第150回「希少価値があるマンション」本当ですか?

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5日おき(5、10、15・・・)の更新です。

 

筆者が運営している別サイトのブログの第633回で、「実例で語る“希少価値が高い中古”はこんな価格に」https://mituikenta.com/?p=2152」という記事を書きました。

 

文京区の「築17年マンション」の中古価格が新築並みの高値で取り引きされていること、そのわけを解説したものです。

お読みいただいた方もあるかと思いますが、希少価値が高いマンションは価格がいかに高いかの一例をご紹介したのです。

 

本稿では「希少価値」という言葉に惑わされることがないようにしたいという話をしたいと思います。

 

●営業マンがささやく甘言「希少価値が高い」

宝石の世界では、何千万円もする指輪などがあると聞きます。世界に二つとない輝きを持つ美しい宝石だからこその値段なのでしょう。車でも、日本国内に2台しか存在しない1億円の高級車があると聞いたことがあります。

有名画家の絵画が50億円で落札されたなどというニュースもたまに耳に入って来ます。

 

このように、世界に二つとないレアな資産、手作りの宝飾品、工芸品、芸術作品、骨とう品は高い価値を持ちます。

 

マンションは、1戸1戸が二つとない資産ではあるのですが、残念ながら「世界でただひとつの輝き」を放っているわけではありません。希少価値が高いマンションというのは、尺度が違うようです。

 

とまれ、マンション販売の広告を覗くと、例えば「〇〇地区では駅3分以内の物件は過去10年間で僅か〇〇%だけです」とか、「〇〇地区で〇〇公園に面するマンションは初です」などといった見出しをたまに発見します。

 

販売の最前線では、担当の営業マンが「真正面に東京タワーが見えるマンションは今どこにもありません」や「天井高が2.7mという住戸は、30階から上だけです」、「隅田川テラスと、その向こうの隅田川に直接面するのは本物件だけです」などとアピールしています。

 

これらの広告と説明にはウソはありません。

 

それを聞いた買い手は「希少価値があるということだね」と確認し、勝手に「つまり値打ちがある」と思いこむのです。「希少価値=高い価値=将来も良い値で売れる」という心の動きになるのが自然です。

 

私たちは「希少価値」という言葉に弱いのかもしれません。本当に希少な物件は価値があり、当然高値で取り引きが成立することを知っているからです。

 

しかし、その希少の程度が問題です。よく調べてみると意外に多い場合もあります。また、希少であることは間違いではないが、だからどうなのという疑問もあるのです。

 

●東京でひとつか?狭い街でひとつか?

希少価値があるかないかは、分母が大きいか小さいかによって判断されるのではないでしょうか?

 

タワーマンションが出始めの頃は、タワーマンション自体が希少価値あるものでした。眺望がどうであれ、タワーマンションに住むことは希少価値ある資産を手に入れることに等しかったのです。

 

同じように、その希少度合いは、「東京中探してもここだけです」なのか、「〇〇地区ではここだけです」なのか。ここがカギです。

 

駅に直結のマンションの希少価値が高いのは間違いないですが、大阪市の地下鉄「中津」という駅には3つもあります。地下から直結しているのです。東京でも有楽町線の「東池袋駅」には確か3つあったと思います。

 

しかし、駅直結マンションは何千とある首都圏の駅の中では数えるほどしか無いので、大きな分母、小さな分子という構図になるのです。

 

駅直結マンションは傘なしでアプローチできるものと、傘は要るが信号なしのペデストリアンデッキを渡ってアプローチできるものがあり、どちらも希少価値があります。前者はダイヤモンド、後者は金か銀といった差と言えばよいでしょうか?

