前編では、4条件で市場を俯瞰し、 理想条件が極めて狭い領域にあることを確認した。
後編では、「では、どう戦うか」を考える。
理想条件は、どれほど狭いのか
■2LDK
価格6,000万円未満・築10年未満・60㎡以上・徒歩10分以内 をすべて満たす成約は18件(0.4%)しかない。
しかし築年数を15年未満に広げるだけで、 件数は539件に増える。
■3LDK
価格7,000万円未満・築10年未満・70㎡以上・徒歩10分以内 を満たす成約は107件(2.1%)。
築年数を15年未満に広げると、 件数は976件まで増える。
4条件とボリュームを一度に可視化する
上に示した「4ベン図」は、「4条件をすべて満たす物件がどれほど少ないか」を直感的に示す。一方で、特定の2条件だけを満たすボリューム──たとえば「価格×面積」や「駅距離×築年数」といった組み合わせは、図の構造上どうしても表現できない。実際、2LDKには価格と面積だけを満たす207件、駅距離と築年数だけを満たす247件といった、無視できないボリュームが存在する。しかし、これらは4ベン図のどこにも現れない。
そこで用いたのが、次に示すサンキー・ダイアグラムである。
サンキーは「最終的に何件残るか」を示す図ではない。条件ごとに、どれだけの件数が分岐していくのか──その過程と規模を同時に可視化するための図だ。
4ベン図が「理想条件の狭さ」を示す図だとすれば、
サンキー・ダイアグラムは「どの条件で、どれだけのボリュームが削られているのか」を示す図である。
■2LDK
(画像作成: Flourish 使用)
このサンキー図は、2LDK成約件数が価格、駅徒歩、面積、築年数という各条件で、どのように分岐していくかを示している。
価格・駅距離・面積の段階では一定の流量が保たれるが、築10年未満という条件で分岐が急激に細る構造が明確である。
2LDKでは、築年数が最終段階で強く効き、選択肢を大きく制限していることが視覚的に読み取れる。
■3LDK
3LDKのサンキー図も、価格から築年数へと条件が進むにつれて分岐していく過程を示している。
価格や面積の段階では一定の件数が維持される一方、築10年未満という条件を加えた時点で分岐が大きく生じる。
3LDKにおいても、築年数が選択肢を左右する重要な条件であり、条件設定次第で市場の見え方が大きく変わることが分かる。
何を妥協すれば選択肢が増えるのか
■2LDK
2LDKでは、価格よりも築年数を緩めたほうが、 効率よく選択肢が増える。
■3LDK
3LDKも同様だ。 築年数を一段緩めることで、 現実的な探索レンジに入る。
理想条件を捨てた先に見える、現実的な選択肢
重要なのは、「何を諦めるか」ではない。「どの順番で条件を緩めるか」である。
この地形を理解すれば、東京23区中古マンション市場は 闇雲な迷路ではなくなる。
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