り立ちます。

マンションに限れば、利便性の高さで一戸建てからの住み替え需要をまかなう必要があるかもしれませんが、絶対数が足りないから新築マンションを増やそうという動きは起こらないと見るべきなのです。

 

しかし、日本人は何故か買い替えの人も初めてマイホームを求める人も、中古より新築を選ぶ傾向が強いと言われます。中古に売り物が多数あっても、見向きもせず新築へ向かうのです。

 

中古マンションに住む人が買い替えを考える場合でも、新築を目指すことが多いと言われます。

 

場所や広さに生活上の不都合が起こって買い替えるということなら、新築でなくてもいいわけですが、実際には設備の良さから新築のモデルルームを見て購買意欲を高めているという側面もあるとされます。

 

これからは築後40年、50年と古いマンションがどんどん増えて来るので、耐久性や耐震性への不安から新築需要はなくならないでしょう。

 

買い替えで発生する中古の売り物

中古から新築へ住み替えるとき、元のマンションを売らずに賃貸する人もありますが、売却する人も多数あります。

 

新築マンションは供給数が少ないうえ、設備もデザインも斬新で人気ですが、価格が高いのが難点です。新築を購入できる人は、既にマンションを所有し、その売却によって自己資金を多額に捻出できる中高年層などに限られて来るかもしれません。

 

一次取得者が選択できるのは新築に較べて価格の安い中古。この潮流が強まるのは必然かもしれません。

 

優良な中古マンションも増えて来る

一方、中古マンションも2000年以降に建てられた物件には、住宅性能評価書が付く比率が増えています。これは、いわば「鑑定書」が付いた品物なので安心感が強まり、中古取引の壁のひとつが解消されることにつながります。

 

住宅性能評価書が付けば、上級のものでなくても一定の品質が第三者機関によって保証されることから安心材料となるはずです。これにより、中古取引が活発になる可能性があります。

 

また、性能面で上位の等級を狙った優良マンションも増えました。特に、耐久性や省エネ性で高い最高等級を持つ物件が増えてきたのです。 タワーマンションでは免震構造のマンションも都心中心に増加しています。

 

また、最近は所有者の管理意識が高まり、修繕積立金を増やして大規模な改修に努めるマンションも増えています。

 

さらに、リノベーションと言われる新築と変わらない姿に変身したリフォーム済み中古も増えて来ます。数は少ないものの、内装だけに目をやれば、個性的で新築マンションと比べても見劣りしない物件も増えています。

リノベーションの実例を見る機会が増えたことが、中古マンションへの期待を高めている側面もあります。

 

以上のような時代の潮流を見て来ると、今後は新築にこだわらない人が増えて来るに違いないと予測できそうです。「マンション購入と言えば中古が当たり前」の時代が来るかもしれません。

 

マンションの資産価値に影響を与えるファクターを調べていると、そこには市況の変化が大きく作用することが分かって来ます。

建物は経年で劣化して行くのに、中古マンションの価格は市況によって購入時の価格を上回ることになる、そんな例は少なくありません。

 

地域格差や管理状態、物件規模、立地条件などが価格(資産価値)に影響するのですが、このうち一番の影響力を持つのが立地です。それ以上に大きいのは「市況」です。

そこで、次はマンション市場にスポットを当て、資産価値との関係を見ることにします。

 

市況で変わる価格

地域相場が大きく上昇して、地域内の中古物件が一斉に値上がりし、みんなで喜ぶことができる時期というのがあります。特定の人気地域に留まらず東京圏全体に値上がりが拡大し、多くのマンションが高値で売れる時期がありました。最近10年ほどの潮流も同様です。

 

安いとき(相場下落期)に買って、相場の上昇期に売る、株の世界で言えば「底で買い天井で売る」のが理想的な売買のタイミングと言えます。しかし、現実は高騰期に買い低迷期(下落期)に売るという悪いタイミングでの売買になってしまう人も少なくないのです。

 