 

●過去の物件すべてが比較対象

「東南の角、かつルーフテラス付き住戸」も、「東北の角、北にルーフテラス付き」も希少価値は高いが、前者は特に希少。

10mのワイドスパンで、南に3室並ぶ間取り。これも希少価値が高い。

角部屋で、玄関前は専用ポーチになっていて、しかも門扉付きである。これはプライバシー性の高い希少な間取りである。

 

駅に近いうえに閑静で自然が残る立地条件のマンション。距離と環境の良さが両立するマンションは希少価値が高い。

駅前にそびえるタワーマンション。この駅では唯一のもの。つまり希少価値が高い。

 

例を挙げて行くとキリはありませんが、これらの希少価値を考えるとき、販売中のマンションと比較するだけでは足りません。過去の中古マンションも含めて希少かどうかと、思いを巡らすことが大事です。

昔から、地域に根ざして暮らし、どこにどんなマンションがあるかを知っている人は直ぐ分かりますが、別の地域の物件を検討するときは要注意です。

 

そのような物件は過去に遡れば沢山あるかもしれません。あとにも先にも「こんな物件はありません」と言えるならば、ダイヤモンドの輝きを放ち続けることでしょう。

しかし、それほどの希少性ある要素は少ないものです。判断するに当たって情報収集をどうするかですが、ひとつは「近くを散歩してみること」です。

例えば、駅から2分と近い物件の場合、歩いてみると3分圏内に多数あることに気付きます。駅から10分前後の物件ばかりという駅では、駅1分の物件は希少価値が間違いなく高いでしょう。

 

もうひとつは空から街を眺めることです。近くに見渡せる高い建物がないときは、グーグルマップで空撮写真を使えばいいのです。

 

誤解のないように補足しておきますが、過去のすべてのマンションが比較対象になるわけではありません。リセールするとき、見学にやって来る人は、築年数で大きく劣る物件は対象にしないからです。例えば築10年で売るという場合、築30年のマンションは競争相手にはならないと見てよいでしょう。

 

●希少価値の高さを帳消しにする要素

希少価値が高いのは間違いないとしても、折角の条件が別の要素によって帳消しになってしまう場合もあります。

 

駅に3分と近く便利な物件、その駅で徒歩5分圏のマンションはひとつしかないとしても、真横を高速道路が走っているという場合などは、プラスとマイナスが相殺されてしまうのです。

 

駅から徒歩圏にあって閑静な住宅街。しかも高台になっているので見晴らしはよく、夜景も奇麗というロケーション。このような物件は確かに希少価値が高いと言えます。ところが、高台にあるマンションのアプローチは急勾配である場合が多く、シニアにとってはつらい、ベビーカーを使う子育て世帯にもつらいので、これが折角の価値を相殺してしまうのです。

 

東南の角住戸でルーフテラス付き、しかもワイドスパンの素晴らしい間取りという物件は確かに希少価値が高いですが、その駅が乗降だけの駅で、駅の周りには何もないという信じられないような駅。23区内でも現実に存在しますが、その希少価値も「駅力のなさ」によって霞んでしまうのです。

素晴らしい間取りではあるが、立地が〇〇ではねえ!というわけです。

 

駅に近く、ブランドマンションなので希少価値があると思った。駅に近いし、バルコニー方向は低層住居専用地域なので高い建物は建たないから希少価値が高いと思うetc.

このような見学感想を添えた評価のご依頼が届くとき、筆者は感じます。「一理はあるが、その部分を買いかぶっている」「間違いはないが、その希少価値はさほどのものではない」、「正しいが、その視点より大事なことがある」と。

 

●高過ぎる価格が希少価値を活かしきれない

誰が見ても希少価値の高いマンション。当然価格も高いことは受容できますが、問題は「高過ぎないか」という点にあります。

 

駅が動かない限り、駅前の何十階かのタワーマンションはランドマーク足る希少価値となりましょう。現に、そのような物件を買った人は大喜びです。

10年経って売ろうと思い、仲介業者に査定をお願いしました。最近の中古相場はかなり高いと聞いたからです。

ところが全く値上がりしていなかったのです。業者に言わせると、このマンションも最近5年で20%も上がったというのです。しかし、筆者の調査では5年前の中古価格が安かっただけのことでした。

新築時の価格を当然知っているオーナーさんは、買った価格と比べて全く上がっていないことに愕然としたのです。

 

このような事例は案外多いのです。ただし、このような価値あるマンションは、その後も持ち続けたとして値下がりはしにくいことを付け加えておきます。

 

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