【お便り返し】ドゥトゥールに住んでます。売るか貸すか迷っています。

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こんにちは!
ふじふじ太です!

お便り返しです。

 

差出人: ドトール

メッセージ本文:

はじめまして。現在晴海のドゥトゥールに居住しております。コロナをきっかけに小職が原則在宅勤務となったことに加え、長男の誕生もあり、現住物件が手狭となったため、新たな新築マンションを購入し、来年初めを目途に引っ越しする予定です。

相談したい内容としては、現住物件(ドゥトゥール)の取り扱いです。当該物件を賃貸に供すべきか、売却すべきかで逡巡しており、アドバイスを頂ければ幸いです。関連情報は以下の通りです。

・家族構成:本人(40台前半)、妻(専業主婦/30代後半)、長男(2歳)

・年収:約3,000万円(定年は現時点では60歳)

・現住物件のローン等:2023年3月現在で約5,500万円(購入価格は約8,000万円)。尚、現在の売却相場は9,000万円代半ばと想定

・新規購入物件のローン等:7,000万円程度を想定(購入価格は約7,500万円)

・現住物件の賃貸相場:不動産会社に依ると、30万円代半ば程度とのこと

 

また、小職の認識する賃貸供与のPros/Consは以下の通りです。

・Pros:ドゥトゥールは来年を目途に駅4分表記になることに加え、新地下鉄(20年程先にはなりますが)の恩恵を受けることが想定され、将来的な資産価値の向上が見込める。

・Cons:3,000万円控除が使用できなくなり、且つ金利も上昇(投資用ローンへの切替)。また修繕積立金等も上昇するため、徐々にキャッシュフローを圧迫。将来的な不動産相場は不透明であり、現時点の利確の機会を喪失。

もちろん最終的には本人がリスクを引き受け、判断することではございますが、当方が気づいていないPros/Consや「私ならこう考える」等、何等かのアドバイスを頂戴できますと幸いです。

(※編集部追記:[掲示板] DEUX TOURS CANAL&SPA (ドゥ・トゥール)ってどうですか?

 

 

 

お便り頂き有難う御座います。
客観的に市況を観察しており素晴らしいですね。

抜け目ないというか、すでに文面からご質問者さんのレベルの高さが伝わってきます。

 

強いて言えば、ご自宅であるドゥ・トゥールをいつ購入したかの情報もあれば完璧でした!
そうすれば、譲渡所得税の金額のスケールも大体わかります。

 

ドゥトゥールで9,000万円中盤ということは、70㎡くらいでしょうか。
来年初旬引渡しの新築で7,500万円で今より広い部屋ということは、引越し先は同じく晴海のあの板状マンションですか!?

 

詮索はこのくらいにしておいて、売るべきか貸すべきかということですが、以前にも似たようなブログを書いておりますのでご参考にしてみてください。

 

 

おおまかなポイントは抑えております。

物件を売るべき?貸すべき?その判断基準は?



 

 

上記ブログの内容と一部被りますが、ご質問者さんの場合のポイントを整理すると以下の通りです。

 

 

■新規購入予定の住宅ローンに売却条件は付いていないか?

 

基本的に住宅ローンは一人につき一軒(セカンドハウスローンを除く)ということはご認識頂いているかと思いますが、投資用ローンに切り替えたとしても残債が消える訳ではありません。

ご質問者さんのご与信であれば問題はないと思いますが、今の残債を残したまま次の住宅ローンを組めるかという点は、その手続きの順序と諸条件など合わせて再度銀行にご確認頂ければと思います。

 

 

■投資用ローンの金利は何パーセントか?借り換えにかかる費用は?

 

銀行を制するものが不動産を制するとはよく言ったものです。

金利が何パーセントかによって残債の減り具合もキャッシュフローも大きく変わってきますので、非常に重要な指標です。

 

金利を安くできるなら賃貸で長期保有もありですが、金利が高いなら今売却をされた方が良いかもしれません。

認識が甘い方が多いのですが、住宅ローンと違って投資用ローンはオーダーメイドの商品です。

借り手の与信、キャッシュポジション、投資歴、銀行との取引歴はもちろんのこと、極端に言えば考え方、ライフプラン、身だしなみ、話し方によって借入額も金利も変わるものだとご理解下さい。

 

私の感覚ですが、もし目安を言うとするなら、金利が1.5%以下なら安い、1.5%~2%なら普通、2%~2.5%ならちょい高、2.5%以上なら結構高いという感覚です。

 

売るか貸すかを考える際は、ご自身が投資用ローンで何パーセントで借入できるかを見極めてから判断されることをお勧めいたします。

 

また、借り換え費用がいくらになるかも把握して試算に加えましょう。
銀行に支払う手数料や保証料だけでなく、投資用の場合は司法書士へ支払う登記費用も住宅とは違って高額になり、現在の自宅の繰り上げ返済手数料についても確認をしておくべきです。

 

 

■売った場合の譲渡所得税はいくらになるか?