自宅マンションの売買の時期はライフステージと密接な関係があるからで、株式売買とは根本的な目的が違うのですから仕方ないとも言えます。

 

昨今は逆で、購入を検討している人からの依頼で調査してみると、所有者には失礼な言い方ですが、10年を経て購入価格から10%以上も高値になってしまったのは、物件が特別に優良なわけではなく市況のおかげなのだと分析するほかないことが少なくないのです。

 

マンションで儲ける秘訣「需要と供給の関係に着目する」

「住んでみたい街・駅」のランキングで毎年上位にランクされる人気を誇る街では、新築マンションの開発が難しく、たまに出ても国道沿いであったり駅から10分以上も歩くような立地であったりで、条件の良い物件が殆ど販売されないため、これが中古相場の下支えになっています。

 

更には、中古の売り物が出ても1DK、2DKといったコンパクトタイプしかなく、駅近のファミリータイプは半年に1件出て来るかどうかというほど貴重なものと化し、そのために築後20年を経ても、条件が良くない新築物件の価格と変わらない高値で買い手が付いてしまう例が多数見られます。

 

モノの値段は需要と供給の関係で決まるものです。その時々の需給バランスでレベルに数値の変動はあるものの、マンションも同様です。

 

人気のあるエリア・駅・街には多くの需要があり、対して新規供給がなく、人気の街から出て行く人は少ないので中古の売り物も少ない、従って価格は下がりにくいという構図ができあがるのです。

 

以上から、良い立地を選択することと、可能な限り良い市況下で売買することがマンションで儲ける(損しない)秘訣と気付きます。

 

今後、中古は値下がりしにくくなる?

ここにマクロ的なファクターを入れて再度考えてみると、重要なことが分かってきます。マクロ的という意味は、人気の街・駅に留まらず、東京圏では全般的に中古相場が下がりにくい状況が出て来そうだという話です。

全般と言っても、例外的な地域もあるのですが、大まかには全体的にと言って過言ではありません。

 

勿論、相場の上昇や下落の局面での細かな上下動はあるのですが、長期的に見れば東京圏のマンションは値下がりしにくいことになって来そうです。その理由を整理するとこうです。

 

新築マンションの供給戸数の推移を見てみると、今から10年ほど前の供給戸数と最近4~5年のそれとを比べて大きな変化が見られます。本稿の冒頭で紹介した首都圏全体の戸数推移とは別に、東京23のデータを見てみましょう。各年の戸数は新築マンションの発売戸数です。

 

15、6年前、すなわち2004年、2005年は、39,147戸、31,025戸と2年間の平均で35,086(2003年以前も年30,000戸以上)でしたが、2015年には18,472戸と2万戸を割り込み、2016年;18,833戸、2017年;16,017戸、2018年;15,957戸、2019年;13,737戸と漸減、5年間の平均は16,603でと10年前に比べて半分以下になってしまったのです。

 

これはどのような意味を持つのでしょうか?

 

15年ほど前に新築マンションを購入した人の全てが、現在買い替えのために売りに出しているわけではありませんが、説明を分かりやすくするため、敢えていえば、潜在的な売却量では年間35,000戸となり、最近購入した人の10年先は年間に16,000戸しか中古市場には出回らないと言えるわけです。

つまり、約55%も減ってしまうことになります。

 

仮にこのまま新築マンションの供給量が停滞すれば、やがて中古物件の流通量も大幅に少なくなると予測できるわけです。現実は築20年、30年の中古マンションも市場に出てくるので、全体的な量不足にはならないのですが、築浅の中古は稀有となるのです。

 

新築マンションの供給が少なければ溢れた需要はおのずと中古マンションへ向かいます。しかし、その中古の流通量も築浅に限れば大幅に減るので、中古の人気が高まり、地域差はあるものの、これまでの常識では理解できない高値の売買が成立したりもして、全体的には価格が上方に振れやすくなるはずです。

 

新築マンションの供給は低迷が続くでしょうか?

