こんにちは!
ふじふじ太です!
お便り返しです。
お便りは以下の通りです。
差出人: フジコ
誰に答えて欲しいですか?
全員
メッセージ本文:
「広い部屋に住みたいですが、予算が届きません。築年数とエリア、どちらを妥協するのが良いでしょうか?」
これだけでは漠然としすぎた問いになりますので、例えば次のようなファミリー(我が家の5年後くらいのありうる未来です)を例として、この2択の考え方についてアドバイスをもらえると嬉しいです。
夫婦ともに30代半ば、子供は5歳(女)、3歳(男)。上の子の誕生をきっかけに一次取得した文京区の70平米の3LDK(築浅)に居住中。第3子の妊活を始めたこと、上2人の性別も異なる(→部屋を分ける必要)ことから、もう少し広い(最低85平米〜、本当の本当は100平米くらい)の家に住み替えたいと考え始めた。予算は1.5億程度で検討中のため、同エリアで築古(ギリギリ新耐震基準を満たす、築35年前後の物件になりそうです)のマンションに引っ越す or 新築〜築浅にこだわり、少しエリアを妥協する(文京区→豊島区・北区・板橋区あたり?) の2択になりそう。上の子が小学校に入る前に決着をつけたい。
(1) 中長期的な資産性の観点で見たときに、都心の築古物件と、(少し)郊外の築浅物件では、どちらが保たれやすいでしょうか。
(2) 居住性の観点で見た時に、築年数による住み心地の快適性はどの程度変わってくるものなのでしょうか。
(3) 皆さんは、(個人的な意見として)総合的なQOLを決めるのはエリア or マンションのグレード、のどちらだと考えていますか?
どれもひとくくりでは語れないと思いますので、「このような点に気をつけて見れば築年数が経過しても資産性や居住性が劣後しない」「築浅でもこのような物件は要注意」などのポイントを教えていただけると嬉しいです!
お便り頂きありがとうございます。
大変際どいご質問ありがとうございます。
取得価格のハードルの違いもあるのですので、なかなか悩ましいところですね。
ひとつずつ私の感触をお伝えいたします。
(1) 中長期的な資産性の観点で見たときに、都心の築古物件と、(少し)郊外の築浅物件では、どちらが保たれやすいでしょうか。
「都心・郊外・築古・築浅」といってもそれぞれ各個人で定義が異なる部分もあり、程度にもよるのでなんともお答えはしにくいのですが、資産性の観点であえて明言するなら、一般的には「都心の築古物件」の方が資産性は保たれやすいと考えます。
理由としては、立地の強さは不変に近いからです。
特に東京都心部主要エリア(千代田区・港区・中央区・渋谷区・新宿区など)は、人口減少時代においても「住みたい」「働きたい」「投資したい」というニーズが根強く、出口も見えやすという点で将来的にも価値が下がりにくいでしょう。
都心部については再開発も多数控えているという点も大きい要因ですね。
資産性の観点も考慮しながら郊外エリアを選ぶ場合の留意点は、「そのエリアの将来性(再開発の余地)」を見極めることです。
5年後・10年後も住みたい人が増えるエリアなのか、具体的には新築マンションが建つ計画はあるか・新しい大規模商業施設(再開発)ができる余地はあるか・沿線の延伸などの計画はあるかなど10年後の街の姿を想像しながら選べば、郊外だからといって資産性が低いとは限りません。
築年数よりもエリアが大事とは思うものの、資産性を気にするなら、都心部の築古といっても「旧耐震」は選ばない方が無難です
勘違いされている方もいらっしゃるのですが、ここで重要なのは「実際に地震に強いか弱いか、耐震性能の良し悪し」ではありません。
「旧耐震でもここ最近で倒壊したマンションなんてない」
「耐震診断・耐震補強をしているから問題ない」
という専門家のご意見もあるのですが、それはまさにおっしゃる通りなのですが、残念ながら大事なのはそこではなく、それよりも「旧耐震を不安に思う人の心」の方が遥かに大きい問題なのです。
マンション価格の決定要因は、結局のところは人の感情です。
実際住む上では問題ないのかもしれませんが、「旧耐震が不安」と感じて候補外にする方が一般論として多いか少ないかでいうと、現状やはり多いと言わざるを得ませんので、資産性を気にするならわざわざ出口が狭くなる選択肢を選ぶことはないと思います。
築10年~20年でも古いと感じる方もいるくらい日本人は築浅信仰が強く、かつ地震大国という点も相まって、なおさら築44年オーバーの旧耐震は世間一般には受け入れられにくいのかもしれません。
資産性を気にせずに、「住む」ということを重視して物件を選ぶなら、都心部でも割安で買えて利便性も高い旧耐震のマンションも大変おすすめですね!
