お便り返し(69)売却前提のオプション

こんにちは、やまちゃんです。

皆さま、Chrome OS Flexってご存知でしょうか。7月に正式版がリリースされたGoogleのOSで、使わない古いPCをお持ちならサクサク動くChromebookに早変わりします。我が家で死蔵していた激遅Win8マシンでOSを書き換えたところ見事に使えるようになりました。子供にちゃんとキーボードが付いたパソコンを与えたい、などスペックを気にしない用途ならだいぶ使えますよこれ。良かったらお試しあれ!

参考:無料で使える「Chrome OS Flex」! どの程度使えるのかを試した(IT Media)

さて今日のお便り返しです。

差出人:世界のやまちゃん

36歳男性です。
現在妻との2人暮らしでシティテラス新小岩を先日契約しました。
そして最近住友不動産さんの斡旋でインテリアの商談会にいったのですが、こちらのマンションを売却前提にする時に最初からオプションで付けておいた方が良いものや(ランドリー上の吊戸)、しない方がいいもの(例えばトイレの壁紙を派手な色にする)がありましたら教えていただけますでしょうか?
あとよろしければ家具、家電をうまく購入すらこつもあれば併せて教えていただきたいです。
よろしくお願いします。

(※編集部追記:[掲示板] シティテラス新小岩ってどうですか?


ご相談ありがとうございます。回答させて頂きます。

まずはご契約おめでとうございます。これから入居まで待ち遠しいですね。

「売却前提」のオプション選びに関して私の意見について手短にお伝えしますと、
  1. 付けておいた方がいいもの → 何もしないのがベスト
  2. しない方がいいもの → 個性的にせず万人受けするよう留めておく
  3. 家具・家電をうまく購入するこつ → プロに相談を
となります。

 

(1)付けておいた方がいいもの → 何もしないのがベスト

世界のやまちゃん様が、各種オプションを付けなくとも当該住戸を契約されたように、他の方も「ランドリー上の吊戸棚が付いてないから契約しない」なんてことはまずありません。必要なら自分で付ければいいからです。

そして、住戸に初めからついている設備は特にプラス評価されません。ご自身が有料でオプションを取り付けたとしても、売却の際には「現状有姿ですでにそこにあるもの」としてゼロ評価で見られます。

今回のご相談は「売却前提」とのことですので「かけたコストに対してのリターン」という視点でお返ししますと、結論としては標準仕様のまま、必要十分な状態のままでおいておく、つまり「何もしない」が最適解だと思います。ぜんぜん面白くない答えで恐縮です。

ちなみに費用対効果の視点で言うとお金をかけるべきは時間軸で言うともっと後、いざ売却となったときです。超シンプルにリフォームしてください。部屋に入ったときのパッと見の印象は超絶大事です。その時のために、お金は取っておいてください。

居住したのち何年ほどを目処に売却を想定されているかにもよりますが、4-5年も経てばどんなに綺麗に住んでいてもさすがに使用感が出てきます。

売却に際しては最低限、壁紙の交換とフローリングのワックス塗り替えだけでもしてください。見違えるようにきれいになります。直近の施工費のインフレ状況は詳しくありませんが、壁紙の交換は70平米で30万、ワックス塗り替えは10万ほど見ておけば大丈夫かと思います。

リフォームに関しては以前に2記事書きましたので参考になれば。
売却の際にお化粧もせずに見た目が微妙なままですと、「あの部屋はあまり綺麗じゃなかったから止めておこう」「リフォームが必要だから値引きの交渉してみよう」となりがちです。つまり値下げの要因になります。

売却前提であれば「いま何を付けるか」よりも「売るときにどれだけ安上がりに美しく見せるか」の方が圧倒的に大切です。

目に入る面積が大きなものから新品にしてください。フローリング面をピカピカにして外からの光を反射させてください。内覧客の食いつきが変わります。

先にリフォームしてしまっても、もしかしたら購入した新しいオーナーさんは後から別にフルリフォームするかも知れません。勿体ないです。なのですが、高く売るための必要経費だと割り切るほかありません。だから本当に最小限でいいです。

 

(2)しない方がいいもの → 個性的にせず万人受けするよう留めておく

(1)と回答が同じになって面白くないのですが、何もしないので「しない方がいいもの」もない、最大公約数的・万人受けするプレーンな状態が良いです。全く角の立つことのない、普通オブ普通がベストです。

「トイレの壁紙を派手な色にする」みたいな事がNGなのは全くもって仰せの通りですが簡単にリフォームすれば消えるものなので大した問題ではなさそうです。

今回はフローリング色や建具色オプションの話は不要と思いますが、取替にコストがかかるものなので一応、同じ理由で色はベージュ~ブラウン系が妥当です。ホワイト系、ダーク系はダメということは全くないですが好き嫌いは出やすいです。

その昔、物件を売っていてカラーセレクトできるときの経験ですとお客さんが選ぶ割合としてはだいたい、

(a)ホワイト系:(b)ベージュ~ブラウン系:(c)ダーク系 =1:2:1

または、もう少し(b)が多いくらいかな?という割合でした。なんだかんだ、ナチュラルで無難な色が選ばれます。

 