最近は上述の通り、23区に限れば16000戸余です。郊外は言わずもがなです。当分の間は低水準が続くことでしょう。

 

供給はともかく、需要はどうでしょうか? これまでと同じようなボリュームで推移するのでしょうか?

 

この点も機会を改めて詳述しなければなりませんが、30年以上先を展望したときは人口減少によって当然に需要は減ると見なければならないでしょう。しかし、20年先くらいまでなら大きな需要減少はないと考えています。しかも、都心に近いエリアほど減る率は低いと見てよいのです。

 

物件選びは慎重に

ここまでに述べたことは、新築マンションの品数が少なくなるので中古マンションが注目される時代が来たこと、その中古すら好立地では流通量が増えないこと、従って中古の売却価格は底上げされそうだということでした。

 

とはいえ、中古同士の比較の中で優劣・価格差が生まれることは変わりないのです。もっと長い目で見れば、人口の減少で需要の減退が起こり、結果的に物件格差が広がってしまうはずです。

 

買ったマンションが値下がりしにくいと聞けば楽観的な気分にもなりそうですが、やはり固有の条件をよく吟味して、より価値あるマンションを選択したいものです。月並みですが、「マンションも優勝劣敗」に色分けされると考えておかなければなりません。注意深く慎重に選択をしたいものです。

 

・・・・次は選択の仕方に関して話題を転じることにします。

 

建て売り住宅は貧相に見えるものも

マンションは区分所有権を買うものですが、感覚としては1棟の建物を買うものだと考えてみていただきます。先ず、マンションと同じくらいの予算で買える建売り住宅を想像してみてください。

 

首都圏に限りませんが、マンション並みの価格で買える大都市の建売住宅は木造で3階建てが多いようです。昔は3階建てが許可されなかったのですが、いつからだったか、規制が緩和され可能になりました。そのおかげで狭い敷地でも容積率制限の範囲で大きな家が建てられるようになったというわけです。

 

そんなことから、東京都内には敷地面積が75㎡と狭小でも建物面積が100㎡ほどの建て売り住宅が分譲されています。1階はガレージと玄関、2階と3階が居住スペースという構成が一般的です。このような建て売り住宅の外観をイメージできるでしょうか?

 

現在分譲中のものでなくても、狭小敷地の建て売りらしき一戸建て住宅をどこかでご覧になったことがあると思います。その種の住宅は、似たようなデザインで数軒並んで建っています。いかにも安普請の家という印象であることも多いものです。

 

その外観を見て、恰好いいとも高級とも感じる人は少ないはずです。それでも、一戸建てにこだわる人は間取りや設備に惚れこんで、あるいは管理費等がかからない、駐車場の使用料もいらないから得だと思って購入するのでしょうか?

 

筆者の知人で自営業のXさんは、家族が5人と多いので、どうしても4LDKが欲しいと建売住宅を見つけて買ったのですが、希望のエリアでは予算的に難しかったらしく、立地条件を妥協し、かつ狭小敷地の3階建てになりました。

 

小さな家であることは知っていましたが、竣工写真集を見て筆者は絶句してしまいました。同じような家が並ぶことも想像していましたが、敷地ギリギリに建っているので、窓を開けると、隣の家に飛び移ることができそうなこと、握手ができそうな間隔しかないことに言葉がなかったのです。

 

マンションは豪邸のようなものだ

一戸建ては、文字通り1軒を全体像として見る形になります。その点、マンションは1住戸の全体像は隠れます。代わって、百戸なら百戸、50階建てのタワーなら50階のタワー全体が我が家として浮かび上がります。

 

共用玄関、ロビーやラウンジ、エレベーターも我が家の一部です。3階の端の1室が我が家であっても、50階のタワーマンションが我が家でもあるのです。最上階には展望ラウンジがあるかもしれませんし、2階にはゲストルームがあるかもしれません。これらも、我が家の一部です。

 

3階建ての小規模な低層マンションでも、周囲の一戸建てと比べればその規模は数倍、いや10倍の大きさかもしれません。圧倒する大きさは、まさに豪邸です。

 

