お便り返し(30)ルーフバルコニー付き物件の価値・住みやすさ

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こんばんは、やまちゃんです。

仕事ネタですが、リモートデスクトップって分かります?たま~に、遠隔のPCを手元のスマホで操作する時に使うのですが、Googleが出してるChromeリモートデスクトップが今年6月、装い新たにリリースされて使いやすくなってました。(最近知った)

少しレスポンスが遅いのですが、無料としては十分です。これまでSplashtopという秀逸な有料アプリを使ってましたが解約しました。外でPC使いたいとか、重いもの置いて出たいとか、iPadで済ませたいとか、使う場面は限られるのですが使いようによっては便利です。自分でセキュリティに穴を開けることになり注意は必要です。



さて、今回のご相談です。

差出人:にっき

いつも楽しく拝見させていただいております。
私は現在ルーフバルコニー付きの部屋を契約し入居待ちです。
景観は良いと思います。
占有面積 約70平米
バルコニー 約15平米
ルーフバルコニー 約37平米

タワーマンションにお住いの方が多いと思いますが、ルーフバルコニー付きの物件について住居としてや価値など、どのような見識があるかお聞かせ願いたいです。

ご質問ありがとうございます。回答しますね。

まずはご契約おめでとうございます。
ルーフバルコニーのあるお部屋、入居が楽しみですね^^

ルーフバルコニー付き住戸の住みやすさ

ルーフバルコニーの住居としてのメリットは、何と言っても広さの割に利用料が格安設定されていることがほとんどで、少ない負担で広い面積を利用できることですね。

ルーバル付き住戸の平米単価を今回ざっと調べたのですが、幅としては20円~50円/平米程度が多いようで、平均でだいたい40円/平米でした。例えばルーバルが40平米あったら利用料1600円/月とか、そんな感じです。(利用無料があったり、200円/平米など特別高い物件もあったりで、上下飛び抜けた数字は除外しました。)

40円/平米って、格安だと思いませんか?
まぁ、普通のバルコニーは無料ですがそれは置いておいて。

例えばですが、60平米・6000万円の物件を利回り5%で買ったとしたら家賃300万/年、月25万/月。
専有部分の「住居としての」平米賃料は4000円強です。

住戸にルーバルが付随してたとして平米利用料40円ですと言われたら、(住居用途じゃないにせよ)99%引きじゃん!って、なんか得した気分になります。

その昔ですね、毎年夏に会いに行ってた知人で、花火大会の日にルーバルで人をたくさん呼んでお酒飲む会があったんですけど、いや~楽しかったな~。

ルーバルは、お友達をよく家に呼ぶ人向けでしょうかね?ちょっと外で軽食でもしながらおしゃべりしましょうよ、といった拡張ダイニング的な使い方はとても便利だと思います。(パーティになりませんよう^^;)

もちろんご家族でテーブルを引っ張り出してきて、外の景色を見ながらいつもと違う夕食だったりお酒飲んだりも、、なんかいいですね(笑)

共用部ですから、火気禁止(BBQ・タバコなど)、物置などデカいもの置くな、ペット放し飼いするなとか物件によって細則があって個人が自由にできない制限が入ると思いますが、一方で共用部なだけに修繕・メンテの手間やコストを個人で負担しなくて済みます。専用庭がある物件も同じですね。

次に住居としてのデメリットですが、非ルーバル住戸に比べて夏場に部屋が暑くなりやすいことが挙げられます。

方角にもよりますが、ルーバルからの照り返し、窓上部は浅い庇が多く日光が入りやすい、また、ルーバルが階段状になってて上階もルーバルだったら、上階からの輻射熱も無視できません。メリット・デメリット総合すればトータル大した問題じゃないですが、夏場に空調を利用する機会は増えそうですね。

ルーフバルコニー付き物件の価値・住みやすさ

階段状のルーバルは斜線制限を受ける物件で見かけます。画像はマンションコミュニティより抜粋。


また生活に慣れてくると、ルーバルを全く使わなくなる方もいるでしょう。これは、タワマン生活に慣れた住人が、だんだん外を見なくなるのと同じような事かも知れません。

あと細かいですが、ルーバルに面した掃き出し窓が雨仕舞の関係で足元の立ち上がりが無駄に高いことがあります(バル床面から30-40cmくらいかな)。図面に書いてるはずなので見てみて下さい。分かって買う人少ないかも。立ち上がりがあると出入りするのにエイヤっと跨ぐ必要があって出入りがちょっと大変です。

※本項に書いたバルコニーの使い方で、にっき様のマンションの規約や使用細則に引っかかってることがあったら、どうもごめんなさい。(タワマンでない限りバルコニーに物を出せないなんてことは少ないと思いますが一応。)

ルーバル住戸の資産性

続いて、資産性についてです。資産性の定義ですが、ここでは新築時からの価格維持のしやすさとします。

マンションでルーフバルコニーが付いていることは、希少性が高いです。特徴がはっきりしていて中古に出しても売りやすいと思います。

多少高かろうがルーバル欲しい人は買うのでしょうが、これって逆に言いますと、最初に新築で買うときも価格にプレミアムが乗ってます。だから実際のところ、得なのか損なのかよく分かりません。

そこでルーバル住戸の価格プレミアムというのは、新築と中古とでどう評価されてるんだろう?ってよく分からなかったので、住まいサーフィンさんにお願いして、データを出してもらいました。(※住まいサーフィンは、沖式新築時価、沖式儲かる確率など、ユニークな独自指標を持ってて面白いです)

抽出条件は以下の通りです。
  • 東京23区
  • 築20年以内
  • 専有部分70㎡以上
  • 所在階2階以上
  • 新築分譲時から中古販売時の価格推移
  • 2018年9月~2019年9月までの中古販売事例が対象
バルコニーの広さごとに、「年間騰落率」のデータを出力しました。具体的な計算式としては、こんな感じです。

