価格は上がっているのに、売れない。滞留日数の悪化が示すマンション市場の違和感を、不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」で3月に取り上げたデータから読み解く。
目次
新築
首都圏新築分譲マンション市場動向(2026年2月)
「高すぎる」は感覚ではない。23区新築は過半が1億円超。ここで重要なのは需給ではなく供給構造だ。
建築費上昇と用地制約により、安い住戸が“作れない”。
価格は市場の結果ではなく、前提条件として固定され始めている。
新築マンション供給ランキング(2025年)
ランキングは錯覚を生む。見るべきは順位ではなく「誰が供給を維持しているか」だ。
上位数社への集中が進み、供給は構造的に細っている。
供給が限られる以上、価格が下がる前提は崩れている。
中古
首都圏中古マンション市場動向(2026年2月)
数字だけ見れば強い市場だ。価格上昇・成約増・在庫減。
ただし都心3区だけは在庫が反転した。
市場全体は強いが、一部で“売れ方”が変わり始めている。
中古マンション市場―在庫・滞留・価格改定から読む湾岸と都心
今月の核心はここだ。滞留日数が伸びている。
江東区2LDK+17日、港区3LDK+20日。
これは売れ残りではない。売り手の期待価格に対し、買い手が追いついていない状態だ。
価格は維持される一方で、流動性は確実に低下している。
新築vs中古、単価推移の全体像【東京23区】
新築と中古の差は拡大を続ける。この差が中古価格を押し上げてきた。
ただし今は違う。
価格差は維持されたまま、取引のスピードだけが落ちている。
“高いまま動かない”市場が現れ始めた。
新築vs中古、単価推移の全体像【神奈川・埼玉・千葉】
神奈川では単価差が約58万円/㎡。70㎡で約4,000万円の差だ。
この乖離はエリア外への需要流出を生む。
一方で、東京内部では価格調整が遅れる。
エリア間で“調整速度の差”が広がっている。
ほか
新築マンションは誰が・いつ買っているのか
購入層は明確に上方シフトしている。年収800万円未満は縮小し、1,200万円以上は回答者ベースで32.7%(2025年)。
平均購入価格の上昇と歩調を合わせ、参入できる層そのものが絞られている。
買える人だけが市場に残る構造が強まっている。
新築マンション購入の自己資金は増えているのか減っているのか
自己資金は二極化が進む。低資金層(0%+5%未満)は44.0%、一方で全額キャッシュは11.3%。
借入依存層と高資金層が同時に存在する構造だ。
価格が維持される一方で、取引の成立は選別的になる。流動性低下の背景はここにある。
マンション建築費はどこまで上がったのか
価格の前にコストを見るべきだ。建築費は下がっていない。むしろ再加速している。
供給制約は解消しておらず、価格の下支え要因は続く。
新築価格の“下がらなさ”はここにある。
晴海フラッグ転売市場に何が起きているのか
価格下落と断定できる局面ではない。ただし、売り手の期待値は確実に調整されている。
「すぐ売れる前提」に変化が見え始めた市場の一例だ。
では、また来月!






















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