自分の家、それはイメージ的、感覚的に言えば「マンション全体の姿」を表わすのです。意識しているかいないかをは別としたら、マンションは1住戸の広さや間取り、階数を選択しているようでも、実は全体像を見ながら選んでいるものです。

 

売りに出したとき見学者の反応は外観から始まる

仲介業者に案内されて買い手候補が我が家にやって来る姿を想像してみましょう。

 

家に近づいて来ます。営業マンは、「あれが今回の物件です」と見え始めた外観を遠くから指さすことでしょう。そのとき、いかにも立派な姿なのか、ありきたりの外観なのか、はたまた賃貸マンションと変わらないような貧相なデザインなのかなどが評価されそうです。

 

現地待ち合わせの場合も、インターネットの物件紹介WEBを見ているので、ある程度は想像していても、目標をみつけたとき「すごい」と感激するか「えっ、これなの」と落胆するか、最初の感想は「外観に関して」です。

 

共用玄関に着きました。エントランスの豪華さに驚くのか、さらに、御影石の床やシンボリックなモニュメント、高価そうなソファやチェア、エントランスホールを目にして感動を呼ぶのか、それとも飾り気もなく広さも最低限度の機能本位のエントランスとロビーなのかなどが評価されることでしょう。

 

このような検証を様々な角度からして行くと、マンションは全体を見て良し悪しが判定されてしまう一面が確かにあるのです。

 

マンションの価値は外観・玄関デザインでも変動する

マンションの価値を決める要素は、立地条件ほか数点ありますが、そのひとつに「外観・玄関デザイン」が含まれることを忘れてはなりません。

 

平たく言いましょう。日本人は物を買うとき、機能性を外すことはありませんが、同時にデザイン性も条件に含めています。つまり、色が良いとか形がいい、恰好いい、個性的だといったような心理・感情を購買の決め手にしているのです。これは、マンションにも当てはまります。

 

戦後、家が足りなかった時代は雨露がしのげるだけで国民の多くは満足でしたが、次第に欲求の水準は上昇し、2DKの公団住宅が文化的な生活の標準形となり、その後は借家生活を脱出して持ち家を志向するようになりました。

 

国は住宅政策の根幹に「持ち家」を掲げ、住宅金融公庫を創設して低利の長期ローンを利用できるようにしたこともあって、サラリーマンの多くがマイホーム取得を夢ではなく現実のものとしました。

 

地価の高騰が庭付きマイホームの夢を遠ざけましたが、マンションが代わりを務めるように変化して来ました。首都圏でマイホームと言えばマンションのことと言って過言ではないのです。

 

マンションが多数供給されるようになると、デベロッパーは互いに顧客獲得(販売)のために知恵を絞るようになります。買い手も、雨露が凌げれば十分などとは考えません。高い品質、高い利便性を求めるようになりました。

 

住宅設備機器を作るメーカーも次々と新製品を開発し、設計士やゼネコン、マンションデベロッパーに売り込みました。建築家と言われる人たちも、魅力あるデザインや間取りなどを研究したのです。

 

似たようなものが増えると、デベロッパーの中には共用部の充実を図るようになったり、管理サービスで特徴を打ち出したりする企業が現れました。

 

こうして、マンションは進化してきましたが、機能に大きな差がなくなったので、差別化の究極はデザインと考えるようになりました。

 

「あれが我が家です」と知人に示す場面があるとしたら、奥ゆかしい日本人は、「どうだ、俺の家は立派だろう。恰好いいだろう。すごいだろう」などの自慢の言葉を押し殺します。

 

そのような外観や玄関やロビー、ラウンジなどを持つマンションは売却の際に見学者を感動させ、購買意欲を高めます。その結果、価格が強含みとなります。

 

マンション購入者は、何となく全体像を見て買っているのだとしたら、ここを意識して選択しておけば有利に売却することができるということでもあります。

 

外カン・玄カン・空カンに注目

 

