江東区・港区の主要20物件、その動きを4か月間(2025年12月~2026年3月15日)追った。「SUUMO」の公開情報を元に、物件の重複を独自の条件で整理し、個別の売り出し事例を追いかけ続けた結果だ。
1,185件のうち、同じ住戸として継続的に追跡可能であったものは477件だった。本稿ではこの「追跡できた住戸」を対象に、期間中の価格変更や掲載消失の動向を整理している。
追跡した477件の内訳を見ると、何らかの具体的な動きが確認された住戸が一定割合を占めている。残りの708件は、期間中に新規掲載されたものや、短期間で掲載と消失を繰り返した在庫であり、継続的な価格追跡が困難なため本分析からは除外した。
注視すべきは、継続的に観測されたこの「477件」の行方である。
価格維持住戸:一定の価格帯における「滞留」
4か月間、一度も価格を改定せずに掲載を継続した住戸は69件であった。- 三田ガーデンヒルズ:28件維持
- ブランズタワー豊洲:7件維持
これは売り手の価格維持姿勢とも、あるいは相場の下支えとも解釈できる。特に新築価格との連動性が高い物件において、こうした動きはエリア全体の水準を測る一つの指標となる。
価格改定住戸:実需の適正水準へのアジャスト
年度末に向けた2月・3月において、価格を下方修正した住戸は233件に上った。この「価格調整」の広がりこそが、今の市場の熱量を測る材料となる。
カテリーナ三田タワースイートや品川Vタワーが上位に位置する。希少性の高い物件であっても価格調整が行われている事実は、売主が実需層の資金計画に合わせて流動性を確保しようとする、市場原理に沿った行動と捉えることができる。
掲載消失住戸:流動性の変化を示す指標
3月のデータから掲載が消失した住戸は175件であった。
散布図を確認すると、ワールドシティタワーズ(WCT)が特筆すべき位置にある。41件の価格調整に対し、45件の消失が観測された。これには成約のほか、媒介契約の変更や一旦の掲載停止が含まれる可能性があるが、価格調整と消失が並走している事実は、市場が適正価格に対して反応していることを示唆している。需要に対する一つの反応として、流動性が維持されている側面が強い。
まとめ:この「4か月の記録」をどう使うか
1,185件のデータを自ら追う必要はない。本分析の結果を、検討中の物件を一次判断するための目安として活用してほしい。- 「3か月」の価格硬直性に注目する:3か月以上価格が動かない物件は、市場実勢と乖離している可能性がある。売主の価格維持姿勢や、今後の交渉の余地を測る一つの指標となる。
- 「価格調整」と「消失」の連動を拾う:WCTの例のように、適切に価格調整された物件には掲載消失へと繋がる事例も多く確認される。改定マークは、検討の土俵に乗せるべき一つの好機と言える。
- 「エリアの傾向」を意識する:ブランドが同じでもエリアにより価格調整率や滞留傾向は異なる。その違いを把握しておくことで、周囲に惑わされない判断基準を確保できる。
※同一住戸の判定は、掲載IDおよび専有面積・間取り等の一致を基準とした。
本記事はマクロ的な市場動向の考察を目的としており、特定の物件取引を推奨するものではない。データの正確性には細心の注意を払っているが、最新性を保証するものではなく、実際の取引数値とは異なる場合がある。詳細は公式サイト(SUUMO)を確認されたい。
- 中古マンション市場の定点観測―在庫・滞留・価格改定から読む湾岸と都心
湾岸・都心の中古マンション市場を在庫・滞留・価格改定率から定点観測。最新データから需給の変調を分析し、実需層が持つべき冷静な判断の視点を提示。※毎月更新
公式サイトもチェックしよう!

- 東京都港区港南四丁目
- 山手線 品川 駅 徒歩14分 東京モノレール 天王洲アイル 駅 徒歩6分 東京臨海高速鉄道りんかい線 天王洲アイル 駅 徒歩9分
- 1億1,800万円~1億9,800万円
- 1LDK+S~4LDK
- 56.33m²~80.68m²
- 22戸 / 233戸





















コメントを残す