パークコート青山ザ・タワー (1)ガラス曲面に関する考察

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第9回座談会「2016年注目のマンション」でも話題にしていた南青山二丁目計画が、まさかのパークコートブランドとして発表され、その流麗な曲線がTwitterでも話題ですね。

https://twitter.com/jackysensei/status/737273949294186496

物件情報自体は公式ページのものしかないので、内容はこのたびスムログ天下一舞踏会に新規参戦される「部長」の「都心マンション倶楽部エントリ」でじゅうぶんカバーされています。
(部長、お手柔らかに)

パークコート青山ザタワーの外観デザインに言葉を失う。青山エリア、いや都心最高峰マンションの風格

布から建築へ

外観上の特徴は、これまで日本のマンションでは見られなかった、うねるような曲線ですね。「布」をイメージしています。

(略)圧倒的な確実性を求められる高層建築において、今こそ布のようなしなやかな心地よさ、そして美しさを実現する。
ガラスやコンクリートの重なりで、優美な曲線のフォルムを実現する技術。
曲線で包まれながらも、伝統的な生活様式が折衷する内部空間。
自然への憧憬、そして人と物との関係を表現する芸術。
テクノロジー、デザイン、アート、多くの才能が、互いに導き合いながら、
それぞれの曲線的進化を、この地で表現する。

公式ページに加え、このたびとある方(ここではハリー・ポッターもしくはコナン君よろしく「あのお方」とでもしておきます)からいただいた情報を加味し、そのガラス曲面に関する考察など。

あのお方

青山剛昌 名探偵コナン 67巻(小学館) FILE.8 静かなる戦い より:


公式ページでもわかるとおり、外観は全面FIX窓が採用され、さらに外周部を低いガラスが覆っています。

PLAN図を拡大してみると、外周部は”Serivece Space”となっており、住民は通常外には出られないようです。すなわち、避難経路及び室外機置き場の利用になるようです。

狭いほう(笑)の135Aの右下を拡大すると次のようになっています。

135A戸境部分

135A戸境部分(拡大)


「上部換気窓[STOP]」と、「下部非難扉(常時閉)」となっており、ほかに扉はないためサービススペースにはどうやっても出られないことがあらためて確認できます。ここが戸境部分なのに、隣の住戸との境壁もないことがわかります。この構造は、いろいろな意味で空前絶後の間取りである234Aでも同じです。

ガラスの理由

理由をあのお方からうかがったところ、目指したのは開口部の最大化とのこと。すなわち、眺望や採光に最も優れたFIX窓を採用しつつ、直射による熱や紫外線を効果的に軽減させる屋根を設けることで、Low-eガラスとの相乗効果もあり遮熱の最大化がはかられているようです。

結果として、外周のガラスは最低限の高さとし、避難路としての安全を確保しつつ、下の階から見れば屋根の役割も果たしたうえ、採光・眺望を妨げないというまったく新たな構造になっています。

このことを、上述のように「ガラスやコンクリートの重なりで、優美な曲線のフォルムを実現する技術」をもって、「曲線で包まれながらも、伝統的な生活様式が折衷する内部空間」と称しているようです。

実際、この角部屋(というのすら正しいかどうか…)、ほぼ真南を向いているので、仮にエアコンをつけっぱなしでも、通常の感覚では灼熱地獄になりそうですが、そこはじゅうぶんに考えたうえでの三井の回答がこれなのでしょうね。

床から天井まで全面FIXガラスでLow-eガラスといえば、代名詞として住友不動産のダイレクトウィンドウが想起されますが、黒っぽくて直線的という特徴もあわせもっている点で対極的にも感じられます。ダイレクトウィンドウですら、ベランダが少なく不便だったり、柱のめり込みが気になるなどの話も聞きますので、本物件ではどう処理しているか気になるところです。

と、ガラスだけで長々と語ってしまいましたが、下世話に価格も気になります。「あのお方」以外からも最低坪単価1千万円とは聞いていますので、もっとも狭い70.07平米でも軽く2億越えですね。なんでも管理費等が平米千円超えとの話もあり、通常のローンの感覚で管理費が飛んでいきそうです。

一応、資料請求はしたのですが、フォームが三井共通のため予算は~2000万から存在しました。さすがに(予算が実際あるかは別として)億よりは上にしておきましたが、最低価格にも届かない勢いです。(2)が書けるとしたら、資料を送ってもらえたときでしょうか。

ABOUTこの記事をかいた人

港区湾岸タワーマンションに在住の計算機技術者(でありたい)。 23区では同エリアしか居住経験がなく、いまも湾岸エリアで評判のMRは見に行っています。 自分の新築リノベーション経験を振り返りつつ、主に湾岸を中心に常に変化し続ける街の情報などを追うことで、次のリノベーションへのヒントを得ようという目論みです。

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