外観・玄関・空間が大事と教わりました。

外観デザインの良いものと言っても、抽象的で分からないという声をよく耳にします。確かに、タワーの場合、中低層の場合などでも違いますし、説明は難しいのですが、感覚的に「格好いい」「独創的・個性的」「美術館みたい」「重厚感がある」「お洒落」「品がいい」といった感想を持てるかどうかと自問してみることが大事です。

 

外観の一部である玄関の形も大事です。豪邸は立派な門構えを持っています。マンションでも、ゲート付きがありますし、キャノピー(てんがい=天蓋)を設け、車寄せとしているものが立派に見えます。玄関ドアは3メートルもの高さがあり、それを開けて中に入ると、天井も高く広々としたエントランスホールが迎えてくれる、そんなマンションがいいのです。

 

空間というのは、建物が建っていないオープンスペースのことですが、そこがどのようにデザインされているかも重要です。プライベートな庭園、キッズ用の広場、花壇などが美しく配置されているかどうか、機械式駐車場が武骨な姿をさらけ出していないかといった視点でチェックしましょう。

 

特に、中高木に注目しましょう。草花と違い、経年で木は育ち古いマンションが美化されるからです。

 

デザイン性の高さを見る目を養うには

デザイン性が高いとか低いというのは抽象的で分かりにくいものです。格好いいとか高級感があるといった表現も、個人差があります。目の肥えた人は評価が厳しく「普通」と感じ、初めての購入者・見学者は感嘆の声を思わず発するということがあるかもしれません。

 

問題は、他人がどう思うかにあります。自分は「素敵」と思って買ったのに、売るときに見学者の大半が「陳腐だな」とか、「普通だな」の印象を持たれるようでは買ってくれないでしょう。

 

高いデザイン性を誇るマンションかどうかを見る目を養うには、日ごろから多数のマンションを見て比較する意識が必要です。外から見るだけですから、許可も予約も要りません。新築のモデルルームを見るより、完成マンションの外観を見て歩くことをお勧めします。

 

現住所の周りを歩くのではなく、高級住宅街に行き、大規模マンション、中低層マンションと種類を変えて見学しましょう。そして、全体と玄関周りを写真におさめてみましょう。

 

マンションのモデルルーム巡りが趣味みたいにしている人がいますが、間取りや設備機器、インテリアばかり見ているようでは、マンションの本当の価値を見誤ります。是非、完成したマンションの撮影を趣味にしましょう。

 

なお、「空間」のところで述べた経年で美化されたマンションとは言い換えると「高木が育ち、マンションの外壁を覆いつくすようなイメージのマンション」ですが、こうしたマンションも高級住宅街にはよく見かけます。ご覧になるといいでしょう。

 

田園都市線や小田急線の沿線の郊外にもありますが、東京23区なら世田谷区や目黒区、杉並区などに多く見られます。わざわざ見に行くのは面倒という人に筆者がお勧めするのは、玄関も外観も併せて見てためになる「広尾ガーデンヒルズ」と「広尾ガーデンヒルズフォレスト」です。

 

二つの物件は地続きの大型マンションなので、時間を作ってでも見て欲しい物件です。近くには、別の高級マンション「麻布霞町マンション」もあるので、ついでに回るといいですね。

 

タワーマンションでしたら、林立している山手線の大崎駅が効率的です。豊洲駅もよろしいかと思います。

 

営業マンがささやく「希少価値が高い」という甘言

宝石の世界では、何千万円もする指輪などがあると聞きます。世界に二つとない輝きを持つ美しい宝石だからこその値段なのでしょう。車でも、日本国内に3台しか存在しない1億円の高級車があると聞いたことがあります。

 

有名画家の絵画が数十億円で落札されたなどというニュースもたまに耳に入って来ます。

 

このように、世界に二つとないレアな資産、手作りの宝飾品、工芸品、芸術作品、骨とう品は高い価値を持ちます。

 