 

売るか貸すかを考える際の判断基準ですが、「3,000万円特別控除を利用した場合に受けるメリットA」vs「メリットAを回収するための賃貸期間」という視点もございます。

 

もし所有期間が5年未満であれば、譲渡所得税は売却益の約40%となりますので、3,000万円控除を利用するメリットが非常に高くなります。

 

賃貸に出した場合に、年間でいくら事実上手元に残るのかという金額の概算を算出しておきましょう。

これは、「賃料ー(管理/修繕積立金+管理手数料+借入金利+固定資産税+概算修理費+所得税概算)」である程度算出できます。
※ローン元金は損金ではないので考慮しておりません。

シミュレーションをする際の鉄則は、利益は薄く、経費は重くです。

 

例えば、3,000万円特別控除のメリットが600万円で、賃貸時の年間の手残りが300万円だとしたら、2年間で回収できるという訳です。
※本当はここに借り換え費用も考慮しましょう。

 

度々私の感覚で恐縮ですが、上記のように1~2年で回収できるのであれば良いですが、回収に3年以上かかるということであれば、期間のメリットという視点で考えても今売却をして利益確定をされた方が良いかなと思います。

 

 

 

まとめ

 

と、教科書的な回答をいたしましたが、今の市況を考えると一般的には売却をお勧めする専門家が多いと思います。

マンション価格はバブル超えで高止まりしており、地政学リスクも何やらジワジワ高まってきた感じもありますので、いま利益確定をするのが無難だとは思います。

ご質問者さんはご年収的にも次の物件で住宅ローン減税は使えないでしょうし、それなら合理的にタックスメリットを活かす方法として3,000万円控除使った方が良いと。

 

ですが、私がご質問者さんの立場ならどうするかというと、あえてリスク覚悟で「賃貸ガチホ戦略」を前提に考えます。

 

ご質問者さんほどのご与信なら、ご資金にも余力があり、リスク耐性も高いのではないかと想像できるので、居住用以外でも投資用タワマンを持ってほしいなという個人的な想いです笑

タワマンの賃貸オーナーになるという人生経験にもなりますね!

 

また、今後勝どき・晴海エリアは更なる発展が期待できます。

不動産価格暴落説は根強くありますが、2024年問題で一時的なダメージはあるかもしれませんが、長期的には不動産価格は大きく下がらないと考えております。
特にドゥトゥールは晴海エリアを代表するタワーマンションですから、資産性も手堅いです。

湾岸エリアの今後のポテンシャルに賭けてみてはいかがでしょうか!?

 

 

今までの与信を活かし、金利1.5%以下で借りられる銀行をまず探しましょう。
1%前後で借りられたら万々歳ですが、ご質問者さんならいけるような気がします。
金利が1.5%より下げられるなら賃貸、だめなら売るというくらい割り切っても良いかもしれません。

 

3,000万円特別控除分が少々勿体ないのはその通りですが、ご質問を拝見する限り2~3年以内には十分回収できるような気がします。

 

注意点ですが、晴海フラ・・いや、次の物件の購入価格が7,500万円ということで非常に堅実だと思うものの、住んでみたら住みにくいとなり、やっぱり1.5億円の家に引っ越したいとなると、賃貸中のドゥトゥールが足枷になります。

オーナーチェンジで売ろうとすれば相場より5%以上下がる可能性が高いので、それであれば今相場で売って3,000万円特別控除使った方が良かったよねとなります。

ちなみに補足すると、例え賃貸に出していても、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売れば3,000万円特別控除は使えるはずなので、3年以内に売るならタックスメリットを活かせるという点でまだセーフです。
※2023年3月時点の制度のため、将来に渡り保証するものではありません。

詳しくは国税庁のHPをご覧ください
↓↓↓
こちら


貸すなら最低5年以上というイメージを持ち、その間は新規借入に制限がかかるというリスクも理解しておきましょう。


今後の生活が流動的ということであれば、売っておいた方が無難です。

 

 

 

書くか迷いましたが、住宅ローン減税を使えないご質問者さんの状況だからこそできるテクニカルな方法もひとつご紹介しておきます。

それは、定借2年半くらいで募集をして、2年半後に賃借人が退去してから速攻で居住用で売却という方法もあります。

今年の後半は募集数が増えると予想されるので、その時期をずらして売却ができ、かつ一定期間賃料ももらえて、3,000万円特別控除も使える可能性があるという「良いとこ取り」プランです。

 

3,000万円特別控除を使える余地を残しつつ、次の引越し先の住み心地を体感してから判断できるという点で、一旦2年半で区切って、2年半後の状況次第で再度売るか貸すか考えても遅くはないと思います。

ただ、これは少々テクニカルでリスクもあるので、策士策に溺れる状態にならないようにしましょう。

 

 

結局はご自身のライフプラン次第ですので、こちらの記事を参考にして頂き、後悔のないご判断をして頂ければと思います。

 

 

本日は以上となります!
ご講読頂き有難う御座いました!

 

ふじふじ太

 



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ABOUTこの記事をかいた人

不動産コンサルティングマスター。2022年MBA取得。現場で仲介営業を10年経験済。取引件数500件以上。賃貸・売買どちらにも精通。多数メディア出演経歴あり(NHKクローズアップ現代・ABEMA TV・香港TV等)。不透明な不動産取引業界を透明化させ、失敗のない購入・売却のサポートをすることが使命!マンション購入は怖くないと発信していきたい!皆さんのマンションライフを応援しています!YouTubeもやっておりますので是非ご覧下さい!

2 件のコメント

  • ドトール より:

    ご回答ありがとうございました!正論だけでなく、個人的な見解に加え、「裏技」的な考え方までご示唆いただき、大変参考になりました(過去記事も拝見致しました)。補足ではございますが、ドゥトゥールの購入は2017年夏頃でございます。
    まずは、どの程度の金利で借り換えが可能かといった点を優先して、諸々検討させて頂きます。尚、新規借入予定先からはドゥトゥールを売却する必要はない事が確認できております。
    転居先に関しては敢えてノーコメントとさせてくださいw

    • ふじふじ太 より:

      コメント頂きありがとうございます!

      参考になり良かったです!

      2017年購入ということは、すでに5年以上経過しておりますね。
      3,000万円特別控除のメリットはそれほど高くなさそうです。

      何かご不明点があればいつでもご相談お待ちしております!

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