第68回 野村証券は野村不動産を譲渡しない?

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このブログはマンション業界OBが業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月510の日に投稿しています

 

 

先週、日本郵政が野村不動産ホールディングスを買収するという報道がありました。マンション業界では、少なからず業界関係者と野村不動産のマンション購入者を驚かせたようです。

 

新聞報道によれば、野村不動産ホールディングスの時価総額は約4000億円。この株式の一部あるいは全部を日本郵政が取得し、不動産開発事業を加速させる狙いがあると見られています。

 

日本経済新聞社の記事によると、日本郵政は土地保有額の上場企業ランキングで6位に入っています。しかも、郵便局などの土地建物は、鉄道のターミナル駅近くにある場合が多く、都心の一等地の不動産を有効活用できれば収益性を高めることができます。

 

東京駅の前にあった東京中央郵便局を再開発し、今は大型商業施設・JPタワーとなっていますから、あれと同じように保有不動産の有効活用を全国各地で進めるために、野村不動産の買収を検討しているというニュースでした。

 

詳細をここでトレースはしませんが、この報道で感じた筆者の所感を述べることにします。

 

●買収相手がなぜ野村なのか?

不動産開発や不動産投資事業は、郵便事業や金融業とは全く異なるノウハウが必要です。社内で人材を育てるより、不動産会社を買収する方が手っ取り早いと考えても不思議ではありませんが、相手は野村でなくてもいいわけです。なぜ野村不動産に白羽の矢を立てたのでしょうか?他にも候補企業はあったのでは?

 

買収しなくても、資本提携という形ではダメなのか?日本郵政としての売り上げと利益の獲得を狙う方法はいくつもあるはずと思うのですが、謎は深いです。

 

●親会社は野村不動産を手放すだろうか?

 

この話は、ひょっとして、野村不動産の親会社・野村証券と日本郵政の間で水面下の交渉が進んでいて、それが情報漏れしてしまったのでしょうか?

 

何であるにせよ、野村証券が傘下の優良会社を手放す理由が分かりません。

 

ちなみに、野村不動産が427日に発表した「決算短信」によれば、「2017年3月期の連結業績は、売上高が5,696億円(2016年3月期比0.0%増)、営業利益 772億円(同4.5%減)、経常利益が689億円(同5.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が470億円(同0.4%減)となりました。住宅分譲事業において、販売住戸の平均価格が上昇した一方で、マンションと一戸建てを合わせた計上戸数が 5,567 戸(2016 年3月期比 439 戸減)となりました。なお、2018 年3月期の計上戸数は 6,000 戸を予定しております」とあります。

 

前年度比では若干の減益のようですが、経営不振のかけらも見られない決算内容ですし、日本郵政の持つ資産を活用して開発事業を進めて行くことに魅力を感じたとしても、その見返りに買収に応じるとは思えません。

 

筆者はM&Aに無知なので、憶測すらもできませんが、野村証券(正確には野村ホールディングス)が野村不動産を譲渡するとは思えないのです。

 

村が日本郵便の傘下に入ったら「プラウド」はどうなる?

野村不動産のマンションブランドは、「プラウド」と「オハナ」の2種ですが、これを購入した顧客は、このニュースを聞いて心配になった人も少なくないようです。

 

何が心配なのでしょうか? 一般に、マンション購入者が売主(分譲主)に求めるものは、ブランド価値です。買ったマンションが安全であるとか品質に間違いないとか、高級品を買ったとか思いたいのです。もっと言えば、世間が認める価値あるマンションを買えたことに優越感を持ちたいのです。

 

簡単に言えば、「高級マンションに住んでいるんだね」と羨望の目で見られたい、言い換えると「世間の賞賛を浴びたい」という深層心理がブランドを求めるのです。

 

「安物を買ったと思われたくない」「一流品に囲まれて暮らしたい」。どうせなら、ブランド価値の高いマンションを買いたい人が多いというわけです。

 

筆者にお寄せ下さる「マンション評価サービス」のお申し込みメールには、「選んだ理由」と「気になる点」が書かれていますが、その何割かに「ブランド力がない」ことを気にする書き込みがあります。、「立地もプランも良いが、価格の安さが気になる。ノンブランドだが、大丈夫か」などといったご相談です。

 

ブランドマンションで、かつ条件がぴったりという物件を買えたら、満足感は大きいのです。

 

こうした買い手の心理をおもんばかると、何かの事件をきっかけにブランド価値が地に墜ちるようなことはあって欲しくないという逆説的な見方もできます。

 

201510月に発覚した横浜の傾斜マンション事件。対象物件は三井不動産レジデンシャルが分譲したものでした。大手でもこんな欠陥マンションを作るのか、そう思った人も多かったはずです。

 

この事件は、マンション業者一社だけの信用失墜では済まず、マンション業界全体の信頼も揺らいだ瞬間でした。しかし、三井不動産レジデンシャルの対応は素早く、短い時間で建て替えの決断、その間の仮住まい保証、慰謝料などをマンションオーナー(管理組合)に提示しました。

 

その対応が早かったことで、三井不動産レジデンシャルは「雨降って地固まる」のごとく、信用を保持したのです。見事なものでした。

 

 

さて、日本郵政が野村不動産を買収したら、プラウドのブランド価値は毀損してしまうでしょうか?

 

買収される会社が弱く、買収する会社が強いというものとするなら、買収される側の企業イメージは低下するでしょう。例えば、経営不振に陥ったシャープが台湾企業の傘下に入る形で延命している事実などは、その典型かもしれません。

 

幸い、今も「シャープ」という社名は残っていますが、台湾企業の傘下に収まったという事実をネガティブに捉えているステークホルダーも多いことでしょう。

 

日本企業の多くが海外企業のM&Aに熱心で、成功すれば、純利益で1兆円を超えたというソフトバンクのようにもなるわけです。反対に、日本郵政は豪州の物流企業を買収しましたが、その企業が経営不振のため、289億円の最終損失となるのだそうです。

 

脱線しましたが、企業のM&Aには買収する側と買収される側があります。どちらにもメリットがあるからこそ成立するのでしょうが、日本国内でのM&Aは「救済型」の合併や資本提携が多いというイメージがあります。

 

野村が三井や三菱と対等合併するならともかく、不動産業のイメージからははるかに遠い、マンションとは縁もゆかりもないような日本郵政の子会社になったら、野村不動産の企業イメージはどう取り繕おうとも低下するのではないか。そう心配する人も多いでしょう。

 

購入者も従業員も、一流のマンションを買い・作っていることに誇りを感じているはずです。 それが、「郵便局が作ったマンション」だとか、「マンションのマの字も知らない社長が来て経営しているデベロッパーのマンション」よりは「マンション・不動産一筋の会社」が建てた定評あるブランドマンションであり続けて欲しい。これが買い手の希望なのではないかと思うのです。

 

とはいえ、野村不動産も元は野村証券という異業種企業の傘下にあったわけです。証券から郵便に変わるだけのことと考えたら、あまり心配しなくてよいのでは?そんな気もします。

 

つまり、例え親会社が変わっても、これまで通りに、またはこれまで以上に優れたマンション開発と管理業務を通じて、多くの居住者から価値あるマンションに住む喜びと誇りを持ち続けてもらうべく努力を続けて行ってくれるでしょう。買い手は、そんな捉え方をすればいいのではないかと考えます。

 

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今後の動きに筆者も無関心ではありませんが、まあ慌てず騒がずの態度が賢明ではないでしょうか?

 

・・・・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございます

 

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