「今買えば値上がり確実」という甘い罠
「湾岸タワマン、坪単価が2年で2倍」「港区新築を買えば絶対含み益」
そんな話を耳にしたことはありませんか?
確かに近年、都心の一部エリアでは、竣工時よりも高値で取引された『勝組』事例が多く存在したのは事実です。
港区や中央区の一部タワーマンションでは、買った瞬間に数千万円の含み益が出た、なんて話も実際あります。
しかし、あくまでそれは2024年までの限定的なトレンドであり、「都心の新築を買えば儲かる」というのは2025年現在において間違った考え方となります。
近年の傾向として、「儲かった話」ばかりが拡散され、知識が浅い方が「都心の新築を買えば儲かる」というバイアス陥りがちなのがSNS時代です。
「都心の新築を買えば儲かる」が何故広まっているのか
理由は以下の通りです。・主にインフレの影響による原材料価格の高騰で都心マンション価格が高騰している
・新築上記理由により新築供給が限られることによる、予約困難モデルルームの誕生
・外国人が、日本人より高い金額で買ってくれるという思い込み
・失敗したくない住宅購入において、新築マンションを購入すれば一定の品質が担保されるので、中古マンションよりも選びやすい構造
ここで注意すべき点は、マンション価格の上昇に対して、賃金上昇が到底追い付いていないということです。
つまり、実需層が買える上限金額までしかマンション価格は値上がりしないということです。
2024年までは、控えめな坪単価で売りに出された新築は多くありましたが、現在はその様な状況にありません。
そもそも近隣中古の方がアップサイドがあるという話
マンション価格が上昇する仕組みは、原材料価格上昇による高い相場の新築供給→周辺中古マンションの相場上昇
という順番です。
そのため、2つのことが言えます。
・新築価格が居住者層の平均年収を鑑みて上限に近ければ、アップサイドは無い
・近隣中古マンションの方がアップサイドの確実性は高い
ただ、新築マンションは初めての入居者であるわくわく感や、新たなコミュニティが形成されていく楽しみがあり、非常に価値が高いです。
最近の具体的事例
話題の新築リビオタワー品川の一期二次の抽選が先日ありました。条件があまり良くない部屋で坪単価が980万円以上の部屋があり、やはり低倍率となりました。
勿論、素晴らしい物件ですし、居住する上で資産性は関係ないという方も一定数いらっしゃるので、着実に新築が購入できて良いことというのが大前提のお話ですが、私の見解は下記となります。
将来、近隣某種の新築マンションの計画が無い(東急不動産泉岳寺駅直結は全く異なる性質)前提で考えると、指標としてエリアナンバーワンの品川Vタワーの相場が指標となります。
品川Vタワーは取引相場が950万円程度。
築年数の差は当然ありますが、品川駅直結という固有の価値を考慮してもリビオタワー品川の条件が普通の住戸が品川Vタワーの取引相場を超えることは考えにくいです。
パークタワー品川ベイワードは坪単価680万円程度、コスモポリス品川は坪単価750万円程度なので、築年数を許容できれば、この2物件の方が資産性の期待値は高いということになります。
では、どの様に考えるべきか
半住半投という言葉が使われるようになって久しいです。マンション購入は、居住の要素と資産の要素を併せ持っております。
相場が下落した場合、それに伴って面積が半減したり、眺望が悪くなったりしません。
あくまで優先順位は居住。
値上りすることは偶然の付随的要素と考えるべきです。
ただ、極力再販しやすい、価値の保存がしやすい物件を選ぶべきです。
なんどもお話している内容ですが、
・大規模、駅近、ブランドマンションを選ぶ
・2LDK以上の流動性の高い部屋を選ぶ
・極力適正価格で購入する
・何と言っても自分が住みたい、テンションが上がる部屋を購入する
ことが重要です。
まとめ
マンション購入は、より難しい時代に突入してきました。新築、中古と区別せず広い視野でマンション探しをするのが良いでしょう。
適切な情報を得て、最適なエージェントのサポートでご自身の最良の物件に出会えるよう心から応援しております。

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