考え方によっては築年数という影響因子の観点でみるとすでに下げ止まっているという見方もできますので、築浅マンションほど価格上昇は期待できないかもですが、立地次第ですが大きく値下がることもないと思います。
(2) 居住性の観点で見た時に、築年数による住み心地の快適性はどの程度変わってくるものなのでしょうか。
必ずしも「築年数」=「住み心地の快適性」とは言い切れません。
築古で気になる点はおそらく以下のようなポイントでしょうか。
・断熱性・気密性の低さ(古い物件は壁の断熱材や窓の性能が劣る)
・設備の老朽化(特に水回りなどの劣化)
・遮音性能の低さ(過去の基準で建てられていると、上下階や隣室の音が響きやすかったりする)
・共用部の老朽化(エントランス・廊下・エレベーターの雰囲気)
上記の中で、遮音性能(他の住戸からの音問題)はなかなか読めない部分ではあるものの、「断熱性・気密性・設備の老朽化」に関していえば、フルリフォームでカバーできます。
築古物件でも内窓をつけて断熱性をカバーし、フルリフォームをして驚くべき居住快適性を実現しているお客様を何人も知っています。
フルリフォームをすることで、自分好みのデザインと設備と間取りにできたりするので、そういう意味では、型にはめられた築浅マンションよりも居住性が高くなるポテンシャルを秘めているとも言えるでしょう。
共用部に関しても、築年数が古くても管理体制(メンテナンス状況)が良ければ、全然築年数を感じさせないマンションもたくさんあります。
よって、「築年数」=「住み心地の快適性」という訳ではなく、それぞれのマンションの構造と共用部のメンテナンス状況を最低限確認しつつ、専有部の居住性はお金をかければ自分でコントロールできるものであると思って頂ければと思います。
(3) 皆さんは、(個人的な意見として)総合的なQOLを決めるのはエリア or マンションのグレード、のどちらだと考えていますか?
私見ですが、私はエリアの方が大事だと思っている派です。
マンションのグレードも大事ではありますが、私が「QOL」で大事にしているのは日常の生活の方です。
子供が生まれて尚更そう思うようになりました。
つまり日々の通勤・通学・住環境・子育て環境・買い物環境・外食環境・家族/友人/同僚/先輩との人間関係がベースなので、マンションのグレードよりも「どこで生活するか」の方が大事です。
マンションはあくまで「それらを実現するための箱(手段)」であり、目的ではありません。
中には「かっこいいマンションがほしい」というマンション所有欲のあるマンクラと呼ばれる方々がSNS上に大勢いらっしゃいますが(コレクターともいいます)、それはどちらかというと趣味嗜好(または一部投資)の要素が強いので、一般の方はあまり真似されない方が良いと思います。
ご自身の生活環境に合ったマンションを選ぶのが一番だと思いますよ!
「かっこいいマンションに住むことこそが自分のQOLを上げるんだ!」という価値観の方が強ければ、マンションのグレードを優先されて選ばれた方がよろしいかと思います。
上記、フジコ様のご参考になれば幸いです。
ご講読頂きありがとうございました!
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ご相談者様の相談内容がまさに我が家のことかと思うほどタイムリーだったので大変参考になりました。
ご相談者様は文京区3LDK70m2とのことで、含み益もありそうですが、さらに広い家は一層高くなっているでしょうから、住み替えが容易ではないこと、我が家も同じ悩みです。
すでに子育て中で、公立小の予定ならエリアを変えるより古さを飲む方が結果的に満足するのかな、とも思いながら拝読しました。
コメントありがとうございます!
なかなか悩ましい問題ですよね!
含み益があるというアドバンテージがおありであれば、次は資産性のことは一旦置いておいて、戸建含めて居住性重視で探すのも大いにありだと思います!