マンションは、1戸1戸が二つとない資産ではあるのですが、残念ながら「世界でただひとつの輝き」を放っているわけではありません。希少価値が高いマンションというのは、尺度が違うようです。

 

とまれ、マンション販売の広告に目をやると、例えば「〇〇地区では駅3分以内の物件は過去10年間で僅か〇〇%だけです」とか、「〇〇地区で〇〇公園に面するマンションは初です」などといった見出しを発見します。

 

担当の営業マンも、「真正面に東京タワーが見えるマンションは今どこにもありません」や「天井高が2.7mという住戸は、30階から上です」、「隅田川テラスと、その向こうの隅田川に直接面するのは本物件だけです」などとアピールしています。

 

これらの広告と説明にはウソはありません。それを聞いた買い手は「希少価値があるということだね」と確認し、勝手に「つまり値打ちがある」と思いこむのです。「希少価値=高い価値=将来も良い値で売れる」という心の動きになるのは自然です。

 

私たちは「希少価値」という言葉に弱いのかもしれません。本当に希少な物件は価値があり、当然高値で取り引きが成立することを知っているからです。

 

しかし、その希少の程度が問題です。よく調べてみると意外に多い場合もありますし、希少であることは間違いではないが、だからどうなのという疑問もあるようです。

 

東京でひとつか?狭い街でひとつか?

希少価値があるかないかは、分母が大きいか小さいかによって判断されるのではないでしょうか?

 

タワーマンションが出始めの頃は、タワーマンション自体が希少価値あるものでした。眺望がどうであれ、タワーマンションに住むことは希少価値のある資産を手に入れることに等しかったのです。

 

駅に直結のマンションの希少価値が高いのは間違いないと思いますが、大阪市の地下鉄「中津」という駅には「直結マンション」が3つもあります。地下から直結しているのです。東京でも有楽町線の「東池袋駅」に確か3つのタワーマンションがあったはずです。

 

しかし、駅直結マンションは何千とある首都圏の駅の中では数えるほどしか無いので、大きな分母、小さな分子という構図になるのは確かです。

 

駅直結マンションは傘なしでアプローチできるものと、傘は要るが信号なしのペデストリアンデッキを渡ってアプローチできるものがあり、どちらも希少価値が高いマンションと言えます。

 

過去の物件すべてが比較対象か?

「東南の角、かつルーフテラス付き住戸」も、「東北の角、北にルーフテラス付き」も希少価値は高いが、前者は特に希少・・・10mのワイドスパンで、南に3室並ぶ間取り。これも希少価値が高い・・・角部屋で、玄関前は専用ポーチになっていて、しかも門扉付きである。これはプライバシー性の高い希少な間取りである・・・駅に近いうえに閑静で自然が残る立地条件のマンション。距離と環境の良さが両立するマンションは希少価値が高い・・・駅前にそびえるタワーマンション。この駅では唯一のもの。つまり希少価値が高い。

 

例を挙げて行くとキリはありませんが、これら希少価値を考えるとき、販売中のマンションと比較するだけでは足りません。過去の中古マンションも含めて希少かどうかと思いを巡らすことが大事です。

 

そのような物件は過去に遡れば沢山あるかもしれません。あとにも先にも「こんな物件はありません」と言えるならば、ダイヤモンドの輝きを放ち続けることでしょう。

 

しかし、それほどの希少性ある物件は少ないものですが、それを判断するための情報収集をどうするかが課題です。ひとつの方法は「近くを散歩してみること」です。

 

例えば、駅から2分と近い物件の場合、歩いてみると3分圏内に多数あることに気付いたりします。駅から10分超の物件ばかりという駅では、駅1分の物件は希少価値が間違いなく高いでしょう。

 

もうひとつは空から街を眺めることです。近くに見渡せる高い建物がないときは、グーグルマップで空撮写真を使えばいいのです。

 

誤解のないように補足しておきますが、過去のすべてのマンションが比較対象になるわけではありません。リセールするとき、見学にやって来る人は、築年数で大きく差がある物件は対象にしないからです。例えば築10年で売るという場合、築30年のマンションは競争相手にはならないと見てよいでしょう。