(3)家具・家電をうまく購入するこつ → プロに相談を

これは私はあまり詳しくないのですが、家具家電を新調するならインテリアコーディネーターさんにきちんと対価を支払って相談するのが良いと思います。

いやまぁ、家具はネットで検索してかっこいい直販サイトで選ぶとか、家電量販店でまとめ買い前提でヤマダとビックカメラを競わせるとか(デベによっては量販店との提携で割引がありますね)、その程度のことしか知らなくて恐縮です。

売主のインテリアコーディネートサービスだと値の張るメーカーが多く(住友さんもそうですよね)、世界のやまちゃん様が仰せの「うまく購入するこつ」には該当しないのかなと思いました。

一方で個人で活動しているようなインテリアコーディネーターさんに相談に乗ってもらうのは選択肢の1つとして大いにありでして、

例えばですが、Houzzというサイトでコーディネーターさんを検索しますと、
  • 過去の作品ポートフォリオ(写真)をチェックできる
  • レビューが付いている(このサイトは同業者のレビューも混じっておりクライアントのレビューであることを要確認)
  • 費用感が分かる
 

こういったサービスの活用はコストを抑えながら「自分好み」のインテリアを作ってくれそうなプロを事前に調査できるのが良いと思います。

私個人の経験としましては、Houzz経由ではないですが過去手掛けた民泊物件は個人のコーディネーターさんに依頼しています。

使ってみた感想というか利点としましては、
  • 低予算でもそれに合わせて見繕ってくれる
  • 個々の家具は自分だったら絶対に選ばないが全体で見るとかっこいい
  • 使用感の良い家具を知っている(例えば「ベッドマットは絶対これ。安くてフィット感いい。ゲストからクレーム来ない」みたいのを知ってる)
  • 照明の選び方が上手い
  • 経年の汚れ、ヨレ感、古さが目立ちにくい選択も依頼できる(素材や色)
  • 家具家電の発注から搬入、設置まで全部やってくれて楽チン
 

民泊のインテリアで使っているものはエアコン・TV以外すべてコーディネーターさんに外注したもので、まぁぜんぶ安物なんですけども、限られた予算内でできるだけ様になるようお願いして出来上がったものです。参考までにだいたいの費用感(税込み)としましては、
  • 家具・インテリア・照明 80万円
  • 家電 5万円
  • 消耗品・備品等 7万円
  • コーディネート料、搬入~設置、諸経費 30万円
ベッドルーム

ベッドルーム


リビング

リビングルーム


料金体系はコーディネーターさんによって色々で、定額だったり、発注総額の○%だったり、そのミックスだったりです。

この話には続きがありまして、まるっと投げる場合は、発注後に商品の詳細なリストまでもらえると尚よしです。言わなくてももらえる人もいますし、言わないともらえない人もいます。言ってももらえなかったケースは今のところありません。

これは気に入った家具・照明やリネン類がインターネットのどの店舗で買えるのか、URL付きで知ることが目的です。

気に入ったデザインの家具や照明は、それを取り揃えているショップを見ると、あれも良い、これも良いという事がわりとあります。楽天のサイト奥底に眠っているような、到底見つけられない無名のショップだったりします。

いやまぁ、デザインがいいというだけなら探せばいくらでもありますが、そこにコスパがいい(価格が安い)、評価が高いという条件も含めると、自分で探すとなるとあまりに時間がかかって面倒くさいじゃないですか。

それをですね、本業で長くやっているコーディネーターさんの脳ミソに記録された過去履歴データをお金を出して買い取るという意味で、十分な価値があるんじゃないかと考えております。

私は業務としてやったので全部お任せしましたが、自己居住用でコーディネート料にお金をかけたくない場合は相談だけ乗ってもらって発注以降は自分でやると、フルコーディネートしてもらっても10~20万円くらいには収まるんじゃないかと思います。写真のような安物よりもっといい家具買えます。

以上となりますが、ここに書いたことは「全部新調する」話なので、そもそも世界のやまちゃん様がそのニーズがあるのかご相談文からは分かりませんでしたが、他の読者の方にも興味を持っていただける内容も意識して書いておりますので、なにとぞご容赦ください。

 

最後に

、、、とここまで書いておいて何ですが、最後に。

オプションを選ぶに際してはあまり未来の話(売却)に振らずに、今時点のご自身やご家族の満足や快適さに振った方がトータルで良いのではないかと個人的には思います。

従いまして、ランドリー上部の吊戸棚を付けるかどうかの判定などについても、他人に評価されるから付けるのではなく、自分が必要だから付けるといった主観的なものである方が良いかも知れませんね。(たぶんそういう判断基準でいらっしゃるとは思いますが)

以上、参考になっておりましたら幸いです!

 
注釈:
こちらの回答は、過去にスムログに頂いた古めの質問をピックアップさせて頂いております。記事の内容は、当方の個人的な見解・意見であり、その内容に関していかなる責を負うものではありませんので予めご了承下さい。

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ABOUTこの記事をかいた人

スムログ担当者です。その昔、某デベで新築営業した後、Web業界に転身しました。妻と子供5人(6歳双子、4歳、3歳、2歳)、7人家族の親父業をやってます。

こちらのサイトでも担当者やってます。
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