年間騰落率 = ({現在価格} ÷ {新築時価格} - 1) ÷ {築年数}

{現在価格}とは、市況変動で過去の中古価格を今の中古価格としてデータ補正したものです。ここを揃えないと比較できないためです。過去の中古価格に時点補正・成約補正がかけられたものを{現在価格}と定義しています。

{築年数}で割る理由は、例えば「築10年で▲10%」「築1年で▲10%」を区別するためです。10年前に建った物件の分譲時からの騰落率と、去年建った物件の騰落率を比較しても意味がありません。そのため「1年ごとの騰落率」として全ての物件が同じ土俵で比較できるよう補正されています。

さて、下の表は「バルコニー面積別 平均年間騰落率」です。(東京23区)

バルコニー面積別 平均年間騰落率(住まいサーフィン調べ)

バルコニー面積別 平均年間騰落率(住まいサーフィン調べ)


上の2つの表は、本当はルーバル有り/無しで分けられたら良いのですが、ルーバル有無のフラグがデータに存在しなかったため、次善の策としてバルコニーの広さごとに分けました。
  • 前者の表はバルコニー面積ごとの騰落率
  • 後者の表は専有面積に対するバルコニー面積の比ごとの騰落率
です。後者で、サンプル数が6件しかない「100%以上」というのは、専有面積以上のルーバル広さがあるという意味です。こんな部屋、あるんですね(笑)

両者はどちらで切っても大して差はないですが、おおむね専有面積の50平米未満 or 比率60%未満では、騰落率にあまり差が出ません。にっき様の物件は、こちらのグループに当てはまります。

一方、50平米、60%を超えるような「特に広い」ルーバル住戸は、騰落率に下げ圧力がある(=下がりやすい)と言えそうです。

ただし、そのような広いルーバル住戸はいかんせんサンプル数が少なく、全数約3.2万件のうち、前者で50平米以上が72件(0.2%)、後者で60%帯以上が38件(0.1%)しかないため、ブレがあるかも知れません。参考程度ということでご了承下さい。

次に、もう少しデータを掘り下げてみます。

下の表「23区別 平均年間騰落率」は、バルコニー面積を25平米未満、25平米以上、50平米以上に分けて、区ごとに出力しました。(クリックしたらオリジナルの大きさになります)

23区別 平均年間騰落率(住まいサーフィン調べ)

23区別 平均年間騰落率(住まいサーフィン調べ)


それでまぁ、結論としては同じなんですけども、①25平米未満(青)と、②25平米以上(黄)の比較をしますと、全体の平均値としては騰落率の差分(②-①)+0.17%/年ということで誤差の範疇ですね。

25平米の内外で切っても、バルコニーの広さが騰落率にあまり影響しないと言えそうです。(同じくにっき様の物件はこちらに当てはまります)

次に、バル広さが③50平米以上(緑)になってくると、騰落率(③-①)-0.67%/年ということで、やはり騰落率の下げ圧力が見えます。ただ、③のデータもサンプル数が少なく信憑性が高くないことを付け加えておきます。

あとバルコニーの広さと関係ない話ですけども、やっぱりと言いますか、いわゆる「東京都心5区」は価格の伸びが大きいですね(笑)
  • 千代田区 3.97%/年
  • 中央区 5.94%/年
  • 港区 4.19%/年
  • 新宿 4.51%/年
  • 渋谷 3.29%/年
かなりはっきりと傾向が出ているので「やっぱ都心は買いなんだなぁ~」と思いながら見てました。

まとめ

一般住戸と比較して、ルーフバルコニー付き住戸は一長一短ありますが、中古流通市場でもやはり希少性がありますし、販売目線でも特徴がはっきりしていて売りやすいと思います。

ただし、新築時にすでに割高で買っているため、「ルーバル住戸全体の平均で見れば」プラスの差分(=将来の売却益)が取りやすいとは言えないようです。これは上で示したデータの通りです。

以前、別のご相談でいただいた回答に書きましたが、販売側が「行けるぜ!」と踏んで強気の価格設定がなされた住戸を買うと、売却益のための安全マージンは少なくなります。

お便り返し(9) モデルルーム採用タイプの部屋は買いか?



売却益を取りやすいのは、販売側が「この部屋大丈夫?」って弱気の値付けをして、でも実際住みやすいじゃんってパターンです。例えば、分かりやすいところで、一昔前のタワマン北向き住戸とか。

一方でいつも言ってることですが、ご購入された住戸は、にっき様が「いい部屋を購入できた」と満足されていることが何よりも大切です。

ルーバル付きは数の限られた住戸です。きっと他にも欲しかった検討者の方がおられたことでしょう。それを勝ち取ることが出来て、買ってよかったと心から喜んでおられるのであれば、それが何よりの正解だと思います。

今回、住居のことや価値についてご相談を頂きましたので、メリットもデメリットもざっと思いついたこと書きましたけども、いやまぁ、正直めっちゃ羨ましいですよ(笑)住んでみたいです。

入居が楽しみですね。楽しく充実した新生活を送ることが出来ますよう願っています^^

 

注釈:
当方からのご回答は、過去にスムログに頂いた古めの質問をピックアップさせて頂いております。特定のケースについてご質問の際、その内容を一般化して多くの方に関係する内容とさせていただく場合があります。また本記事は、当方の個人的な見解・意見であり、その内容に関していかなる責を負うものではありませんので予めご了承下さい。

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ABOUTこの記事をかいた人

マンション専門ブログ「スムログ」担当者です。某デベで新築営業した後、Web業界に転身しました。
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