 

希少価値の高さを帳消しにする要素に気付きたい

希少価値が高いのは間違いないとしても、折角の条件が別の条件によって帳消しになってしまう場合もあります。

 

駅に3分と近く便利な物件、その駅で徒歩5分圏のマンションはひとつしかないとしても、真横を高速道路が走っているという場合などは、プラスがマイナスで消えてしまうのです。

 

駅から徒歩圏にあって閑静な住宅街。しかも高台になっているので見晴らしはよく、夜景も奇麗というロケーション。このような物件は確かに希少価値が高いと言えます。

ところが、高台にあるマンションのアプローチは急勾配である場合が多く、シニアにとってはつらい、ベビーカーを使う子育て世帯にもつらいので、これが価値を相殺するのです。

 

東南の角住戸でルーフテラス付き、しかもワイドスパンの素晴らしい間取りという物件は確かに希少価値が高いですが、その駅が乗降だけの駅で、駅の周りには何もないという信じられないような駅。23区内でも現実に存在します。

このような「駅力のなさ」は、折角の希少性を帳消しにしてしまうのです。

素晴らしい間取りではあるが、立地が〇〇ではねえ!というわけです。

 

駅に近く、ブランドマンションなので希少価値があると思った。駅に近いし、バルコニー方向は低層住居専用地域なので高い建物は建たないから希少価値が高いと思うetc.

 

このような見学感想を添えた評価依頼が届くとき、筆者は感じます。「一理はあるが、思い込みが強い」「間違いはないが、その希少価値はさほどのものではない」、「正しいが、その見方の前に大事なことがある」と。

 

高過ぎる価格が希少価値を活かしきれない

誰が見ても希少価値の高いマンション。当然価格も高いことは受容できますが、問題は「高過ぎないか」という点にあります。

 

駅が動かない限り、駅前の何十階かのタワーマンションはランドマーク足る希少価値となりましょう。現に、そのような物件を買った人は大喜びです。10年経ちました。売ろうと思って仲介業者に査定をお願いしました。最近の中古相場はかなり高いと聞いたからです。

 

ところが全く値動きはありません。業者に言わせると、このマンションも最近5年で20%も上がったというのです。しかし、筆者の調査は5年前の中古価格が安かっただけのことでした。

 

10年前の新築価格を当然知っているオーナーさんは、買った価格と比べて全く上がっていないことに落胆したそうです。

 

このような事例は案外多いのです。ただ、このような価値あるマンションは、その後も持ち続けたとして値下がりはしにくいことを付け加えておきます。

 

10年後のリセール。損益分岐点は20%

高い時期だけに、今マンションを買おうとしている人たちから筆者に届くご相談・ご注文の多くは、10年先の「リセールバリュー」を知りたいというものです。

 

毎日何件も書いて「レポート」をお送りしているのですが、お答えを出すためには様々な視点から調査をする必要があります。大別すると次のような項目になります。

 

*ご依頼物件の価値判断を行うための近隣物件調査(概要と販売状況など)

*ご依頼物件の概要の把握(交通・環境・建物規模・グレード・間取り・共用部・管理)

*ミクロ市場(ご依頼物件の地域)の供給状況

*ミクロ市場の需要ボリュームなど

 

そして、10年後の市場予測のもと、当該物件の価値が市場でどのような位置づけになるか、とりわけ高値掴みをしていないかどうかの視点を加えて筆者なりの結論を導きます。

 

この作業を毎日続ける中で、「共通の答え」があることに気付きます。それを紹介しましょう。

 

10年後のローン残債は75

1000万円を35年ローンで借りた場合、10年経ったときの残債務はいくらでしょうか?

