第89回「賃貸に住むよりは安い」だけで買っていいの?

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毎月のローン返済と同レベルの賃貸(分譲貸し)マンションとの比較をしたら大差ないので、それだったら購入した方がトクではないかと思うに至ったのですが、この判断は正しいでしょうか? このようなお尋ねは以前からよくありましたが、最近なぜか続けて届いたので、ご要望は多いと見てBLOGでも取り上げることにしました。

 

●賃貸マンションを探すと驚かされる高い家賃

子供ができて手狭になったので広い家に住み替えようと考えて探したが、そもそも広い賃貸住宅が少ないこと、やっと見つけたものの、家賃が恐ろしく高いことに気付き、こんなに高い家賃を払わなければならないのなら買った方がトクではないか。そう考えてマンション探しを始めたという人は結構いるのではないかと思うのです。

 

筆者に届くご相談の中だけでも20%は下らないと断定できるからです。

 

場所によっても差がありますし、頭金の多寡によっても差があるのですが、住宅ローンの返済額に管理費と修繕積立金を加えても家賃と変わらないか、むしろ家賃より安いという例も少なくないのです。

 

蛇足ですが、そうなるのは住宅ローンの金利が史上最低の水準であることに加えてローン種別が「変動型」だからというケースが多いようです。営業マンは「こんなに負担が軽い。だから買いましょう」と言いたいために最も金利の低い変動ローンで計算してみせるのが常套手段です。

 

ともあれ、毎月の住居費が過大でないならば、基本的には「賃貸より購入」をお勧めしたい筆者ですが、多くの読者が気付いていらっしゃるように、売却のときに残債割れしないかという視点が重要です。

 

●金利の差は大きい

変動型で借りても、金利上昇がなければ固定型より間違いなくお得ですが、将来のことは誰にも分かりません。

 

35年返済で借りて、15年後にどのくらいの残債になるのか、また、15年間の金利はどのくらいになるかを見てみましょう。借入金額は4000万円とします。

 

①金利0.65%の変動型で10年後に1.0%に上がった場合

毎月の返済額:106,507円(11年目から111,116円)

15年間の元利合計:約1940万円

15年間の金利合計:約350万円

15年後の残債:約2400万円

 

②当初金利0.8%の10年固定、以降が変動で1.0%になった場合

毎月の返済額:109,224円(11年目から111,891円)

15年間の元利合計:約1980万円

15年間の金利合計:約410万円

15年後の残債:約2430万円

 

③35年固定の1.12%で借りた場合

毎月の返済額:115,165円

15年間の元利合計:約2073万円

15年間の金利合計:約540万円

15年後の残債:約2470万円

 

金利上昇があっても、上記程度ならどのローンを使っても大きな差はなさそうです。残債の額も2400万円台ですし、毎月返済の差も1万円以内、15年間のトータル返済額、トータルの金利払いも、見ようによっては小さな差異です。

 

しかし、将来金利が2%くらいになれば差は大きくなります。金利が高くなると、毎月の返済額も増えますが、その中に占める金利分(元利均等払いにおける元金と金利の割合)が増え、元金が少なくなります。元金が少なくなると、毎月の返済は極端に言えば金利ばかりになるので、元金は中々減って行かないのです。

 

上記試算は、15年後の残債で70万円差(2400万円と2470万円)ですが、金利次第で残債が2500万円を超え、3000万円も残っていたなどということがないとは言えません。

 

 

●残債割れしないだけでなく買い替え資金をしっかり残したい

大昔のように、住宅ローン金利が5%以上になると考えている人は多分いないと思いますが、としたら、上記試算でお分かりのように15年後時点では60%くらいに減る(4000万円が2400万円に)と見ても危険な考えではないのかもしれません。

 

とすると、頭金を10%用意して購入すれば、購入マンションが半分に値下がりしても残債割れはしないことになります。しかし、できたら売却後の手残りとして頭金以上のキャッシュを残したい。そう考える人は多いのです。

 

このような考え方は欲張りでも何でもなく自然な欲求であり、一般的なものです。筆者が提供する「将来価格の予測サービス」は、ずばりその要望(手残りがどのくらいになるか)にお応えしようというものでもあるのです。

 

最近ご依頼が増えているのは、今が高値のときだからです。最近4年間は建築費上昇・地価上昇の影響を受けてマンション価格は急騰し、多少の差はあっても全ての物件が高値になってしまい、誰もが高値掴みを強いられてしまう時期に当たっているからです。

底値のような時期に購入した物件なら、次の上がり相場のときに売れば、平凡な物件でも値上がり益を得ることができます。

最近の売却者で2005年ころに購入した人は、購入価格より高く売れて喜んだことでしょうし、2012年ころ(今回の上がり相場の前夜)に購入した人も、4年後の2016年に売却した人は20%も高く売れて(5000万円が6000万円になって)ホクホクだったはずです。

 

しかし、これから買う人は反対になるリスクが高いのです。売却時期によっては誰もが損をします。しかも物件固有の格差が出ます。5000万円で買って4500万円になる物件もあれば、4000万円で買ったが2000万円になってしまう物件など、その差は非常に大きいのです。

 

仮に頭金を1000万円、ローン4000万円の資金で購入し、例えば10年後にローン残債が3000万円であるときに、手数料差し引き3000万円で売却できたら残債割れはなくてすみますが、手許には1銭も残らないことになります・・・(A)

 

反対に、頭金500万円、ローン4500万円で購入した人が売却したとき、売値4500万円でローン残債3500万円なら手許には1000万円も残ります・・・(B)

 

AとBのようなケースは現実に起こり得るのです。それゆえに、物件選択は慎重を期さなければなりません。

 

マンションの将来価値は、物件固有の差異、すなわち、立地条件、建物規模、外観・玄関・空間デザイン及び共用部分のプラン、間取りや内装、設備など専有部分と共用の設備、ブランド、管理体制とメンテナンスで変わってきます。

 

さらに付け加えると、売却時の需給バランスはどうか、購入価格が高過ぎていないか、反対に割安に買えたかなども左右します。

 

こうした点を踏まえて判断して行くことが今は特に重要です。繰り返しますが、みんなで喜べる時代ではないからです。

 

 

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・・・・・・・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。

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