金利を0.8%と1.5%で対比しながら説明します。

 

0.8%の場合:742万円・・・(毎月の返済額:27,306円)

1.5%の場合:765万円・・・(毎月の返済額:30,618円)

 

金利が高い場合は毎月の返済額が増えるので、10年後の残債は金利の安い場合とさほど変わらないことが分かります。74%か76%程度なのです。

今後の金利が大きく上昇しなければ、つまり1.5%以内に収まっていれば、10年経過で25%ほど減るということになります。

 

これには、次のような意味があります。

 

10年後に購入したマンションを売却するとしたら、25%値下がりしたとしても残債割れはないのです。これはフルローンで購入した場合ですから、仮に10%の頭金で購入した場合は、35%値下がりしても残債割れはないということになるのです。

 

できたら、手許に何百万円か残したい

頭金10%を入れた人は言いました。「次のマンションを買いたいので自宅を売却するつもり。いくらくらいで売れそうかを教えて。手許に少しでも現金が残ると嬉しい」と。

 

なるほど、では25%の値下がりで済めばどうでしょう。10%の頭金部分が残りますね。

仮に15%の値下がりで済めば20%近い現金が残ります。「え~、そうなれば嬉しい」と反応した人がある一方、「え~、15%も下がるのですか」という反応もありました。

 

いずれにせよ、分岐点は25%ということになります。ただし、マンションを売ったら、仲介業者に手数料を3%(+6万円+消費税)支払う必要がありますから、その分も計算しておく必要があります。

 

従って、ざっくりと言えば20%が目安、それ以上下がらないものが望ましいということになります。

 

10年経て買い替えをするとき、どのようなものを選ぶことになるのでしょうか?手狭になったから一部屋広いものを買いたいのだ、という場合、場所の妥協をしないとすれば予算は増や差なければならない。そう考えるのが普通です。

 

しかし、年齢が10歳加わったので住宅ローンが35年で組めないかもしれない。組めたとしても完済年齢が定年の年齢を超えるので抵抗が働く人もあるでしょう。そのため、10年先は頭金を多くして短いローンで買いたい。そのためには、10年間に貯金もできるだろうが、売却資金が多いと助かる。

 

こんなふうに考えると、値下がりはしない方が望ましい。頭金ゼロで購入しても購入額と変わらない金額で売れたらローン残債が減った分25%から仲介手数料を差し引いた22%がキャッシュして残ることになるので、買い替え資金としては有難い。そう感じるのではないかと思います。

 

自宅が値上がりするときは、買い替え先も値上がりしている

地域の妥協をしないとしたら、自分の家が高く売れる市況にあれば周囲のマンションも値上がりしているはずです。

 

そんなことを思うと、自宅が値上がりしない方がいいのではという考えも浮かぶかもしれません。残債割れはしない方がいいので値下がりしても20%以内で売れればいいと。

 

しかし、欲深い人間は次の買い物より「持っている資産の値上がりを先ずは喜ぶ」のかもしれません。

 

相場が上がっているときでも、例えば築10年の自宅を高値で売却し、買い替え先に築20年を選べば予算の大幅上昇を抑えることもできるかもしれません。

 

また、10年後に役職が一段も二段も上がって所得が増え、ローンを短く組んでも毎月の負担感は大きくないかもしれません。

 

場合によっては、少し場所を移動して安いマンションを探すことができるかもしれません。安く買える場所で買えば、将来の資産価値の上昇は期待できないかもしれませんが、その先は夫婦二人だけなので、もう値上がりはしなくていい。いざというときもローンが残っていないはずで、半分になってしまうようなことさえなければいい。こんな考えも生まれるでしょう。

 

つまり、先のことはわからないので、今の家が値崩れさえしなければいい。できたら値上がりして、手許に大きなキャッシュが残るのが望ましい。こう考えでも不思議ではありません。

 

100120なり150なりになってくれたら望外の喜びだが、少しなら値下がりしても構わない。その分岐点は20%である。このような結論になって来そうです

 

さあ、あなたが選ぼうとしているマンションの将来価値はいくらになりそうか。その研究をしてみましょう。

 

・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は三井健太のマンション相談室までお気軽にどうぞ。

 

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